こんな家にするにはHow much!? 快適&電化リフォーム事例&費用8例

リフォーム 図

EVやPHVって電気で走りますよね。自宅での充電を検討すると、充電設備やV2H(Vehicle to Home)を設置する電気工事などが伴います。せっかく走行時に排ガスを出さない環境にやさしい車に乗るのだから、充電する電気ももっとエコなものにしたいですよね。

そう、太陽光発電を導入するともっとエコになります。V2Hを導入すると車の電気を家に戻せます。家の中のエネルギーをなるべく電気に変えることで、車から戻した電気の利用の幅も広がることでしょう。

そして、経済性を見据えた“電化”の観点も押さえておきたいもの。EVリフォームを考えるのなら、おうち自体のリフォームも一緒に考えてはいかがでしょうか。リフォームのおもな事例と改修費用についてご紹介します。

「見落としがちですが、リフォームの計画をする前に知っておいてほしいのは、リフォームによっては解体費用もかかるという点です。現在の家の壁や床を剥がしたり、何かを撤去したりしてリフォームするケースは、その費用も発生します。その費用も忘れずに計画しましょう」

そう語るのは『リフォームにかかるお金がわかる本』の著者・林直樹さんです。林さんの知識や経験に基づいて、リフォームプランと相場例をご紹介いたします。

●リフォーム事例1
クリーンな電気を生み出す「太陽光発電システム」

リフォーム図

 

V2H導入システムの相談窓口

 

CO2を出さない太陽光発電でつくられた電気は、クリーンでエコなエネルギーといわれています。つくった電気を使ったり、あまった電気は売ったり、エネルギーの自給自足には太陽光発電は欠かせません。

もちろん、地球にやさしいだけでなく、お財布にもやさしいのです。EVへの充電も太陽光で発電した電気で賄えば、究極のエコです。これこそ、持続可能な社会への貢献のひとつになるのではないでしょうか。そんなクリーンエネルギー生活を始めてみるのにも、気になるのは費用ではありませんか?

FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)によって、太陽光発電システムは数多く設置されました。それにともないシステムの導入価格も低下傾向にあります。平均的な搭載量である4kW程度の場合、120万円くらいが相場です。

 

一方で、太陽光発電システムはどの屋根にも設置できるわけではありません。耐震基準の違いから築40年以上の住宅には設置ができませんし、また塩害の可能性がある海の近く、屋根の形状や傾斜によっても、設置できない可能性があります。ご自宅の屋根に設置できるかどうか、まずは工事店に確認してみましょう。

ご自宅の屋根に太陽光発電システムを設置するためには、安全のためにも自宅を足場で囲う工事が必要になります。同じ足場を組む工事として、外装外壁があります。太陽光発電の導入にあわせて外装外壁をリフォームするケースも多くあります。

 

「おもに、外壁外装のリフォームは塗り替え、重ね張り、張り替えの3つです。外壁の劣化が激しい場合には、塗り替えができない場合もあります。劣化状態で対応できるリフォームが変わり、費用にも違いが出てきます。金額は塗り替え60万~100万円重ね張り150万~300万円張り替えなら200万~500万円が相場。いずれも延床面積120平方メートル程度の一戸建てで、足場工事代を含みます」(林さん)

 

また外壁外装のリフォームは、メンテナンス的な意味合いも強く、適切な周期でリフォームを行うことで家の長持ちにもつながることも意識しておきましょう。

 

【あわせてチェックしたい】太陽光発電システムをもっと知りたい方へ
▶太陽光発電を初期費用0円で導入する方法、光熱費シミュレーションも紹介(︎TEPCOホームテックのページ)

 

●リフォーム事例2
EVを自宅にむかえるなら、ぜひ検討を! 「EV用充電設備」

リフォーム図

EVの購入を検討するのであれば、EV用充電設備についても検討したいですよね。そこで、自宅における充電設備をご紹介します。

一番スタンダードなタイプは、外壁などに据え付けるコンセントタイプの充電設備になります。価格も10万円程度とお手ごろです。

ハイスペックな充電設備なら、V2Hがあります。これは充電するだけでなく、EVやPHVの大容量バッテリーに蓄えられた電気を家に戻して有効活用することができるシステム。車種によって異なりますが、これにより台風や大雪などの自然災害による停電で家庭の電気が使えなくなったときも、最大約5日間は供給できるとされています。

 

「費用は主要メーカーであるニチコンの『EVパワー・ステーション』の場合、本体価格がスタンダードモデルで54万7800円、プレミアムモデルで98万7800円(2023年4月以降出荷分の価格)。そこに30万円程度の工事費がプラスされます。

住宅と駐車場が離れている場合、接続するためのケーブルが追加で必要になることもあるので注意してください。また定額利用などのサービスや、条件はありますが利用できる補助金制度もありますから、よく調べて導入しましょう」(林さん)

 

【あわせてチェックしたい】EV用充電設備をもっと知りたい方へ
▶︎EV充電用設備の導入メリット、費用目安も解説(︎TEPCOホームテックのページ)

 

●リフォーム事例3
便利機能も搭載し、お掃除も簡単になったリフォームの代表格!「システムキッチン」

キッチンの使いやすさを考えるなら、料理の流れを意識した配置とキッチン内の動線を意識してみるのもよいでしょう。料理の流れは、冷蔵庫から食材を取り出し、洗って、刻んで、コンロで熱を加えます。盛り付けをするスペースも考えたいですね。

またIHクッキングヒーターは、天板がフラットでお手入れも楽。出来上がった料理を盛り付けるスペースにもピッタリです。火を使わず、火力も充分。デザインもスマートになることから、多くのキッチンメーカーが追加費用なしで選べる標準仕様の選択肢を設けています。

 

「価格については、最も相場が安く、広く普及しているI型システムキッチン(壁付け)の場合は50万~100万円が相場です。対面型になると内装・改築工事の範囲が広くなり、その分、費用はアップ。60万~110万円が相場になります。もう少し高額になるのは大型のL型システムキッチンやアイランドキッチン。前者は調理の作業スペースが増える分、価格もアップ。90万~150万円が相場です。後者は大型サイズで高級仕上げのものも多いので、100万~200万円を見ておくべきでしょう」(林さん)

 

システムキッチンはブランドや仕上げの方法、用いる素材のグレードで価格が変わってくる点も忘れずに。

 

【あわせてチェックしたい】IHクッキングヒーターの設置をもっと知りたい方へ
▶︎IHの3つの特長を解説、初期費用0円の導入方法も(TEPCOホームテックのページ)

 

V2H導入システムの相談窓口

 

●リフォーム事例4
見落としがちな給湯リフォーム。光熱費削減のカギは、「給湯器:エコキュート」

家庭で消費されるエネルギーの3分の1以上は「給湯」です。給湯をエコキュートにリフォームすると、光熱費もCO2も削減。その理由は、空気の熱を利用して効率よくお湯を沸かすからです。光熱費は、ガス給湯器からエコキュートにリフォームすると年間で約10万円もおトクになる試算もあります(●建物条件:木造戸建 地上2階 4LDK 約120平方メートル ●家族人数:4人)

使い勝手も便利に進化します。キッチンとお風呂の2か所同時で使用してもシャワーの圧力はそのまま使える高圧力タイプや、お風呂の衛生も考えた機能を持つ機種もあります。

 

「給湯スタイルは、お湯張りから保温、足し湯も自動、追い炊きもできるフルオートタイプやお湯張りが自動でできるセミオートタイプが主流です。またお湯をためておくタンクの容量や種類によっても価格は変わります」(林さん)

 

それらを加味した工事費を含むエコキュートの費用は、370L角型フルオート50万円程度。ただし設置場所をとるため、あらかじめリフォーム会社に設置可能かを見てもらうようにしましょう。

 

【あわせてチェックしたい】エコキュートをもっと知りたい方へ
▶︎省エネに貢献する、エコキュートの特長を紹介(TEPCOホームテックのページ)

 

●リフォーム事例5
いつものお風呂が自宅のリラックススペースに!「浴室」

給湯設備を新しくするなら、浴室もリニューアルしたいと考える人は多いことでしょう。浴室をリラクゼーションにこだわったくつろぎ空間へとリフォームすれば、自宅にいながら、スパにいるような至福の時間を味わえるかもしれません。

そんな浴室選びのポイントは、まず工法の違いです。工場生産された既製品を現場で組み立てるシステムバス(ユニットバス)と、現場で一から作り上げる在来工法があります。システムバスは、素材自体の防水性が高く気密性が高いのですが、規格品のためデザインやサイズの自由度はあまりありません。一方の在来工法の最大の特徴は、自由にスペースに合わせた空間にすることができることです。

 

「システムバスを交換するだけか、それともシステムバスを在来工法の浴室にリフォームするのか、あるいはその逆か。もちろん在来工法の浴室を同じく在来工法の浴室にリフォームするケースもあります。それ次第で金額は大きく変わるのでよく検討してみましょう。金額感は以下の通りです」(林さん)

 

システムバス→システムバス
 60万~120万円(マンション0.75坪)。

在来工法の浴室→システムバス
 80万~160万円(一戸建て1坪)。

在来工法の浴室→在来工法の浴室
 200万~350万円(一戸建て1坪)。

システムバス→在来工法の浴室
 150万~300万円(一戸建て1坪)。

ただし、在来工法は内容によって金額が大きく変わるので、あくまで参考の数字ととらえるのがよいでしょう。

●リフォーム事例6
室内の快適さと印象が一新!「内装(フローリング、床暖房、壁紙)」

リフォーム図

内装のリフォームをすると自宅の印象が大きく変わります。おしゃれにするためには、統一感や素材選びが重要なポイント。フローリングは、手触りや足触りが大切になります。硬すぎたり音が響いたりしないか直接触って確かめるとよいでしょう。

フローリングのリフォームをするなら、床暖房で冬でも暖かく快適にしたいと思いますよね。床暖房には、大きく分けて、電気ヒーター式と温水循環式の2種類があります。温水式にはさらに電気(ヒートポンプ)・ガス・灯油があります。ランニングコストが一番低いのは、空気の熱を利用して効率よくお湯を沸かすヒートポンプ式温水床暖房になります。

 

「導入コストは、ガス温水式床暖房で既存の床をそのまま活かして施工し、6畳の部屋の場合、30万~65万円が相場。床の撤去を含む張り替えとなると工事費や新しいフローリング代も加味して55万~105万円になります。一方、電気ヒーター式40万~60万円と割安ですがランニングコストはガス温水式より高めです。狭い部屋、使用時間が短く限られているような場所に向いています」(林さん)

 

そのほか、空気の熱を利用してつくった温水で床を温めることで、環境にやさしく、ランニングコストの低下も狙えるのがヒートポンプ式温水床暖房。相場は6畳の部屋に施工した場合、120万~150万円ほど。もし部屋の広さが12畳と倍になったら1.5~1.8倍になると考えてください。

また、床を変えるなら、あわせて壁や天井も一新することで、ガラッと部屋の印象を変えるアレンジも可能です。

 

壁や天井のビニールクロスの張り替えは、約15畳のリビングダイニングであれば10万~15万円が相場ですね」(林さん)

 

ただし、人気の珪藻土や漆喰の塗り壁にするという場合は人件費がかかる分、価格は高めに。30万~40万円くらいかかるのが一般的です。

 

V2H導入システムの相談窓口

 

●リフォーム事例7
実は手軽に快適さと省エネ性能が手に入る「窓・サッシ」

リフォーム図

窓・サッシのリフォームは、部屋の断熱性能や結露防止を高める効果があります。それだけでなく、風通しの改善や防音・防犯・家の耐久性の強化についてもこのリフォームで解決できることがあります。

隙間風をなくしたいときや防音対策をしたいときはサッシの隙間を埋める工事が有効です。また、夏の暑い日差しを遮ったり、冬の窓際の寒さを解消したりするには、複層ガラスに変えたり、内窓を設けたりして、断熱性を高めることが重要です。冷暖房効率も上がり、快適な空間になります。さらに、割れにくい窓ガラスや切れにくい網戸などを採用することで防犯性を上げることも可能です。

 

「工事の方法は外壁を解体せずに窓・サッシを変えられるカバー工法がよく用いられます。もとの窓よりもサイズはやや小さくなりますが、費用がそれほどかからないのがメリットです」(林さん)

 

逆をいえば、外壁を解体して窓・サッシを交換する場合は窓の大きさは変わらないか、あるいは大きくもできますが、価格は上がってしまいがちということを覚えておきましょう。

 

「カバー工法による窓およびサッシのリフォームの相場は、腰高窓なら1窓当たり、一般複層ガラスで17万~27万円、より断熱効果の高いLow-E複層ガラスの場合は18万~28万円掃き出し窓の場合は一般複層ガラスが34万~41万円、Low-E複層ガラスが36万~43万円です(いずれもサッシは室外側アルミ、室内側樹脂、引き違い2枚建て)。

また内窓を設置する場合は、腰高窓なら1窓当たり一般複層ガラスで8万5000~10万円、Low-E複層ガラスが9万5000~11万円。掃き出し窓なら1窓当たり一般複層ガラスで20万5000~23万円、Low-E複層ガラスなら22万5000~25万円が相場です」(林さん)

 

●リフォーム事例8
限られた空間だからこそ、わが家らしくリフォーム!「トイレ」

トイレは家族みんなが1日に何度も利用するスペースです。リフォームによって清潔感のみならず、わが家らしさが光る空間になるかもしれません。また、今は大丈夫でも将来的な体の衰えを視野に入れて、早めに手すりを設置したり、滑りにくくお掃除しやすい床にしたりするのも良いかもしれません。

 

「まずトイレのリフォーム代の大半を占めるのはトイレ本体の設備機器代。そのため設備機器のグレードでリフォーム費用は大きく変わります。また古いトイレの撤去や新しいトイレの設置費用、場合によっては給排水工事費用も必要ですので、それも見積もっておきましょう」(林さん)

 

「金額は撤去費1万~2万円取り付け2万~3万円が相場。そこに新しいトイレの費用がプラスされます。価格帯はだいたい10万~30万円。タンクの有無でも価格は変わりますが、タンクレスのトイレの方が高額です。予算と求める機能で自分に合った物を選びましょう。また、床や壁のリフォームも一緒に行い、素材とデザイン・色彩を統一することで空間全体を美しく仕上げることができます。その場合は、さらに費用が必要なことも視野に入れましょう」(林さん)

 

大切なのは比較検討。満足のいくリフォームのためには、しっかりと吟味を

同じリフォームでも現在の家の状況やグレード、工法、用いる設備や建材によって金額は大きく変わってきます。限られた予算をどう使うかは、リフォームでは非常に大事になります。

 

「適切で納得がいくリフォームにするためには、複数のリフォーム会社で相見積もりをとり、比較検討するのが大事です。当然のように感じるかもしれませんが、初めてのリフォームだと、1社だけの見積もりで判断してしまう人が意外と多い。

どういう物を使い、どういった工法を採用するのか、きちんと説明してもらったうえで検討してみてください。逆に、それをきちんと説明できない会社は避けた方がいいでしょう」(林さん)

 

ちなみにTEPCOホームテックが提供する「エネカリ」を利用するのも手です。月々の定額利用サービスで、V2HやIHクッキングヒーター、エコキュート、太陽光発電といった電化設備を導入でき、工事費を含む導入の初期費用は0円。リーズナブルに電化リフォームが実現できるかもしれません。

 

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やり方次第では新築に生まれ変わったような生活が手に入るリフォーム。そこに“電化”というキーワードを加えることで、環境にやさしく、ランニングコストも低減できる可能性が広がります。新たな暮らしに夢を馳せる一方で、人生の一大プロジェクトとしてしっかりプランニングすることも大切といえそうです。

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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