電気自動車の充電時間はどのくらい?普通充電・急速充電の目安を解説

EVの充電時間の目安の図版

電気自動車(EV)初心者がガソリン車との大きな違いで戸惑うのが「充電」です。「EVの充電時間は長い」と考える方もいるでしょうが、具体的にどれくらい長いかを知らない人も多いはずです。そこで普通充電・急速充電でかかる時間のほか、充電時間を短縮する方法、充電時間を気にせずEVを快適に使うコツについても紹介します。

※この記事は2022年9月2日に公開した内容をアップデートしています。

 

 

注:本記事で「EV」と表現する場合、「BEV(Battery Electric Vehicle)」を意味しています。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池自動車(FCEV)とは区別しています。

 

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EVの充電時間の目安はどのくらい?

ガソリン給油ホース

画像:iStock.com/Tomwang112

 

電気自動車(EV)の充電は、ガソリン車の給油と比べると時間がかかるのは確かです。ガソリン車がガソリンスタンドで満タンにするための所要時間が3~5分間に対して、EVは自宅などで充電を行う「普通充電」の場合、満充電にするまでに10時間以上かかることもあります。

ただし、EVの充電時間は、充電方法によって異なりますし、必ずしも充電時間が長いことが大きなデメリットになるとも言い切れません。EV充電の2つのタイプである「普通充電」と「急速充電」の充電時間に関して説明します。

 

普通充電の場合

普通充電の図版

画像:iStock.com/SimonSkafar

 

「普通充電」とは、おもに自宅で行う「基礎充電」や、宿泊先などで行う「目的地充電」で用いられる充電方式です。単相交流200Vの電力を、3〜6kW程度の出力でゆっくり充電します。

たとえば、バッテリー容量が40kWhのEVで電池残量10%から100%まで満充電とするためには「40kWh×90%=36kWh」の電力量が必要なので「36kWh÷3kW=12時間」が必要です。なお、普通充電の場合は急速充電と異なり、出力値は常に一定のため充電時間の計算は簡単にできます。

〈図〉バッテリー40kWhのEV充電時間(3kW普通充電の場合)

バッテリー40kWhのEV充電時間(3kW普通充電の場合)の図版

 

もちろん、バッテリー容量が大きくなるほど充電時間は延びますし、充電器の出力が大きくなれば、充電時間は短縮されます。

充電時間に12時間かかるというと、長いと感じるかもしれません。ガソリンスタンドで給油しながら12時間待つのはあり得ないことでしょう。けれど、夜7時に帰宅して充電を開始し、翌朝7時に出発するケースならちょうど12時間になります。

つまり、充電している間、ずっと待っている必要はなく、寝ている間に満充電になるわけです。こう考えれば、充電時間をさほど意識することはありません。

 

 

急速充電の場合

急速充電の図版

 

急速充電は、高速道路のSA・PAや道の駅など、目的地に行くまでに途中で継ぎ足し充電(経路充電)するものとして設置されているケースが多いです。そのため、普通充電よりも大きい出力を用いて、短い時間で充電することができます

多くの急速充電器は、直流で最大40〜150kW程度の高出力でEVに充電します。つまり、計算上では、出力3kWの普通充電と比較すると、13〜50倍の速さで充電できることになるのです。

ただし、日本国内の急速充電器の多くは、1回に利用できる時間が原則「最大30分」というルールが定められています。そのため、1回で充電できる電力量は限られます。

たとえば、最大出力40kWの急速充電器で30分間充電した場合、計算上では「40kW×0.5h=20kWh」が充電できることになるわけです。

〈図〉40kWの急速充電器で30分充電した場合に得られる電力量

40kWの急速充電器で30分充電した場合に得られる電力量の図版

 

ただし、車種の充電性能やバッテリー残量、充電環境(気温など)によって、充電器が同一出力であったとしても充電量が減る場合もあるため、注意が必要です(この点は後述します)。

 

 

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車種別での充電時間は?

普通充電と急速充電の時間の目安はご紹介しましたが、車種によってバッテリー容量はさまざまです。そこで、バッテリー容量の異なる代表的な3車種を例に、普通充電で満充電になるまでの時間、急速充電を30分間行った場合の充電電力量をそれぞれご紹介します。

 

Ⅰ.バッテリー容量20kWhの場合(例:日産「サクラ」)

日産「サクラ」の図版

 

現在発売されている代表的な軽EVは日産「サクラ」と三菱「eK クロスEV」の2車種です。これらの車種のバッテリーはいずれも20kWhです。

普通充電の場合

たとえば、残量10%から100%までを出力3kWで普通充電したとしましょう。日産「サクラ」の普通充電の受入最大能力は2.9kWですから、18kWh÷2.9kW=6.2時間が必要です

◯急速充電の場合
急速充電は1回の利用時間が原則30分と定められています。そこで、1回で充電できる電力量を考えてみましょう。

日産「サクラ」の急速充電の受入最大能力は30kWです。したがって、最大出力50kWの急速充電器を利用した場合でも、30分の充電量は最大で15kWh程度が目安です。また、バッテリー残量が50%を超えると充電出力が制御され低くなります。

そのため、最大出力30kW以上の急速充電器を利用した場合、30分間で10〜12kWh程度が充電可能な電力量の目安と言えるでしょう。

 

Ⅱ.バッテリー容量40kWhの場合(例:日産「リーフ」)

日産「リーフ」の図版

提供:日産自動車

 

続いて、国産EVの代表格である日産「リーフ」のベースモデル(バッテリー容量40kWh)で考えてみましょう。

◯普通充電の場合
たとえば、残量10%から100%までを出力3kWで普通充電したとしましょう。36kWh÷3kW=12時間が必要です。ただし、「リーフ」はオプションで6kWの普通充電にも対応しています。そのため、出力6kWで充電した場合は6時間でフル充電が可能です。

◯急速充電の場合
日産「リーフ」のベースモデルの急速充電の受入最大能力は50kW(容量60kWhのe+モデルは実質最大70kW程度)です。

したがって、最大出力50kWの急速充電器であれば、理論値としては30分で25kWh程度充電できる計算になりますが、実際には充電時のバッテリー温度などの条件で、ロスや制御が行われるため、理論値から10〜20%ほど差し引いた20kWh程度が30分間の充電量の目安となります。

 

Ⅲ.バッテリー容量66kWhの場合(例:日産「アリア」)

日産「アリア」の図版

提供:日産自動車

 

日産「アリア」のベースモデルのバッテリー容量は66kWhです。現在、輸入車も含めて60kWhを超えるバッテリー容量は少なくありません。大容量バッテリーのEVではどのくらいの充電時間がかかるのかを考えてみましょう。

◯普通充電の場合
たとえば、残量10%から100%までを出力3kWで普通充電したとしましょう。日産「アリア」の場合、必要な電力量は59.4kWhですから、59.4kWh÷3kW=19.8時間が必要です。「アリア」は標準装備で出力6kWにも対応しており、この場合は約10時間となります。

◯急速充電の場合
日産「アリア」の場合、急速充電の受入最大能力は130kWです。

最大出力50kWの急速充電器を使った場合は、30分で20kWh程度の充電量となりますが、最大出力90kWの急速充電器であれば、35〜40kWh程度が30分間の充電量の目安となります。

 

 

充電時間は長いが、メリットもたくさん

ここまで紹介したように、ガソリン車の給油に比べると、やはりEVの充電時間は長いと言えるでしょう。しかし、EVの充電はその特長からメリットもたくさんあります。

 

Ⅰ.ガソリンスタンドに行く必要がない

EVの場合、自宅に充電設備(充電用コンセントや普通充電器)を設置すれば、家で充電することが可能です。そのため、ガソリンスタンドへ行く必要がありません。

スマホやパソコンのように、寝ている間など家にいる時間を利用して充電ができる手軽さは大きな魅力と言えるでしょう。

とくに、ガソリンスタンドが自宅から離れた場所にしかない地域などでは、往復のガソリン消費も必要なくなるため、経済的なメリットも大きいです。

 

Ⅱ.走行コストが安い

普通充電の場合、EVのバッテリー容量によりますが、1回あたり数百円〜2000円程度の電気代で満充電にすることができます。

ガソリン車の走行コストと比較すると、2倍以上安くなるケースも少なくありません。ガソリン車とEVの充電料金の比較について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

Ⅲ.蓄電池代わりに使える

EVは車(移動手段)としてだけでなく、電気を貯めておく蓄電池としての機能も有しています。対応している車種に限られますが、V2Hという機器を利用すれば、自宅とEVの間で電気を行き来させることができ、蓄電池代わりにすることができます。

このようなことができると、災害時のもしもの備えになるだけでなく、太陽光発電で発電した電気をEVに貯めておき、夜間に自宅で使うということもでき、経済的なメリットもあるのです。

 

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充電時間を短縮する方法

充電時間を短縮する方法の図版

画像:iStock.com/Ralf Hahn

 

EVのメリットもご紹介しましたが、「それでも充電時間を短縮したい…」と考える方も多いでしょう。ここでは短縮する方法をいくつかご紹介します。

 

【普通充電①】充電設備の出力を上げる

自宅に設置する充電器を、一般的な3kW出力から6kW出力のものに変更すれば、充電時間を短縮することが可能です。単純にそれまでの半分の時間で充電することができるようになります。

ただし、出力6kWの普通充電に対応していない車種もあるほか、高出力の普通充電器を設置する場所の電気の契約にも注意が必要です。ブレーカーが落ちたりすることがないよう、電力会社や充電器の設置を依頼する業者などに相談して、適切な容量の電気契約を選択しましょう。また、6kWの充電器は3kWよりも高価ですし、電気の契約容量を増やす必要がある場合、基本料金が上がる可能性があるなど、コスト面でも検討が必要です。

 

【普通充電②】V2H機器を設置する

もうひとつ、自宅での充電時間を短縮する方法が、V2H機器を設置することです。

V2H機器とEVは、急速充電用のチャデモ規格の充電口を通じて接続されます。EVに蓄えた電気を家庭に供給することができるV2H機器は、家庭の電気からEVに充電する機能も備えています。普通充電では3kWまでしか対応していないEVでも、急速充電の仕組みを使ったV2Hの充電ではすべて6kWで充電できます。

ただし、日本国内で発売されているすべてのEVがV2Hに対応しているわけではありません。対応車種について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

【急速充電①】大きな出力の充電器を利用する

急速充電では「充電時間を短縮する」のではなく、「一定の時間で多くの充電量を得る」ことを考えてみましょう。

最も効率のよい方法は、やはり大きな出力の充電器を利用することです。最大受入出力が大きい車種であれば、40kWよりも50kW、50kWよりも90kW、さらには90kWよりも150kWの充電器で充電した方が大きな充電量を得られます。

そのため、充電スポット検索アプリなどを使って、急速充電を行う場合、出力の大きな充電スポットを選ぶようにしましょう。

 

 

【急速充電②】満充電に近いときは充電しない

EVバッテリーは、SOC(充電率)が一定量を超えると、急速充電では充電出力が落ち、満充電に近くなるほどにさらに充電出力が遅くなるという性質があります。

そのため、満充電に近い場合では急速充電を避けることもひとつのノウハウと言えるでしょう。充電残量がある程度少なくなるまで待つ方が、充電時間のロスがなくなるため、結果的にトータルの充電時間を短くすることができるのです。

 

【コラム】車種と出力の関係、充電時間の注意点

先ほど、充電時間の短縮方法のひとつとして「大きな出力の充電器を利用する」ことを紹介しました。

しかし、どんなEVでも充電器の出力を上げれば、充電時間が短縮できるかというと、実はそうではありません

EVを充電するとき、普通充電の場合は車載の充電システムを通じて電源(充電器)からの電力を受け入れ、急速充電の場合はEVと急速充電器が通信によって情報をやりとりしながら電力を受け入れています。

〈図〉急速充電器とEVの通信

急速充電器とEVの通信の図版

 

EVは車種によって対応可能な充電出力が異なるため、必要以上の出力を受け付けないよう、充電器との通信で指令を出しているのです。 以下のように同じ日産「リーフ」であっても、モデルによって普通充電でも急速充電でも受入最大能力が異なることがあります。

〈図〉対応可能な充電出力例

対応可能な充電出力例の図版

 

上述したとおり、受入最大能力が違うと、充電器の出力を大きくしても、30分で得られる充電量に変化がないケースがあります。

一般的に、車格が上がれば上がるほど、受入最大能力も大きくなる傾向があり、現在では日本国内でも受入最大能力が200kWを超える車種も登場しています。

【最大受入能力を含めたスペック一覧を紹介】
▶EVメーカー・車種一覧

 

充電時間を気にせずEVを快適に使うコツ

 

Ⅰ.「普通充電」のポイント

EV充電中の様子

画像:iStock.com/SolStock

 

ⅰ.満充電じゃなくてもいい

充電設備さえあれば、EVは自宅ガレージで充電することができます。ガソリン車の場合、わざわざガソリンスタンドまで給油しに行く必要があるので、できるだけ満タンにしておきたいのが当然です。でも、家で充電できるEVは、再びガレージに戻るまでのバッテリー残量があればいいのです。

また、バッテリーの種類にもよりますが、常に満充電にしておくのはバッテリーにとってもあまりいいことではありません。必ずしも「満充電じゃなくてもいい」という意識への変革が、ガソリン車から乗り換えた方が最初に会得すべきポイントと言えます。

 

ⅱ.タイマー機能などを活用する

ガソリン車の給油中は車の中や近くで待ちますが、家での充電は自宅で寝ている間に行うことができます。「寝ながら充電」ということですね。電気料金プランによっては、深夜の電気代がよりおトクである点もポイントです。ほとんどのEVは普通充電を制御するタイマー機能などを備えていますから、そうした機能を活用して賢明な家充電を実践するのがオススメです。

 

Ⅱ.「急速充電」のポイント

 

ⅰ.休憩のついでに充電する

休憩のついでに充電する図版

画像:iStock.com/Volodymyr Kalyniuk

その日計画しているドライブの距離や、次に充電するスポットまでの距離を考慮して、休憩する「ついで」に充電するようにするのが賢明です。

急速充電で充電する30分という時間は、給油に比べると長く思うでしょうが、高速道路のSAでトイレに行ってコーヒーを買うとか、普通に休憩しているとすぐに経ってしまう時間です。むしろ、レストランで食事をするような際には30分では足りなくなるので、食事の途中で充電が終了するEVを移動しに行かなければいけないくらいです(充電終了後はすぐに移動するよう注意しましょう)。

 

ⅱ.無理に急速充電を使わず、滞在時に普通充電をする

無理に急速充電を使わず、滞在時に普通充電をするの図版

画像:iStock.com/stellalevi

自宅外での充電だからといって、急速充電を必ず使う必要はありません。滞在時であれば、普通充電を利用できる場合もあります。

普通充電の場合も「ついで&ながら」を意識して充電するのがポイントです。たとえば、普通充電器がある宿泊施設であれば、家充電と同様に「寝ながら充電」することができます。翌日はまた長距離を走るのですから、心置きなく満充電を目指して充電できます。

レジャーや食事、ショッピングなどで出かけた場所に普通充電器があれば、そこに滞在している時間を利用して充電することができます。食事や映画で3時間を過ごせば、出力3kWの普通充電器でも9kWhも充電できます。ほぼ半日を過ごすゴルフ場であれば、帰りはまた満充電で出発! というケースも多いでしょう。

日本全国には「目的地充電」の普通充電器が約2万2000口(2024年3月末時点)も整備されています1)。今後、EVがさらに普及するのに合わせて、さまざまな施設に「EV用の普通充電設備があるのは当たり前」になっていくかもしれません。

 

 

ⅲ.余裕をもって充電する計画を

地図イラスト

画像:iStock.com/alxpin

 

EVのバッテリー容量にもよりますが、大容量バッテリーを搭載したEVの場合、30分の急速充電では「30%しか回復しない」というケースもあります。ガソリンのように「空になるから給油する」という意識ではなく「目的地に到達するために必要な電力量」を、余裕をもって「注ぎ足していく」のが、外充電を快適に使いこなすポイントです。

たとえば「残量が40%を切ったら最寄りのSAで休憩しながら充電する」といった考え方で、余裕をもって充電するようにしておけば、万が一立ち寄った充電スポットの充電器が故障していたり、先客がいて充電待ちになるといった場合でも、次の充電スポットへ向かうことができます。

所有するEVの一充電走行距離以上を1日で走るようなロングドライブをする際には、事前にルート上の充電スポットの場所を確認して、おおまかな充電計画を立てておくとスムーズです。あらかじめルート上の充電スポットをおおまかにでも把握しておけば、万が一の「使えない!」というトラブルにも対処しやすくなるでしょう。

 

 

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充電料金はいくらかかる?

 

普通充電の充電料金

普通充電は、主に自宅で長時間行うことになりますが、いくらくらいになるのでしょうか?

ここでは充電にかかる電気料金単価を31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の公表情報参照)と仮定して計算してみました。出力3kWの普通充電で0%から満充電にするには、バッテリー容量ごとに以下のような充電料金になります。

 

EVのバッテリー容量 充電時間 充電料金※
20kWhの場合 6.6時間 620円
40kWhの場合 13.3時間 1240円
66kWhの場合 22時間 2046円

※電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません。

 

急速充電の充電料金

ここまで紹介したように、急速充電は基本30分を上限として、高速道路のSAやPAなどで行います。日本国内の多くの充電設備は東京電力グループの「e-Mobility Power(eMP)」の充電インフラネットワークに属しており、そのシステムによって認証や課金が行われます。

注意が必要なのは、自分が利用する充電カードの設定によって料金が異なるということです。一律で「30分何円」と定められているわけではないので、ご注意ください。なお、充電カードに関して、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

一例として、日産の充電カードサービス「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」2)の場合、以下のような料金体系となっています。

〈表〉ZESP3の料金体系

プラン名 プレミアム100 プレミアム200 プレミアム400 シンプル
プランに含まれる充電分数※1

急速充電100分

急速充電200分

急速充電400分

設定なし(すべて従量課金)

普通充電600分

普通充電600分

普通充電600分

月額基本料金

4400円

6600円

1万1000円

1100円

充電料金※2(急速充電器)

44円/分

38.5円/分

33円/分

99円/分

充電料金※2(普通充電器)

3.3円/分

※1 急速充電の未使用分は翌月まで繰り越し可。普通充電は繰り越し不可。
※2 プランに含まれる充電分数以上に使用する場合

 

参考資料
2)日産「ZESP3」

 

今後、EVの充電時間は短くなる

見出し「今後、EVの充電時間は短くなる」の図版

画像:iStock.com/EXTREME-PHOTOGRAPHER

 

EVの普及はまだ始まったばかりです。この先、世界中のメーカーがEVの開発を進める中で、今はまだ想像もできないような進化を遂げていくことでしょう。充電時間が劇的に短縮されることも十分に想定できます。

EVの充電時間は「充電器の出力」と「EVの充電性能」および「バッテリー環境(SOC・温度)」によって左右されることを説明しました。まず「充電器の出力」について考察すると、自宅ガレージに停めている時間を活用する家充電では、それほど高出力の普通充電は実用的にもさほど必要ないでしょう。外充電のうち、ロングドライブの注ぎ足し充電である急速充電については、現在よりも高出力の急速充電器が増えていくことが想定できます。

「EVの充電性能」を決める大きな要因となるのが、大容量バッテリー(現在はリチウムイオン電池が主流)の性能です。あまりにも大きな出力で充電すると、バッテリーの劣化や発熱といったトラブルの原因にもなりかねません。

液体の電解質を使わない「全固体電池」が注目されているのも、こうした電池の基本性能を向上させる可能性があるからです。

電気で走ることで、電気というエネルギーについて考えるきっかけとなってくれるのも、EVの魅力のひとつです。EV普及はまだ始まったばかり。日本でもできるだけ多くの人が、できるだけ早くEVを体感して、電気について想像を広げてみてくれるといいですね。

※本記事の内容は公開日時点での情報となります。

 

 

この記事の監修者
寄本 好則
寄本 好則

コンテンツ制作プロダクション三軒茶屋ファクトリー代表。一般社団法人日本EVクラブのメンバー。2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成。ウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開。電気自動車情報メディアや雑誌特集などに多く寄稿している。著書に『電気自動車で幸せになる』(Kindle)など。