EVオーナー100人が選ぶ! いま注目すべきEV5選

アンケート企画

EV(電気自動車)の世界では、最近新型車が続々と登場しています。はたして、どの車種を選ぶべきなのでしょうか? 実際にEVに乗っているEVオーナー101名を対象に、独自のアンケート調査を実施。EVオーナーがとくに魅力を感じている車種と、その理由を見てみましょう。

EVオーナーがとくに注目するEV5車種

一口にEVと言っても、セダンからSUVといったモデルの違いのほか、歴史ある自動車メーカーから新興メーカーが製造しているモデルまでさまざまな車種があります。

実際にEVに乗っているオーナーの目から見ると、どのようなEVが魅力的に映っているのでしょうか? アンケート調査でとくに「魅力を感じる」との声が多かった車種を5台紹介します。

 

※以下、メーカーを50音順に表示

 

〈調査概要〉
対象:EVを所有している20〜60代の男女101名
協力:ネオマーケティング

 

EV充電設備

 

スマホ感覚で乗れる!? 驚くべき先進性のEV
テスラ「モデル3」

テスラ「モデル3」

 

テスラ「モデル3」1)は2019年5月に国内受注が開始された先進的な機能を持つ中型セダンです。

運転席に乗り込むと、従来の車とまったく景色が違うことに驚かされるでしょう。運転席にはメーターやスイッチ類がいっさいなく、運転に関わる情報から室内灯のオンオフまで、すべて15インチの大型液晶パネルで確認・操作します。このように合理性を追求しているため、「モデル3」のデザインは室内も外見も極めてシンプルです。

テスラ「モデル3」

 

また、テスラは車両の機能を強化するソフトウェアのアップデートをスマートフォンのようにWi-Fi経由で定期的に行います。EVオーナーの声を見ると、こうした先進性やデザインに着目したコメントが目にとまりました。

 

■EVオーナーの声

「ボディサイズがちょうどよく、バッテリー容量が大きいので安心して遠出することができる」(40歳・男性)

「車のデザインがいい」(62歳・男性)

「ソフトウェアの対応がしっかりしていて、後からバージョンアップできるところがいい」(63歳・男性)

 

 

世界のトヨタが満を持して送り出す初の量産EV
トヨタ自動車「bZ4X」

トヨタ自動車「bZ4X」

 

トヨタ「bZ4X」2)は、スバルと共同で開発されているSUVタイプのEVです。トヨタは2022年半ばから世界各国で順次発売する予定としています。

満充電時の航続可能距離がWLTCモードで最大500km前後(前輪駆動モデル)と発表されるなど、性能面に注目が集まっていますが、一番の注目ポイントは「bZ4X」がトヨタによる初の量産EVという点でしょう。

EVオーナーたちも、どちらかというと「トヨタが送り出すEV」という点により魅力を感じているようです。

 

■EVオーナーの声

「故障の少ない国産車がファーストチョイスとなるので、トヨタの新しいEVに期待している」(53歳・男性)

「トヨタの新しいEVブランドによる初のモデルということで注目している」(57歳・男性)

「デザインがよく、トヨタのEVだから」(56歳・男性)

 

EV充電設備

 

日産の次期主力EVの航続距離はなんと610km!
日産自動車「アリア」

日産自動車「アリア」

 

日産のEVと言えば、誰もが「リーフ」を思い浮かべると思いますが、それに次ぐ主力EVとして期待されているのがSUVタイプの「アリア」3)です。

「アリア」にはバッテリー容量と駆動方式が異なる車種がそれぞれ2タイプあります。このうち、「リーフ」に比べてかなりバッテリー容量が拡大された91kWhの前輪駆動モデルは、航続距離が最大610kmとなっています。

日常的にEVに乗る人にとって、航続距離は気になるポイントのひとつであるだけに、「アリア」に魅力を感じるオーナーが多いようです。

 

■EVオーナーの声

「リーフに比べてバッテリー容量が増え、航続距離が伸びていることに魅力を感じる」(52歳・男性)

「満充電時の航続距離が長い」(58歳・男性)

「EVの技術が確立している日産の新車種なので、車両性能や装備に期待ができる」(67歳・男性)

 

国産EVの先駆者は「信頼感」と「安さ」が強み
日産自動車「リーフ」

日産自動車「リーフ」

 

日産「リーフ」4)は、ほかの大手自動車メーカーに先駆けてEV市場の先陣を切ったパイオニアです。昨年発売開始から10周年を迎え、グローバル累計販売台数も50万台を達成するなど、日本においても大きなシェアを誇っています。

そのためEVユーザーからの信頼が厚く、また、ほかのEVに比べると価格がリーズナブルな点も特徴と言えるでしょう。2021年11月現在、「リーフ」の332万6400円~という車両価格は、国内で購入できるEVのなかでもっとも安い価格となっています。

積み上げてきた信頼感と価格の安さが「リーフ」の魅力であることはEVオーナーのコメントにもうかがえます。

 

■EVオーナーの声

「最近のリーフはそこそこの距離を走ることのできるバッテリー容量があり、ほかのEVに比べて価格も安い」(39歳・女性)

「長年販売されてきた車なので信頼できる」(53歳・男性)

「世界に先駆けて開発され、販売されてきたという実績があるため、安心して購入することができる」(62歳・男性)

 

独特のフォルムの裏に秘めた「革新性」に注目
BMW「i3」

BMW「i3」

 

2014年4月に国内販売が開始されたBMW「i3」5)も、既存のEVのなかでは息の長い車種です。

全長が短く背が高い「i3」の独特のフォルムは、販売開始から8年近くが過ぎても新鮮に映ります。また、「軽くて強い」という特性を持ち、電費性能を向上させるとも言われているカーボンファイバーで車の基本骨格を作っているのも特徴のひとつでしょう。

しかし、EVオーナーはそうした車の特徴だけに魅力を感じているわけではないようです。「BMW」というブランド自体に注目するコメントも数多く見られました。

 

■EVオーナーの声

「大衆車として最初で最後になるかもしれないオールカーボンファイバーのフレームを持つ点に魅力を感じる」(67歳・男性)

「ステータスが高く、好きなメーカーだから」(57歳・男性)

「BMWは子どものころからの憧れで、EVメーカーとしての先進性もほかのメーカーより優れている」(56歳・男性)

 

 

EV充電設備

 

EVオーナーも知らない…!? 自動車ジャーナリストがおすすめしたいEV

アンケート結果を見ると、EVオーナーは「価格のリーズナブルさ」や「車両性能」に加え、車やメーカー自体の「実績」「ブランド力」にも着目していることがわかりました。

しかし、注目すべきEVは上記の5車種だけではないはずです。そこでこれまで1万台を超える車種に乗り、試乗レビューを行っているモータージャーナリストの岡本幸一郎さんに「イチオシのEV」について聞きました。

岡本幸一郎さん

岡本幸一郎/1968年 富山県生まれ。父の仕事の関係で幼少期の70年代前半を過ごした横浜で早くもクルマに目覚める。学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作や自動車専門誌の編集に携わったのちフリーランスへ。これまで乗り継いだ愛車は25台。幼い二児の父。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

400万円台のEVならプジョー「e-208」「e-2008」がおすすめ

「いま販売されているEVの車種は、価格面で言うと『300〜400万円台で購入できる量販車』と『1000万円を超える高級車』の2つに大別できます。そのなかから、私が注目しているEV

EV充電設備

をそれぞれ紹介しましょう」

プジョーe-208

e-208

 

プジョーe-2008

e-2008

 

「まず300〜400万円台の車種でいうと、私はプジョー『e-208』『e-2008』6)の2台を高く評価しています。前者はハッチバックタイプ、後者はSUVタイプのEVで、いずれも非常によく作られている車だと感じました。

『e-208』『e-2008』の2台は“突出して優れている”というものがあるわけではないのですが、バッテリー容量、航続距離、動力性能などが最適なバランスで構成されています。そのぶん価格も抑えられていて、輸入車のEVのなかでもっともリーズナブルなので、内燃エンジン車と同じような感覚で選ぶことができるのも魅力です。

デザインや走りにもフランス車のプジョーらしい味わいがありますので、目を向けるべき価値のあるEVと言えるのではないでしょうか」

 

 

1000万円前後の高級EVならアウディ「e-tron」の完成度に注目

アウディ「e-tron」

 

「1000万円前後の高級車を購入できる余裕のある方には、アウディ『e-tron』7)シリーズがおすすめです。

欧州や米国では、日本よりもはるかにEVが普及しつつあります。その牽引役となっているのが、テスラをはじめとするプレミアムブランドの“高性能EV”です。なかでも、アウディ『e-tron』の完成度の高さには目を見張るものがあります。

もともとアウディが作る車は走行性能が高いのですが、それはEVになっても同じです。加減速のマナーがよく静かで滑らかかつ上質な運転感覚と、快適な乗り心地、高い操縦安定性のすべてを兼ね備えています。さらにバッテリーについても独自の冷却回路を設け、最大限に性能を引き出すことができているなど、本当にうまく作られています。現時点の完成度では、すべてのEVの頂点にある車と言えるでしょう」

 

 

EVの進化のスピードは想像以上。購入をためらう必要はない!

EVが進化するスピードはみなさんの想像よりもはるかに速く、岡本さんは「数年後のEVは現在とまったく異なるレベルの車になっていくだろう」と言います。

現在販売されているEVの性能も数年前に比べてかなり向上していますが、さまざまな面で今後は進化のスピードが速まっていくことでしょう。それは、バッテリー性能や航続距離、充電環境など、いまEVの課題とされていることがどんどん解決されていくということです。

さらに岡本さんはこう続けます。

「むろん不安に感じることもあるでしょうけれど、もしEVに関心があり購入を検討しているようでしたら、いますぐにでもぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと後悔するよりも新しいカーライフを楽しむ気持ちのほうがはるかに大きいことでしょう」

魅力的なEVの数々、気になる車種があったら、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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