エコキュートの寿命は何年?寿命を縮める原因、安く買い替えるコツも解説

エコキュート寿命

エコキュートは省エネ性能に優れ、環境にやさしい給湯機です。しかし、決して安い買い物ではないので、導入や買い替えを検討している方の中には「寿命はどれくらいなの?」と気になる方も多いでしょう。そこで、エコキュートの寿命や買い替えのサインを解説。あわせて、買い替えや交換の費用を安く抑えるコツも紹介します。

 

※この記事は2022年2月14日に公開した内容をアップデートしています。

 

 

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エコキュートの寿命は10年が目安

一般的に、エコキュートの寿命(耐用年数)は10年が目安です1)

しかし、これはあくまで目安であり、使い方やメンテナンス状況によって、10年より早く機器交換が必要になることもあれば、10年以上安全に利用できる場合も多々あります。

また、交換といっても部品のみで済む軽微なケースから、機器全体を交換するケースまでさまざまです。後述しますが、できるだけ長く安全に使うためには、定期点検を行い、適切な使い方をすることが大切です。

なお、設置から10年以上が経過すると、補修用の部品類の製造・販売がすでに行われていないことがあります。部品が調達できなければ不具合箇所が生じても修理できないため、そういった意味においても10年がひとつの目安となるでしょう。

ちなみに、エコキュートはお湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と、お湯を貯めておく「貯湯タンク」という2つの機器で構成されていますが、貯湯タンクの方が長持ちする傾向にあります。つまり、どちらかが先に壊れてしまう、というケースもあるので知っておきましょう。

 

 

 

エコキュートとガス給湯器、どちらが長寿命?

エコキュート

 

給湯機を導入検討している方の中には、エコキュートとガス給湯器のどちらにしようか迷っている方もいるでしょう。中にはそれぞれの寿命の長さに違いはあるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、エコキュートとガス給湯器の寿命に明確な違いはありません

給湯機は、JIS規格(日本産業規格)の条件に基づき、安全上支障なく使用できる期間として、「設計上の標準使用期間」が定められており、それが一般的に10年(家庭用の場合)となっています。日本ガス石油機器工業会も、一般的な温水機器の「設計上の標準使用期間」は8〜10年程度としており、それを経過した場合には点検を行うよう呼びかけています2)

したがって、ガス給湯器とエコキュートは、どちらの場合でも寿命は10年が目安となるでしょう。

 

 

エコキュートの寿命を知らせる6つのサイン

ヒートポンプ解体

画像:masahiro– stock.adobe.com

 

エコキュートは、寿命が近づくと異常を示すサインを発するようになります。以下のような現象が見られる場合は、電源ブレーカーを切る、給湯機へ給水する止水栓を閉じるなどしてから使用を中止し、設置業者などに点検・修理を依頼しましょう。

 

①エラーコードが表示される


機種によりますが、何らかの異常が発生した場合、エラーコードがリモコンの液晶パネルに表示されます。個人で対応できる場合もありますが、エラーコードが頻繁に表示されたり、解決できない場合には設置業者に点検を依頼しましょう。

 

②お湯の温度調整ができない、お湯が出なくなる


エコキュートが湯切れを起こしていないのに、お湯が出なくなったり、お湯の温度が安定しなくなったりしたら、経年劣化による不具合が起こっている可能性があります。

 

 

③異常な音・振動がする


運転中のエコキュートから、変な音や振動がある場合、本体のどこかに異常を来していることがあります。

 

④本体や配管から水が漏れる


使用年数が経過すると、内部や配管が劣化して、水漏れが発生してしまうことがあります。

 

⑤エコキュートの漏電遮断器が頻繁に動作する


エコキュートの貯湯タンクには、漏電遮断器(漏電ブレーカー)が設置されています。漏電が起こったとき、安全確保のために通電をシャットアウトする必要があるためです。この漏電遮断器が頻繁に動作した場合、配線に不具合がある可能性があります。

 

⑥運転中以外に「逃し弁」と繋がっている排水升から水が漏れる


「逃し弁」とは、エコキュートの貯湯タンクの圧力を逃がすための機構です。これがないと、内部の圧力で貯湯タンクが変形してしまうおそれがあります。運転中に、内部の圧力が高まったとき、逃し弁と繋がっている排出口からタンク内の膨張水が排水される仕組みになっています。しかし、運転していないときにも排水されたり、水が漏れ出てしまう場合、異常が発生している可能性があります。

 

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エコキュートの寿命に影響する4つの要因

注意喚起の標識

画像:iStock.com/deepblue4you

 

エコキュートの寿命は、使い方次第で長くも短くもなります。機器に悪影響を与えたり、寿命を短くしてしまう要因として、以下が挙げられます。

 

①定期的なメンテナンスや点検を行っていない


メーカーや業界団体では、エコキュートを長く安全に使用するためにも、定期的な点検・メンテナンスをすすめています。正常に運転していると思っていても、設置業者が点検しないとわからないことがあるためです。

また、定期的な点検で早期に異常が発見できると、部品交換だけで済み、買い替えなくてよいケースもあります。長く安全に使うためにはメンテナンスと点検を行いましょう。

 

②環境に適したエコキュートを使用していない


エコキュートには、その地域の環境に適した製品がラインナップされています。種類としては、「一般地仕様」「寒冷地仕様」「耐塩害仕様」などです。設置業者に依頼すれば不一致が起こるのは稀だと考えられますが、もし環境に合わない製品を設置してしまうと、寿命が短くなってしまう恐れがあります。

 

③エコキュートに水質が適していない


井戸水や温泉水、地下水など水道水以外の水には、カルシウムやマグネシウムなどの成分を多く含んでいるケースがあり、エコキュートの配管を詰まらせるなどして、経年劣化を早めてしまう恐れがあります。もし、これらの水を利用したい場合には、設置業者やメーカーにあらかじめ相談するようにしましょう。

 

④推奨されていない入浴剤を使う


フルオートタイプのエコキュートでは追いだき機能が利用できますが、浴槽のお湯が配管や熱交換器を循環するため、入浴剤の成分がそれらの金属腐食や循環ポンプの不具合の原因になる恐れがあります。そのため、入浴剤を使用する場合は、必ずメーカーが推奨する入浴剤を使うようにしましょう。

 

エコキュートの買い替え費用相場と安くするコツ

計算機と見積書イメージ

画像:iStock.com/takasuu

 

エコキュートの交換費用の目安


もしエコキュートが寿命を迎え、機器本体をすべて交換する場合、本体の機器代のほかに工事費もかかります。

費用を大きく左右するのは、エコキュートの機能(省エネ機能、給湯タイプなど)のほか、貯湯タンクの容量などですが、工事費を含めて設置業者との交渉となるため、一概にいくらかかると断言することはできません。

ただ、参考としてですが、ある設置業者にエコキュートの交換費用相場をうかがった記事がありますので、こちらを参考にしてみてください。

 

 

安く買い替えるためのポイント


買い替え費用を抑えるには、いくつかポイントがあります。こちらは、エコキュートを初めて導入する方も押さえておきたいことなので、参考にしてみてください。

 

①情報収集を十分に行う


エコキュートはメーカーや容量などで多くの選択肢があり、価格もさまざまです。メーカーのホームページを見たり、カタログを取り寄せたり、ショールームで実物を見るなどして自分のライフスタイルをイメージしながら、情報収集し、比較検討しましょう。

結果として、自分のライフスタイルに合った、安価な機種を選ぶことができるでしょう。

このような情報収集は、設置業者の見積内容の確認や価格交渉などの際にも役立ちます。まずはいろいろな情報を集めるところからスタートしましょう。

 

②複数の信頼できる設置業者で見積もりを取る


次に、信頼できる設置業者を複数社選びましょう。悪徳業者もいないとは限らないため、口コミや業者の実績・資本状況などを確認してもいいでしょう。

複数の信頼できる設置業者を選定したら見積もりを取り、見積内容をよく確認し、工事内容と費用を比較検討することをおすすめします。

その際、全く同じ条件で見積もりを取ることで、より安価に契約できる設置業者はどこなのかがわかり、費用負担を軽減できます。

③追加工事費が発生しない機種を選ぶ


エコキュートが寿命を迎え、買い替えを検討している場合は、追加工事費のかからない機種を選ぶのもポイントです。

たとえば、配管や貯湯タンクの基礎などは劣化しておらず、そのまま問題なく流用できるケースなら、追加工事が不要なため費用を抑えられる場合もあります。

 

 

太陽光発電があるなら「おひさまエコキュート」を選択肢に入れよう

家の外観画像

画像:iStock.com/sl-f

 

ここまでエコキュートの寿命と、そこからの買い替え費用に関してご紹介をしてきましたが、もしご自宅に太陽光発電を導入されている(もしくは検討中)なら、「おひさまエコキュート」という製品を選択肢に入れるといいでしょう。

「おひさまエコキュート」とは、おもに太陽光発電の電気を活用して、昼間にお湯を沸かす給湯機です。

通常のエコキュートは、一般的に夜間の電気代を割安に設定している電気料金プランとセットで利用するため、電気代が安くなる夜間にお湯を沸かします。これに対して、おひさまエコキュートは、太陽光発電でつくった電気を使って昼間にお湯を沸かすため、省エネ性が高く、太陽光発電の電気をおトクに使うことができます。

〈図〉通常のエコキュートとおひさまエコキュートの使い方

通常のエコキュートとおひさまエコキュートの使い方の図

 

ちなみに、おひさまエコキュートを導入すると、通常のエコキュートを使用する場合と比べて一般的に電気代を削減することができます。参考として、給湯機メーカーが行った試算結果から、どれくらい電気代を削減できるのか紹介します3)

〈図〉給湯にかかる光熱費の比較(年間)

給湯にかかる光熱費の比較(年間)グラフ

 

東京電力エナジーパートナーの電気料金プランを用いて試算した場合、おひさまエコキュートでは、通常のエコキュートと比べて約21%、金額にすると年間1万589円の電気代を削減できる結果が出ています。

 

【試算条件】
試算料金メニュー
・従来形エコキュート:東京電力エナジーパートナー「スマートライフプラン」
・おひさまエコキュート:東京電力エナジーパートナー「くらし上手L」 基本料金(給湯分)は、基本料金(全体)を給湯と給湯以外の買電電力量で按分。
従量料金には料金メニューの単価に再エネ賦課金(2022年度単価:3.45 円/kWh)を加算。自家消費した分については、太陽光発電の余剰電力買取単価である17 円/kWh(2022年度)として算出。

 

 

なお、東京電力グループのTEPCOホームテックでは、太陽光発電やおひさまエコキュートなどを初期費用0円で導入することができるサービス「エネカリ」を提供しています。このサービスには、メンテナンスや保証もついているので維持コストを含めて将来の家計を計画的に設計することができます。

「エネカリ」について詳しく知りたい方は以下をクリックしてみてください。

 

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エコキュートは定期点検などをして長く安全に使おう

エコキュートの寿命はおよそ10年が目安です。しかし、定期的な点検やメンテナンスを行えば、より長く使える可能性もあります。一方でメンテナンスを怠ったり、誤った使い方をしてしまうと、もっと早く買い替えが必要になる可能性もあります。

もし、エコキュートを買い替えるべきか迷っているのであれば、今回ご紹介した買い替えのサインや買い替えなどの際のポイントも参考にしながら検討してみましょう。

 

 

※本記事の内容は公開日時点での情報となります

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
EV DAYS編集部