EVリテラシー診断vol.2「自宅充電」編

【EVリテラシー診断 Vol.2】今回のテーマは「EVの自宅充電」。電気自動車(EV)のメリットのひとつは、自宅で充電(エネルギー補充)ができることです。では、それを実現するためにどの程度のハードルがあるのでしょうか? 5つの質問を通して理解を深めていきましょう。

 

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連載「EVリテラシー診断」

EVは新しいカテゴリの車ですから、少なからず新しい知見が必要です。そこでEV DAYS編集部は、テーマごとにEVリテラシーを測る質問をご用意しました。さて、あなたは何問正解できるでしょうか?


▶︎【過去の診断】vol.1「EVの普及状況」編

 

 

第1問「EVの自宅充電は、正式には“何充電”と呼ばれている?」

第1問「EVの自宅充電は、正式には“何充電”と呼ばれている?」

 

【解説】

EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の購入を検討した際、覚えておきたいのは「EV・PHEVの充電は自宅で行うのが基本」ということです。街中にも充電スポットは数多くありますが、コストや手間を考えると、自宅充電は非常にメリットが大きいです。EVの充電は3種類に分けられ、“基礎充電(自宅・拠点での充電)”、“経路充電”、“目的地充電”と表現されます。EVの特性を捉えた、理にかなった考え方なので、覚えておいて損はないでしょう。ちなみに、これらは経済産業省などの資料でも利用される正式な名称です。【正解「A」】

 

第2問「戸建住宅にEV充電器を設置する場合、設置費用の目安はいくら?」

※コンセントタイプの場合(工事費含む)

第2問「戸建住宅にEV充電器を設置する場合、設置費用の目安はいくら?」

 

【解説】

自宅でEVを充電する場合、専用充電器を設置する必要があります。しかし、そこまで大きな費用は必要がなく、最も安価なコンセントタイプなら、製品自体は約5000円、設置工事費を含めても10万円程度で済む場合がほとんどです。なお、工事時間は自宅環境にもよりますが、3時間程度で終了します。ちなみに、車メーカーによっては、充電コンセントの設置無料キャンペーンを行なっているケースもあります。【正解「B」】

 

第3問「EV(バッテリー容量40kWh)を自宅充電で10%から満充電にする場合、電気代はいくらかかる?」

※電気料金単価を31円/kWhと仮定した電力量料金のみの場合

第3問「EV(バッテリー容量40kWh)を自宅充電で10%から満充電にする場合、電気代はいくらかかる?」

 

【解説】

バッテリー容量40kWhのEVを10%から100%まで充電する電力量料金を算出する場合、まずは必要な電力量を計算します。必要な電力量は「40kWh - (40kWh×10%)」ですから36kWh。1kWhあたりの電気料金単価は31円と仮定するため、充電料金は「36kWh×31円=1116円」です。たとえば、バッテリー容量40kWhの日産リーフの航続距離はカタログスペックで322kmに達します。燃費15km/Lのガソリン車で同じ距離を走った場合、ガソリン代(1L 165円と仮定)は約3500円ですから、比較するといかにEVの充電料金が安いかがわかります。【正解「B」】

 

第4問「EV(バッテリー容量40kWh)を自宅充電で10%から満充電にする場合、何時間かかる?」

※充電コンセント(出力3kW)で充電した場合

第4問「EV(バッテリー容量40kWh)を自宅充電で10%から満充電にする場合、何時間かかる?」

 

【解説】

第3問と同様に、必要な電力量は36kWhです。コンセントタイプの自宅充電だと、充電出力は3kWが基準となります。そのため、「36kWh÷3kW=12時間」と算出されます。たとえば朝8時に出発する用事がある場合、夜8時から充電すれば満充電でスタートできる計算です。なお、自宅充電でもV2H機器などを利用すれば出力を2倍の6kWにすることも可能です。ただし、車種によって6kWの普通充電に対応していない場合もあるため、注意しましょう。【正解「B」】

 

第5問「EV充電設備を設置している、東京都内のマンションは何%?」

※東京都によるアンケート調査による

第5問「EV充電設備を設置している、東京都内のマンションは何%?」

 

【解説】

日本におけるEVの所有環境の問題のひとつが、集合住宅における充電設備の不足です。これを示すように、都内マンションの管理組合を対象とした東京都のアンケート調査によれば、EV充電設備を備えているのは約5%(回答数1167件中62件)だといいます1)。無回答のマンションも含めて考えると、実際にはこれよりも少ない可能性もあります。集合住宅の設置に当たっては、住民間での合意形成や費用分担が課題になるケースが多いです。設置を希望する場合は、管理組合に相談し、専門業者の助けも借りながら、住民の合意と技術的な課題の2つを解決していくとよいでしょう。【正解「A」】

 

診断結果

 

正答数 評 価
全問正解! パーフェクト!自宅充電を知り尽くす「EV博士」
4問正解 EV感度・知識ともに良し!「EV上級者」
3問正解 上級者までもう一歩!「EV優等生」
2問正解 感度を高めるともっと楽しい!「EV中級者」
0〜1問正解 これからたくさん学べる!「EV初級者」

 

基礎情報はもちろん、自分の家を踏まえたシミュレーションや課題認識が大切

自宅充電は非常に便利です。某車メーカーのテレビコマーシャルでは「起きたら充電100%」というキャッチコピーを使っていましたが、寝る前に充電を始めれば、出発時には充電が完了。ガソリンスタンドに行く手間がなくなり、費用負担も少なくなる場合が多いです(ガソリン車と比較して、2分の1以下になる試算もあります)。

ただし、現状では集合住宅でのEV充電設備の設置ハードルは高く、マンション住まいの方の車選びの選択肢からEVが外れがちですし、もし充電の課題を理解せずに購入した場合に「こんなはずじゃなかった…」という後悔の元にもなりかねません。

そのため、EVの自宅充電については、基礎的な情報を身につけるだけでなく、シミュレーションをしてみたり、必要であれば、充電器の設置工事の見積もりを取ったりしてみるとよいでしょう。自動車ディーラーや充電設備の設置会社なら、自分に合った設置方法等を説明してくれるはずです。積極的に利用することをおすすめします。

 

 

 

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この記事の著者
EV DAYS編集部
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