〈連載「新電化生活、はじめました」第3回〉自宅に太陽光発電や蓄電池を取り入れるため、リフォームするのは現実的な選択肢のひとつです。新築からわずか2年、思い切ってリフォームを実施したのが梅本さんです。その背景には、もしものときへの備えがありました。その思いと実際の暮らしぶりを詳しく伺いました。
インタビューに答えてくれたのは梅本祐紀さん・佐和子さん
今回お話を聞いたのは、神奈川県にお住まいの梅本祐紀(ゆうき)さんと佐和子(さわこ)さん。吹き抜けの素敵なリビングでお迎えいただきました。
お住まい | 神奈川県 |
家族構成 | ご夫婦+お子さん2人 |
導入方法 | 新築2年目にリフォーム導入 |
導入した設備 | ・太陽光発電(9kW) ・蓄電池(13.5kWh) |
導入時期 | 2022年3月 |
2度の震災の記憶を背景にリフォームを決断
2020年にご自宅を建てられ、今年(2022年)に太陽光発電と蓄電池を取り入れるリフォームを実施した梅本さん。新築から2年後に導入されたことに、どのような理由があったのでしょうか?
祐紀さん「もともと太陽光発電に興味があって、家を建てるときに設置を検討したんです。ただ、それなりの費用がかかることから、ほかの設備を優先してしまって。後付けも可能だと知っていたので先送りにしました。
でも、電気代が上がり、計画停電というキーワードも耳にするようになりました。世の中の情勢も不安定なことから、改めてエネルギーを自給自足できることに大きな魅力を感じるようになったんです。そこで去年の春くらいに本格的に調べ始めて、ようやく今年3月に設置することができました」
新築時から太陽光発電にご興味があったのですね。何かきっかけがあったのでしょうか?
祐紀さん「じつは夫婦ともに神戸出身で、小さいころに阪神淡路大震災を経験していまして。当時大変な思いをしたんです。さらにそのあと、仕事で東京に移住した直後に東日本大震災がありました。災害を間近に見てきた経験から、家族が安全に過ごすための備えとして、太陽光発電や蓄電池が必要だと夫婦で話してきたんです」
それは大変な経験でしたね。阪神淡路大震災当時、おいくつだったのですか?
祐紀さん「僕は中学2年生でした。当時マンションの9階に住んでいて、エレベーターが止まってしまい、水の運搬も大変でした。電気や水は失われると本当に厳しいんです。だからうちには長期保存水がたくさんあります」
佐和子さん「そういった経験もしたので、太陽光発電や蓄電池は必要だなとは感じていました。自宅を建てたときには、価格のことで後回しになってしまったんですが、付けられてよかったです」
ネットでの見積もりに加え、自ら調べて納得感のある設備を導入
実際の導入にあたって、どのように進められたのでしょうか。そこにはこだわり派の旦那さまならではの徹底的なリサーチがあったようです。
祐紀さん「まず、ネットサービスで相見積もりをとって3社の施工会社から提案いただきました。ただその時点では、満足のいく内容はなかったんです。とはいえ諦めたくなかったので、自分でしっかり調べてテスラの蓄電池を扱っている施工会社にすることに決めました。ちょうどキャンペーン期間中だったこともあり、納得できる内容でした」
太陽光発電もその施工会社さんに決めたんですね。決め手はどんなところにあったのでしょうか?
祐紀さん「じつはテスラの蓄電池だと補助金の対象外になるんです。ただ、計算してみると、蓄電池の容量あたりの単価は割安でした。加えてバッテリーが大容量なので、停電時でも丸1日は使えるという安心感があるんですよ。
太陽光発電は約9kW、蓄電池は約13kWhの容量なので日常で困ることはないですし、雨天でも1kWほどは発電します。『こんな天気でも発電するんだね』と夫婦で驚きました。
スマホアプリでモニタリングできるので『この天気だとどのくらいだろう?』とチェックしながら楽しんで生活しています」
安心感を求めて導入したものの、思わぬメリットが
とすると、自宅の電気のほとんどが太陽光発電でまかなえている印象ですね。売電も可能になりそうです。
祐紀さん「そうですね。雨が続いた週でも、電気の自給率は最も低くて70%後半くらい、大半は100%まかなえていますからね。売電目的の導入ではありませんでしたが、売れたらやっぱりうれしいですね。手元計算で4月は1万7000円ほどの収入がありました」
コスト面もさることながら、やはり安心感は大きいですよね。意識の面で変わったことはありますか?
佐和子さん「スマホアプリで電気をどれだけ使っているかが見られるので、節電意識は高まりました。今日は雨だからちょっと電気を控えようかな?と、電気を大切にするようになりましたね。
今までは通知ハガキを見て、電気代が高くても『寒い日多かったもんね』くらいでしたが、今はアプリで日々チェックして『なんか今高いかも…!?』って(笑)。それくらい敏感になりました」
こだわりの高性能住宅で、お子さまの反応も上々
ご自宅を見渡すと家具も家電もシンプルで美しいですね。家自体にもこだわりを感じます。
祐紀さん「そうですね。家の内外装や立地もとことん突き詰めました。土地探しから建築まで、結構長く相談してこの家を建てたんです。夫婦で重視したいポイントが違ったので、それぞれの視点を持ち寄って家づくりを進めた感覚ですね。
特にこだわったポイントはどこだったのでしょうか?
祐紀さん「高気密、高断熱にはとことんこだわりました。日本でもZEH(ゼッチ)の基準がありますけど、それをはるかに上回るレベルの気密性と断熱性を実現しています。その上に太陽光発電を付けたので、とても満足しています。
じつはこの家にはエアコンが1台しかないんですよ。一般的に吹き抜けは冷気が下に逃げて、夏場上の部屋は暑くなりますが、樹脂製の高断熱サッシを採用しているので、どの部屋でも同じ温度で過ごせる造りになっています」
太陽光発電や蓄電池を取り入れた高性能住宅での生活、素敵ですね。お子さまからは何か反応はありましたか?
祐紀さん「上の子は11歳になるのですが、太陽光発電や蓄電池で何が起こっているかわかっているようですね。スマホにアプリを入れてあげたのですが、『今日は天気悪いからイマイチだね』とか、家族の関心ごとになりました。
僕がいろいろ教えたいタイプなので、ニュースの世界情勢から自分たちの生活がどう変わるのかを簡単に説明してあげるんです。ヨーロッパの戦争が身近な電気代のことにつながると、自分ごととして感じてくれると思いますから。
あとは関西人なので、『電気もタダじゃないから〜。ついてるよ〜。使ってないなら消して』って、つい言ったりもするんですよね(笑)」
それなりの出費ながら、安心に加えて経済的なメリットも得られる
最後に、これから太陽光発電の導入を検討している方に向けて、梅本さんからアドバイスをいただきました。
祐紀さん「何かにつけて防災男なので(笑)その観点から。自前で電気をまかなえて、もしものときに備えることができる家には、大きな安心感が得られます。いざというときに家族を守ってくれる家がほしいなら、きっと満足できるんじゃないかと思います」
佐和子さん「もし震災とかあったときに、家で過ごせるというのは1つの安心材料ですよね。もし心配な方は設置してもいいのではないでしょうか」
梅本さんは、2度にわたる震災のご経験から、太陽光発電と蓄電池を家族のための安心設備ととらえ、思い切って導入したようです。理想の家づくりのために出費もそれなりに大きかったはずですが、自宅の電気の大半をまかなえることはもちろん、売電までできる経済的なメリットも手に入れることができました。
安心感に満ちたご家族の生活に加え、防災と経済的な観点を身近にして育ったお子さまのこれからの成長も楽しみですね。
太陽光発電の導入をカンタン手軽にする「エネカリ/エネカリプラス」
梅本さんも初期費用がネックだと仰っていましたが、太陽光発電などの導入を手軽にしてくれるのが東京電力グループの「エネカリ/エネカリプラス」です。
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