業界初! 太陽光でお湯を沸かす「おひさまエコキュート」を大解剖。ダイキンのショールームを訪問!

おひさまエコキュート

空調機器メーカーとしての技術を活かし、家庭用給湯機「エコキュート」のシェアを拡大してきたダイキン工業株式会社さん(以下、ダイキン工業さん)。2022年2月に業界初の「おひさまエコキュート」をリリースし注目を集めました。新しく発売された「おひさまエコキュート」とはどのようなものなのでしょうか? ダイキン工業さんの体験型ショールーム「ソリューションプラザ フーハ東京」を訪問し、その仕組みや開発の背景、従来のエコキュートとの違いについてお話を聞きました。

 

【今回の取材でお話を聞いた方】

桐木学さん(ダイキン工業株式会社 空調営業本部 営業開発部)

桐木学さん(ダイキン工業株式会社 空調営業本部 営業開発部)。「おひさまエコキュート」の開発責任者。今回の開発では、社会やお客さまの暮らしのニーズに対応した快適で省エネな給湯機を目指した。

 

新電化バナー

 

おひさまエコキュートは「太陽光で発電した電気でお湯を沸かす賢い給湯機」

ダイキン工業の桐木学さん

今回お話をうかがったダイキン工業の桐木学さん。

 

2022年2月、ダイキン工業さんは、満を持して業界初の製品「おひさまエコキュート」をリリースしました。これまで普及してきた夜間形エコキュートとは、異なる特徴を持つ製品のようですが、どのような製品なのでしょうか?

「おひさまエコキュートは、夜間形エコキュートと同じように、空気の熱を利用するヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かして貯めておく給湯機です。しかし、夜間形エコキュートがおもに夜間の電気を利用してお湯を沸かすのに対して、おひさまエコキュートは太陽光で発電した電気を利用して、おもに昼間にお湯を沸かします。そもそも高効率で省エネなエコキュートですが、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない太陽光で発電した電気を利用するとさらに環境にやさしい、エコな給湯機になるんです」(ダイキン工業 桐木さん)

カーボンニュートラルが叫ばれるなか、これからは自宅で電気をつくる時代がスタンダードになってきます。その中で、注目されているのが太陽光発電です。おひさまエコキュートは、太陽光で発電した電気を上手に使う(※太陽光発電が発電しない場合や太陽光発電の発電量をご自宅の使用量が上まわる場合には電力会社からの電気を使用します)ためCO2削減に寄与するという、時代のトレンドをいち早く取り入れた製品なのです。

また、太陽光で発電した電気の自家消費を促進することで、電気代の低減にも繋がります。年々FITの買取単価も下がってきており、太陽光の余剰電力を「売電」するよりも「自家消費」する方がおトクになってきています。卒FITを迎えた方であればなおさらです。

〈図〉おひさまエコキュートのイメージ

おひさまエコキュート

 

夜間形エコキュートとの違いとは?

おひさまエコキュートのよいポイントは、環境にやさしい太陽光で発電した電気を使う点だけではありません。「ほかにも大きなメリットがある」と桐木さんは語ります。

「おひさまエコキュートと夜間形エコキュートの最大の違いは、『お湯を沸かす時間帯』です。名前のとおり、おひさまエコキュートがお湯を沸かすのは昼間。対して夜間形エコキュートは夜間(深夜)です。シンプルなのですが、これが大きなメリットを2つももたらしてくれるのです」(ダイキン工業 桐木さん)

おひさまエコキュート

 

利用者がうれしい! おひさまエコキュートの2大メリット

メリット①昼間の暖かい空気でお湯を沸かすので、電力量が少なくてすむ

「当たり前の話ですが、昼と夜では一般的に気温差があります。昼は暖かく、夜は気温が低下します。おひさまエコキュートは、夜間より外気温が高い昼間にお湯を沸かすため、ヒートポンプの効率がよくなり、より少ない電力量でお湯を沸かすことができるのです」(ダイキン工業 桐木さん)

メリット②タンクでの放熱ロスが少ない

「2つめのメリットは、タンクに貯めたお湯の放熱ロスが少ないことです。おひさまエコキュートでは、夜間形エコキュートと比較して、お湯を沸かしてから使用するまでの時間が短くなります。

たとえば、多くの家庭で最もお湯を使うのはお風呂に入る夜の時間帯ですが、夜間形エコキュートの場合、通常、お湯を沸かすのは前日の23時~翌朝7時です。保温性能が高いタンクに貯めるものの、お風呂に入る夜までに長時間、保温状態がつづくため、放熱ロスが発生します。

これに対して、おひさまエコキュートがお湯を沸かす時間帯は、朝9時~16時の間です(※)。お風呂に入る時間を仮に20時とすると夜間形エコキュートだと朝7時から13時間放熱します。おひさまエコキュートの場合、16時までに沸かすことになれば、20時までは4時間の放熱ですみます。お湯を沸かしてからすぐにお風呂のお湯として使うことになり、放熱ロスが極めて少なくなるのです。さらに、価格も夜間形と比較してほぼ同程度です」(ダイキン工業 桐木さん)

※これらの時間帯は工場出荷時における基本設定で、開始時刻を5時~10時、終了時刻を14時~17時の範囲で変更することも可能。

〈図〉夜間形エコキュートとおひさまエコキュートの放熱ロスのイメージ

〈図〉夜間形エコキュートとおひさまエコキュートの放熱ロスのイメージ

 

夜間形エコキュートの仕組みについて、詳しくはこちら
▶︎【図解】エコキュートとは? 仕組みやガスとの違いをわかりやすく解説

 

夜間形エコキュートの年間性能向上率の2〜3倍のポテンシャルのある商品

おひさまエコキュートは、省エネ性能の高さも確認ずみです。省エネ性能を表すJIS規格に当てはめてみると、「従来の夜間形より約6~9%省エネ性能が向上すると言われている」と、共同開発の担当者である東京電力エナジーパートナーの小林は言います。

「エコキュートの効率は、2011年~2022年の11年間において、毎年約3%ずつ性能が向上しています。おひさまエコキュートはそれよりも2~3倍の性能向上をわずか一年で一気に成し遂げられる商品です。これは非常に画期的なことですよ」(東京電力 エナジーパートナー 小林)
※エコキュートの効率についてはいずれも東京電力エナジーパートナー調べ

たった1年で完成! “おひさまエコキュート”の開発秘話

おひさまエコキュート

 

開発のきっかけは「カーボンニュートラルの実現」

小林が“たった1年で誕生”と話してくれましたが、おひさまエコキュートの開発がスタートしたのは2020年とつい最近のことだそう。おひさまエコキュートの開発はどのような経緯で始まったのでしょうか?

「大きなきっかけは、カーボンニュートラルの実現を目指す世界的な動きでした。日本政府では2020年10月、2050年にカーボンニュートラルを目指すことを宣言して、それに向けて国から2030年までにヒートポンプ給湯機(エコキュート)を1590万台普及させる目標が打ち出されたんです」(ダイキン工業 桐木さん)

なるほど。さらに普及させるためには新しい発想を持ち込んだ製品開発が必要だった、というわけですね。

「そうですね。エコキュートは、電気と深い関わりを持つ製品ですから、東京電力グループとしてもカーボンニュートラルを実現させるひとつのアイデアとして注目していたわけです。そのため、日本政府の発表に先立つ形で、2020年9月に電力中央研究所とともにおひさまエコキュートのプロジェクトを立ち上げ、エコキュートメーカーに共同開発に向けてお声をかけさせていただきました」(東京電力エナジーパートナー 小林)

共同開発にあたって、東京電力エナジーパートナーは、おひさまエコキュートの普及を促進するおトクな電気料金プラン(のちの「くらし上手」)を新設することを約束しました。

「おひさまエコキュートの構想は魅力的なビジョンでしたし、東京電力エナジーパートナーさんがおトクな電気料金プランをつくって普及を後押ししてくれるなら、心強いなと。お客さまにもメリットが大きいプロジェクトでしたので、ぜひ一緒に開発に取り組みたいと思いました」(ダイキン工業 桐木さん)

 

初期費用ゼロで太陽光発電やおひさまエコキュートを導入できるサービスについて、詳しく知りたい方は以下のサイト「TEPCOの新電化生活」をご覧ください。

新電化サイト

 

 

前例がない製品に戸惑いも。しかし、スピーディな開発で無事にリリース

ダイキン工業さん

 

2020年末におひさまエコキュートのプロジェクトがスタートし、わずか1年で製品のリリースを実現したことからもダイキン工業さんの開発力の高さがうかがえます。しかし、それなりの苦労もあったと桐木さんは語ります。

「もっとも困ったのは、他社を含めて前例がない製品だということでした。メーカー数社が並走する形で開発を進めたのですが、発売するのは当社(ダイキン工業)が最初だったので、業界に対する規格づくりといったところもあり、慎重に進める必要もありました」(ダイキン工業 桐木さん)

規格づくりという観点では、製品の試験運転はもちろん、カタログ制作など、緻密な作業が膨大にあったことは想像に難くありません。しかし、スピード感を持ってやりきった姿は感動すら覚えるものだったと言います。

「国が制定した1590万台という目標まで残り10年という期限があります。いち早く製品を市場に出したいとスピード感を持って開発に取り組むダイキン工業さんの姿勢には、メーカーとしての矜持を感じましたね」(東京電力エナジーパートナー 小林)

無事にリリースを果たしたわけですが、どのような気持ちだったのでしょうか?

「前例のないチャレンジだったのでリリースできてほっとしました。一方、おひさまエコキュートを暮らしに定着させるには、リリース後の仮説検証が重要ですので、お客さまの暮らしに最適化していければと思います」(ダイキン工業 桐木さん)

災害にも強い「おひさまエコキュート」。太陽光発電とともに心強い存在になりそう!

カーボンニュートラルの実現に寄与するおひさまエコキュートは、私たちの生活に新しい暮らしのきっかけを与えてくれそうです。最後に、おひさまエコキュートを検討している方に向けて、メッセージをいただきました。

「日常生活に欠かせない給湯機を、太陽光発電でまかなうおひさまエコキュートに変えるという選択は、自家用車を電気自動車(EV)に乗り換えるシフトと似ているかもしれません。新たに嗜好品を買うわけではなく、生活必需品を買い替えるという考え方と同じだと思います。

また、エコキュートは、災害対策としても注目されています。貯湯タンクに貯めたお湯を手動で取り出せるという特長があるため、災害などで断水したときに生活用水として確保できるのです。家族の安心のためにも、ぜひご検討ください」(東京電力エナジーパートナー 小林)

「住宅設備は初期費用がそれなりにかかるものですが、東京電力エナジーパートナーさんのエネカリプラスサービスなら、初期費用ゼロで導入も可能です※1。お客さまが無理なくカーボンニュートラルに貢献できるという点は、東京電力エナジーパートナーさんに強く共感しています。太陽光発電を導入したい、または導入しているという方には、ぜひおひさまエコキュートも検討いただきたいです」(ダイキン工業 桐木さん)

※1エネカリプラスは別途足場代等の費用がかかる場合があります。

 

コラム:体験型ショールーム「ダイキン ソリューションプラザ フーハ」の魅力

ダイキン ソリューションプラザ フーハ


今回、うかがった「ダイキン ソリューションプラザ フーハ」は、製品を見て触って、体験できるダイキン工業さんのショールームです。館内には、給気換気ができる最新のエアコンなどの空調機器など人気製品が幅広く展示されており、お客さまが製品の大きさや質感、使い勝手を実際に体験することができます。

その中では、進化を続けるダイキン工業さんのエコキュートに触れることも可能です。「パワフル高圧給湯」「スマホ・タブレットによる遠隔操作」といった使い勝手のよさを実感できるほか、オプションで付けられる美肌効果、洗浄効果のある「ウルトラファインバブル入浴」の機能も体感できます。


粒子の細かい泡を特徴とする「ウルトラファインバブル入浴」

粒子の細かい泡を特徴とする「ウルトラファインバブル入浴」。

また、ダイキン工業さんの人気キャラクター、「ぴちょんくん」が空調に関する知識を教えてくれるシアターもあり、家族でも楽しめます。気になる製品がある方はもちろん休日のお出かけスポットとしても、ぜひ気軽にお立ち寄りください。

ダイキン ソリューションプラザ フーハ 東京
住所:東京都新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル1F
営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週水曜日(年末年始、夏季休業)
NSビル休館日:2月第4日曜日、8月第4日曜日
http://www.daikin.co.jp/fuha/

※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、営業時間を変更している場合があります。

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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