【2021年版】電気自動車(EV)の税金はいくらおトク? 税制優遇の具体例を紹介

EVの税金について

電気自動車(EV)を所有する際にかかる維持費のなかでも、特に気になるのが税金です。ガソリン車と比べた場合、EVのほうが税制優遇を受けていることは知っていても、具体的にどれくらい税金が安くなるのかは、わからない人も多いのではないでしょうか。EVを所有するにあたり、知っておきたい税金に関する基礎知識を紹介します。

 

 

注:
・本記事で「電気自動車(EV)」と表現する場合、「BEV(Battery Electric Vehicle)」を意味しています。PHV・PHEVやFCVとは区別しています。
・各税金については、普通車(自家用乗用車)の情報を掲載しております。軽自動車や事業用車両については金額が異なる場合があります。

 

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車の税金には何がある?EVにかかる税金は実質2種類

車のおもちゃとコイン

画像:iStock.com/Nopphon Pattanasri

まずは、一般的に車を所有する際にかかる税金について整理しておきましょう。EV、ガソリン車といった種類を問わず、車にかかる税金は3種類あります(消費税は除きます)。

〈表〉車にかかる税金の種類

種類 納めるタイミング 納付先
環境性能割
(旧・自動車取得税)
車の購入時に納める 自治体
自動車重量税 新車登録時と車検(継続検査)時に納める
自動車税 毎年1回納める 自治体

このうち2021年5月時点では、EVのほか、プラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)、燃料電池自動車(FCV)は購入時に納める環境性能割は非課税となっております。 また、自動車重量税や自動車税についても、EVは免税または減税措置がとられています。これらの減税措置である「エコカー減税」「グリーン化特例」の適用期間が2年延長され、令和4年度までは継続されることになりました。 つまり、EVにかかる税金は実質、自動車重量税と自動車税の2種類であり、さらにこれらの税金も軽減されるのです。

〈図〉EVにかかる税金

EVにかかる税金

 

EVで受けられる税制優遇制度

画像:iStock.com/ThitareeSarmkasat

EVの税金が軽減されるのは、環境性能が高い車を対象とする2つの税制優遇制度があるからです。それぞれについて、簡単に説明します。

(1)グリーン化特例

グリーン化特例

「グリーン化特例」とは、購入する車の燃費性能や環境性能に応じ新車登録年度の翌年度分の自動車税が軽減される制度です。軽減率は、購入する車の区分と購入時期によって変わります。次に示すのは、自動車税の軽減割合を示す表1)です。

〈表〉グリーン化特例による普通車(自家用乗用車)にかかる自動車税の軽減割合

自動車の区分 軽減率
電気自動車等 概ね75%
ハイブリッド車を含むガソリン車等 軽減なし

※電気自動車等とは、EV、PHV・PHEV、FCV、天然ガス自動車を指します。

EVは、表中の「電気自動車等」の区分に入るので、自動車税の軽減率は「概ね75%」となります。一方、ハイブリッド車を含むガソリン車は2021年4月以降、それまで行われていた自動車税の軽減がなくなります。そのため、自動車税についてはEVのほうがおトクということになります。

 

(2)エコカー減税

EVの自動車重量税



「エコカー減税」とは、購入する車の排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税が軽減される制度です。2021年5月より税制が改正され、2023年4月までの間に新車登録等を行った場合に限り、特例措置が適用されます。軽減率は自動車燃費基準の達成割合に応じて25%から100%までの間で変化します。次に示すのは、自動車重量税の軽減割合を示す表2)です。

〈表〉エコカー減税による普通車(自家用乗用車)にかかる自動車重量税(新規登録、継続検査)の軽減割合

自動車の区分 軽減率
新車登録時 初回車検時
電気自動車等 免税(100%)
ハイブリッド
車を含む
ガソリン車等
2030年度
燃費基準
120% 免税(100%)
達成 免税
(100%)
軽減なし
90%
85% 50%
75%
70% 25%
60%

※ガソリン車等は2020年度燃費基準達成(CDVは令和4年度以降)および平成30年排出ガス規制50%低減の車両が対象
※電気自動車等とは、EV、PHV・PHEV、FCV、天然ガス自動車、CDV(一部要件見直し)を指します。

EVは、表中の「電気自動車等」の区分に入るので、2021年5月時点の制度では、新車登録時と初回車検時(継続検査)の自動車重量税が免税(100%軽減)されます。

 

EVにかかる税金 その1「自動車税」

車の排気口

画像:iStock.com/deepblue4you

ここからは、EVにかかる税金について、詳しく紹介します。まずは、自動車税からです。

自動車税は、地方税(都道府県税)の一種で、地方自治体の税収となります。現在は、使用用途が定められていない一般財源となっており、税収は地域の教育や医療、警察や消防などの公共サービスや福祉などのために使われます。

支払うタイミングは?

自動車税は、4月1日時点で所有している車に対してかかる税金で、基本的には4月から翌3月までの12ヵ月分を、5月にまとめて支払うことになります(車を購入した初年度は、購入月の翌月から翌3月までの期間分を購入時に支払うことになります)。

支払う金額は何で決まる?

自動車税の税額は、所有する車の排気量によって決まります。

〈表〉普通車(自家用乗用車)にかかる自動車税の税額一覧(2019年10月1日以降に新規初回登録を受けたもの)3)

総排気量 税額
1000cc以下 2万5000円
1000cc超1500cc以下 3万500円
1500cc超2000cc以下 3万6000円
2000cc超2500cc以下 4万3500円
2500cc超3000cc以下 5万円
3000cc超3500cc以下 5万7000円
3500cc超4000cc以下 6万5500円
4000cc超4500cc以下 7万5500円
4500cc超6000cc以下 8万7000円
6000cc超 11万円

EVは排気量がゼロのため、区分は「1000cc以下」となり、基準の税額は2万5000円となります。

しかしEVの場合、2021年5月時点では「グリーン化特例」が適用されるため、新車登録年度の翌年度分はこの金額から「概ね75%」の軽減措置がとられます。そのため、実質の自動車税は6500円となります。

〈図〉EVの自動車税の金額

EVの自動車税

納付先となる自治体によっては、さらに優遇措置を設けている場合もあります。たとえば、東京都の場合2021年5月時点では、EVは初回登録年度から6年間に限り自動車税が全額免税されます。

 

EVにかかる税金 その2「自動車重量税」

木の車とお金の天秤

画像:iStock.com/Alexey Emelyanov

自動車重量税は、国税の一種で、国の税収となります。税収の使途は、かつては道路の建設や維持に使うことを目的とした道路特定財源となっていましたが、道路特定財源制度の廃止にともない、現在は一般財源化されており、道路以外の用途にも使われています。

支払うタイミングは?

自動車重量税は、新車登録時と車検(継続検査)時に納める税金です。

支払う金額は何で決まる?

納める税額は、車体の重量(車両重量)によって変わります。基準となる金額は、以下のとおりです。

〈表〉エコカー減税が適用されない普通車(自家用乗用車)の2年車検(継続検査)時にかかる自動車重量税(新車登録から12年以内まで)4)

重量 税額
0.5t以下 8200円
1t以下 1万6400円
1.5t以下 2万4600円
2t以下 3万2800円
2.5t以下 4万1000円
3t以下 4万9200円

この表に単純にあてはめると、たとえば日産「リーフe+ G」の車両重量は約1.7tなので「2t以下」の区分になり、税額は3万2800円になります。

しかしEVは、2021年5月時点では「エコカー減税」が適用されます。そのため、新車登録時の自動車重量税が免税されるほか、初回車検(継続検査)時の自動車重量税も免税されます。

また2回目以降の車検についても、エコカー減税が適用されていたEVをはじめとする車両については、上記の自動車重量税よりも税額が安くなります。

〈表〉エコカー減税が適用されていた普通車(自家用乗用車)の2回目以降の車検(継続検査)時にかかる自動車重量税4)

重量 税額
0.5t以下 5000円
1t以下 1万円
1.5t以下 1万5000円
2t以下 2万円
2.5t以下 2万5000円
3t以下 3万円

※2年車検の自家用車の場合

例にあげた車体重量約1.7tの日産「リーフe+ G」の場合には、2回目の車検時以降の自動車重量税は2万円になり、同じ重量のエコカー減税が適用されない車と比べた場合、1万2800円おトクということになります。

〈図〉EVの自動車重量税の金額例

EVの自動車重量税

 

EVにはかからない税金「環境性能割」

車のディーラーと購入者

画像:iStock.com/DragonImages

環境性能割は、「割」という言葉が使われていますが、税金のひとつです。2019年10月に自動車取得税が廃止され、代わりに環境性能割が新設されました。

これは地方税(都道府県税)の一種で、地方自治体の税収となります。自動車税と同様に現在は、使用用途が定められていない一般財源となっており、税収は地域の教育や医療、警察や消防などの公共サービスや福祉などのために使われます。

支払うタイミングは?

環境性能割は、車の購入時に納める税金です。

支払う金額は何で決まる?

普通車(自家用乗用車)の場合、納める税額は取得価額の3%が基本となりますが、環境性能によって税率が軽減されます。次に示すのは、環境性能割の税率を示す表 5)です。

〈表〉普通車(自家用乗用車)にかかる自動車税環境性能割の税率

自動車の区分 税率
電気自動車等 非課税
ハイブリッド
車を含む
ガソリン車等
2030年度
燃費基準
達成 非課税
85%
75% 1%
65% 2%
60%
60%未満 3%

※ガソリン車等は2020年度燃費基準達成(CDVは令和4年度以降)および平成30年排出ガス規制50%低減の車両が対象
※電気自動車等とは、EV、PHV・PHEV、FCV、天然ガス自動車、CDV(一部要件見直し)を指します。
※令和3年12月31日までの間に取得した自家用乗用車については、税率が1%軽減されます。

2021年5月時点では、EVは表中の「電気自動車」に入り、環境性能が高いと評価されているため非課税となります。つまり、環境性能割を納める必要はありません。

※取得価額とは
「課税標準基準額」とオプション代の合計金額(1,000円未満切り捨て)です。 「課税標準基準額」は、車種やグレードをもとに算出され、おおよその目安として新車価格の90%程度とされています。

 

EVの税金は具体的にいくらかかる?

車のおもちゃと電卓と硬貨

画像:iStock.com/sureeporn

最後に、EVにかかる税金を計算してみましょう。

現行の多くの国産EVの重量は1.5〜2tです。自動車重量税は重量によって変動するため、2年ごとに車検を受ける普通車(自家用乗用車)と定めて算出してみることにします。なお、以下は、2021年5月に購入した場合の計算例です。

〈表〉EVにかかる税金

税の種類 軽減前の税額 軽減後の税額
環境性能割 0円(非課税)
自動車重量税 3万2800円 0円(免税)※1
(のちに2万円)
自動車税 2万5000円 新車登録翌年度分6500円※2
(他2万5000円)

※1 新車登録時および初回車検時が免税。2回目車検時以降は2万円。
※2 新車登録年度の翌年度分のみ。東京都の場合は新車登録年度含め6年度分が免税。

上記の表にあてはまる主なEVはこちらです。

〈表〉重量1.5〜2tのEV例

メーカー・ブランド 車種
日産自動車 リーフe+ G
レクサス UX 300e versionC
マツダ MX-30 EV Highest Set
ホンダ Honda e Advance

EVを購入した年度を0年度とし、そこから5年度目までにかかる税金は下記のようになります。

〈表〉EVを購入してから5年度目までにかかる税金

購入してからの年数 発生する税金
購入した年度(0年度目) 0円(環境性能割が非課税)
+0円(エコカー減税で自動車重量税が免税)
+購入年度月割分自動車税
1年度目 6500円(グリーン化特例で自動車税が減税)
2年度目 2万5000円(自動車税)
3年度目(初回車検含む) 2万5000円(自動車税)
+0円(エコカー減税で自動車重量税が免税)
4年度目 2万5000円(自動車税)
5年度目(2回目車検含む) 2万5000円(自動車税)
+2万円(エコカー減税で自動車重量税が減税)

※2年車検の自家用車の場合

また、東京都の場合には、自動車税も新車登録年度含め6年度分が免税されるため、毎年かかる自動車税さえも払う必要がありません。このように、自治体によってはさらにおトクな場合があるため、EVの購入の際には、必ず確認してみましょう。

EVには補助金制度もある

車のおもちゃと手

画像:iStock.com/SychuginaElena

環境性能や燃費性能が低いガソリン車と比較した場合、税金が軽減されるEVですが、さらに購入費の一部を国や自治体が補助してくれる制度も用意されています。

〈表〉国から交付される補助金

補助金の種類 補助金額
CEV補助金 最大42万円
環境省の補助金 最大80万円
経済産業省の補助金 最大60万円

上記の国の補助金とは別に、自治体もEV購入の補助金を用意している場合があります。国の補助金と自治体の補助金は併用可能な場合が多いので、お住まいの自治体によっては購入費用が大幅に軽減されます。

なお、補助金の交付を受けるためには、いくつかの条件をクリアする必要がありますので、チェックしてください。

▼EV購入で利用できる補助金について、詳しくはコチラ

evdays.tepco.co.jp

EVの税制優遇は今だけ? 購入の検討はお早めに

現状では、さまざまな税制優遇を受けているEVですが、優遇措置の大半は期間を区切った時限的措置となっています。つまり、その期限以降も同様の優遇が受けられるという保証はありません。EVを所有するうえで税金の節約をしたいなら、今のうちに購入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

 

この記事の監修者
桃田 健史
桃田 健史

日本自動車ジャーナリスト協会会員。専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。ウェブ媒体、雑誌での執筆のほか、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組や海外モーターショーの解説も担当。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ』(ダイヤモンド社)、「IoTで激変するクルマの未来」(洋泉社)など。