エコキュートは湯切れしたらどうなる? 原因と対策を解説!

エコキュート湯切れ

エコキュートとは、空気の熱を利用して電気でお湯を沸かす省エネで高効率な給湯機です。毎月の電気代を節約できることに加え、地球環境にもやさしい点が魅力です。

しかし、沸かしたお湯を貯める貯湯式のエコキュートのデメリットとして挙げられるのが、お湯が足りなくなってしまう湯切れの可能性です。「エコキュートを導入したいけれど、湯切れしてお湯が使えなくなるのは不便だ」と感じている方もいるでしょう。そこで、湯切れがなぜ起こるのか、湯切れしてしまった時の対処法などについて、わかりやすく説明します。

 

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エコキュートでお湯が使える仕組み

エコキュートでお湯が使える仕組み

 

まず、エコキュートがお湯をつくる仕組みをおさらいしましょう。エコキュートを構成するヒートポンプユニットは膨張した二酸化炭素(CO2)が大気から熱を吸収し、そのCO2を圧縮して高温にします。その後、タンクからの水とCO2が熱交換することでお湯を沸かしているのです。
一般的にエコキュートは、夜間に1日分のお湯を沸かして利用します。そのためエコキュート導入の際には、家庭で使用する1日のお湯の量を想定し適切な容量の機種を選定することが大切です。

 

 

【原因】エコキュートの湯切れはなぜ起こるの?

エコキュートの湯切れ

画像:iStock.com/Andrey_Kuzmin

 

使っている途中でお湯が足りなくなってしまう、エコキュートの湯切れ。入浴中などに湯切れが起こってしまっては大変です。湯切れしてしまうと、お湯の蛇口をひねってもお湯が出てきません。お湯を使うには、タンク内のお湯がもう一度沸くまで待たなくてはなりません。

まず、なぜ湯切れが発生するのか、その原因を知るところから始めましょう。基本的にエコキュートには、湯切れが起こらないように自動でお湯を沸かす「自動沸き増し機能」がついています。ただし、この設定をオフにしたときや自動沸き増し機能でも追いつかないぐらいお湯を使ったときなどには、湯切れが起こってしまう可能性があるのです。

このように湯切れを防ぐ「自動沸き増し機能」ですが、裏を返せば、前日の夜に沸かしたお湯だけでは足りなくなっている状況だと言えます。しかし、電気代の割高な昼間などに自動沸き増しを繰り返すと、電気代が上がってしまう可能性があります。そのため、自動沸き増しの頻度は少ない方が電気代の負担が増えずに済むのです。

容量の問題

自動沸き増しが起こるなどお湯が足りなくなる原因は、貯湯タンクのお湯の量とその日に使用するお湯の量のミスマッチです。お湯の量は貯湯タンクの容量で決まっているため、日常的にお湯が足りなくなる事態、つまり自動沸き増しが起こらないようにするには、使用するお湯の量に合ったタンクの容量を選ぶことが大切なのです。

エコキュートのタンク容量は370リットルと460リットルというラインナップが一般的。メーカーにより違いがありますが、目安として370リットルであれば使用人数は3〜5人、460リットルなら4〜7人程度と言えます。それより大きな容量で550〜560リットルがラインナップされているメーカーもあります。ほかにも小容量の185リットル、300リットルタイプもあります。

どのタンク容量にするのかは、目安の使用人数だけではなく、毎日のお湯の使用量を考慮しながら選ぶのがおすすめです。なぜなら、メーカーが目安としている使用人数・お湯の使用量と比べて多い・少ないの個人差があるからです。また、使用量を想定するにあたり、年に数回しかないようなお湯の使用量に合わせるのか、沸き増しを前提にするのかでも、判断基準が変わります。

多様な視点でタンク容量を選ぶ

エコキュートは長く使用する機器のため、将来的なお湯の使用量も考えて検討するのもいいでしょう。生活用水を備蓄しておくためにタンク容量を大きめにするという判断も、貯湯式のエコキュートならではの選択肢と言えます。ただし、貯湯タンクの容量が大きくなれば、商品の本体価格も上がり、広い設置スペースも必要になるため、そういった点も考慮しながらタンク容量を検討するようにしましょう。

もちろん、湯切れを起こさないためにはエコキュートの使い方に気を配ることも大切です。たとえば、シャワーや蛇口のお湯を止め忘れたり、お風呂の自動保温を切り忘れたりなどで想定外にお湯を使ってしまい、お湯が足りなくなることもあります。また、自動沸き増し機能で湯沸かしが追いつかない場合があることや、沸き増しにはある程度の時間がかかることもあらかじめ理解しておくと、湯切れに悩まされにくくなるでしょう。

 

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【対策】エコキュートの湯切れの可能性を減らすには

エコキュート

 

エコキュートは貯湯式の給湯機です。基本的には、タンクユニットに貯められたお湯の量までしか使うことができません。この上限を超えてしまうと、湯切れの恐れがあると言えます。そのため、湯切れを避ける機能として「自動沸き増し機能」が備わっています。一方で、ガス給湯機は使うときに同時にお湯をつくる「瞬間式」の給湯機です。故障を除けば、湯切れの可能性がないという点がエコキュートとの大きな違いのひとつです。

ですので「自動沸き増し機能」がついていても電気代を増やさないためには「自動沸き増し機能」を使う頻度は少ないほうがいいと言えます。もちろん、湯切れの可能性も減らしたいもの。そのための方策をご紹介します。

普段よりたくさんお湯を使うときはあらかじめ「沸き増し」を

通常より多くお湯を使用する場合は、あらかじめ沸き増しを行っておきましょう。多くのエコキュートには、お湯を使った量の実績に応じて沸き上げ量をコントロールする「学習モード」が搭載されていますので、通常より多くお湯を使用することがあらかじめ分かっていれば、沸き増しをすることで湯切れの可能性を減らすことができます。ただし、沸き増しにはある程度の時間がかかるということを知っておきましょう。なお、沸き増しの操作方法は各メーカーによって異なります。

シャワーやお風呂の温度はなるべく控えめに

お湯を使うのに差し支えのない範囲で、給湯の温度やお風呂の温度を控えめにするのも、湯切れの可能性を減らすのに有効です。温めなおすときには、「追い焚き」ではなく「差し湯」を利用すると、湯切れを防ぐとともに省エネになります。ただし、「差し湯」を使うと、浴槽の湯量は増えるので注意しましょう。

また、シャワーの止め忘れなど、思わぬところでお湯を使ってしまうことがないように気をつけましょう。

太陽光発電の余った発電量で昼間に沸き増しする

太陽光発電

画像:iStock.com/querbeet

 

一般的に、電気代の単価は夜間より昼間の方が高く設定されています。そのため、昼間に沸き増しを行うと、電気代が上がってしまうことが心配されます。太陽光発電を設置している住宅では、余った発電量を沸き増しに利用することもできるでしょう。そうすれば、昼間の沸き増しによる電気代の負担を軽減できる場合があります。ただし、この場合、売電収入はその分減ることも知っておくといいでしょう。

昼間にお湯をつくる新商品「おひさまエコキュート」を使うと、電気料金プランによっては、昼間の沸き増しで電気代が気になることは減るかもしれません。

 

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エコキュートのことをよく知って湯切れのない快適な生活を

沸かしたお湯を貯めて使うエコキュートですが、「自動沸き増し機能」という湯切れを軽減するための対策が備わっています。さらに、お湯の使用量に合ったタンク容量選ぶとともに、必要に応じて沸き増しを行うことなどで湯切れを軽減できる場合があります。
エコキュートは、省エネで高効率なうえ、災害時の生活用水を確保でき太陽光発電の自家消費との相性もいい給湯機です。エコキュートがお湯を沸かす仕組みや「追い焚き」「差し湯」などの機能のことも理解してエコキュートを上手に使いこなせば、デメリットをカバーできるケースもあるでしょう。エネルギー効率も進化し、スマート化も進んでいるいま、カーボンニュートラルな社会に合ったエコな給湯機を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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