【EVリテラシー診断 Vol.3】今回のテーマは「充電スポット」。目的地に辿り着くまでに立ち寄る充電スポットの利用は、慣れないと戸惑うことが多いでしょう。そこで5つの質問を通して理解を深めてみましょう。
連載「EVリテラシー診断」
EVは新しいカテゴリの車ですから、少なからず新しい知見が必要です。そこでEV DAYS編集部は、テーマごとにEVリテラシーを測る質問をご用意しました。さて、あなたは何問正解できるでしょうか?
▶︎【過去の診断】vol.1「EVの普及状況」編
▶︎【過去の診断】vol.2「自宅充電」編
第1問「充電スポットの充電器は全国に何口ある?」
※テスラ車独自の充電スポット「スーパーチャージャー」を除く
【解説】
ゼンリンの調べによれば、2025年5月時点でEVの急速充電器は約1万1000口、普通充電器が約2万5000口あります1)。一方、2024年3月時点で、ガソリンスタンドは約2万7000店2)ですが、年々減少している状態です。“口数”と“店舗数”なので、同列には語れませんが、EVの充電スポットはガソリンスタンド並みの数が揃いつつあるといえるでしょう。ちなみに、国は今後も充電スポットを増設する方針で、2030年までに合計30万口まで増やす目標を掲げています。【正解「B」】
第2問「充電スポットを利用するときに必要ないものは?」
※テスラ車独自の充電スポット「スーパーチャージャー」を除く
【解説】
近年、充電スポットを利用する方法は多様化し、利便性が向上しています。かつては、充電カード(事前にクレジットカード情報などを認証したもの)が必須でしたが、スマホアプリやクレジットカードなどだけで充電できる充電スポットも徐々に増えてきています。なお、もしも充電カードや充電アプリがない場合は、クレジットカード情報を使って「ビジター」として利用することができるケースが多いです。ちなみに、決済のためにクレジットカード情報は必要ですが、車種情報は必要ありません。【正解「C」】
第3問「充電スポットで急速充電する場合、1回最大何分充電できる?」
※テスラ車独自の充電スポット「スーパーチャージャー」を除く
【解説】
テスラの「スーパーチャージャー」などを除き、日本の充電スポットのほとんどでは急速充電時に1回あたりの時間制限を定めています。基準は「30分間」となっており、これは充電渋滞を起こさないための仕組みのひとつです。充電中、車外に出て食事やカフェをしても問題はありませんが、時間内に戻ってこられるように心がける必要があります。なお、後続車がいない場合、2回目の“おかわり充電”を行うことは禁止されていません。周囲の状況を見ながら、マナーに気をつけて利用することが大切です【正解「A」】
第4問「効率よく急速充電するために、チェックすべきことは?」
【解説】
効率よく急速充電するために個人ができることは大きく2つあります。1つめは、「バッテリー残量が多い状態で充電を行わないこと」です。電欠を恐れると、充電残量が多い状態でも充電したくなりますが、バッテリーの仕組み上、残量が多いと充電されにくいのです。そして、2つめは「出力が大きい充電器を選ぶこと」です。出力は充電器で大きく異なり、原則として出力が大きいと、30分間での充電量も多くなります。ただし、車種によって受入可能な最大出力に差があり、いくら充電器の出力が大きくても充電量が増えないことがあります。この点には注意が必要です【正解「A」】
第5問「2025年6月現在、国内で利用できる急速充電器の最大出力は?」
※e-Mobility Powerの充電ネットワークの充電器に限る
【解説】
国内の急速充電器の平均的な出力は約40kW/口3)ですが、年々、高速道路のSA・PAなどで高出力器が増えており、90kW/口、その上位の150kW/口までが利用可能な状況となっています(2025年6月時点。e-Mobility Powerの充電ネットワーク)。しかし、近年のEVバッテリー容量が増加傾向にあることも踏まえ、さらなる高出力器である350kW/口が誕生4)。2025年度内に運用が開始される見込みとなっています。今後、こういった高出力器は増えていくことが予想されます。【正解「B」】
診断結果
正答数 | 評 価 |
全問正解! | パーフェクト!充電を知り尽くす「EV博士」 |
4問正解 | EV感度・知識ともに良し!「EV上級者」 |
3問正解 | 上級者までもう一歩!「EV優等生」 |
2問正解 | 感度を高めるともっと楽しい!「EV中級者」 |
0〜1問正解 | これからたくさん学べる!「EV初級者」 |
充電スポットは想像よりも充実。今後の進化にも期待!
EV普及のネックとして、充電環境の問題が取り沙汰されることがよくあります。しかし、充電スポットの数に目を向けると、完璧ではないにせよ、不便を感じさせないレベルにまで充実してきているのがわかります。
また、数や質においても、さらなる対策が打たれるほか、新規参入する企業が増えており、利便性はますます高まってきているといえるでしょう。
とはいえ、現在ガソリン車に乗っているユーザーの方にとって、EV充電は未知の体験ですし、一定の充電時間が必要であるなど、利用感に違いがあるのは間違いありません。
EV購入を検討している方は、ぜひ一度EVの試乗とともに充電スポットの利用をおすすめします。
参考資料
1)ゼンリン「Electric | ゼンリンEVソリューション」
2)経済産業省 資源エネルギー庁「令和5年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました」
3)経済産業省「充電インフラ整備促進に向けた指針」
4)e-Mobility Power「最大出力350kW/口、最大電圧1,000V 次世代超急速充電器「SERA-400」を初公開 ~存在感と高い操作性を追求したスタイリッシュなデザイン~」
※本記事の内容は公開日時点での情報となります