自宅にEV充電器を設置する現場に密着!電気を熟知したプロの技とは?

充電工事レポ

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を購入するとき、やっぱり気になるのは充電のことですよね。一般的に「自宅で充電できるとおトク」と言われますが、自宅でどのように充電するのかを知っている人はほとんどいないでしょう。そこで、EV用充電器を設置するサービスを提供しているTEPCOホームテックへ取材を行い、施工現場に密着しました! 設置までの流れと注意点、施工ポイントについてご紹介します。

 

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【今回の取材協力企業】
TEPCOホームテック株式会社

太陽光発電やエコキュート、蓄電池といった電化設備を中心に設計・施工からアフターメンテナンスまでを担う企業。EV関連の施工も請け負っており、一般住宅に対してはEV用充電器(200Vの充電用コンセント)のほか、V2Hの施工も行っている。東京電力グループならではの電気全般に対する深いノウハウを持っているのが特徴。
▶︎Web

 

そもそも、EV用充電器はどうやって設置するの?

自宅に専用の充電設備はなぜ必要? 自分では設置できないの?

大前提として知っておいてほしいのが、EVを安全に充電するためには専用の充電器が必要であるということです。これは自宅での充電も外出先での充電でも同様です。

自宅の場合、最も手軽に取り付けることができるのが、充電用コンセントですが、電気工事は感電事故や漏電による火災などにつながる恐れがあるため、設置するためには専門資格が必要となります。そのため、必ず専門業者に依頼しましょう。

ちなみに、イメージとしては、以下のように駐車場にEV用充電器を設置することになります。基本的に、駐車場が自宅の壁面から近い場合はコンセントタイプを、駐車場が遠い場合などはスタンドタイプを選ぶことになります。

〈図〉EV用充電器のタイプ別の設置イメージ

〈図〉EV用充電器のタイプ別の設置イメージ

 

今回は、もっともオーソドックスなEV充電用コンセント(200V)の設置を依頼した場合について、紹介していきます。

 

 

約1カ月で完了! EV用充電器を設置するまでの流れ

さて、現場レポートを始めたいところですが、まずは設置までの大まかな流れを押さえておきましょう。TEPCOホームテックに依頼した場合、以下のような流れで設置まで進みます。

 

手順 備考
①施工業者へ問合せ TELもしくはWebサイトから
②折り返し連絡 -
③現地調査の申込み -
④現地調査の訪問日の調整 希望日に合わせて設定
⑤現地調査 1時間程度
⑥お見積り 現地調査から1週間以内程度
⑦契約締結 -
⑧工事日の調整 希望日に合わせて設定
⑨工事 2時間〜半日程度

 

申込から1カ月ほどで工事を行いますが、EVの納車日に合わせて工事を行うこともありますので、工事日の調整次第と考えたほうがいいでしょう。

なお、流れを見てもらうとわかるとおり、工事費用の見積りは必ず現地調査の後に行われます。これは、自宅の状況により工事内容が変化するためです。たとえば、現地調査では以下のような項目を確認して、どのようにEV用充電器を設置するかを決めていきます。

〈表〉現地調査で確認する主な項目

・EV用充電器の設置予定場所
・分電盤に空き回路があるかないか
・ブレーカーの容量・サイズ、変更の有無
・分電盤から駐車場までの配線ルート

 

TEPCOホームテックの場合は、自宅の電気契約容量を確認した上で、EVを充電してもブレーカーが落ちないかどうかを判断し、必要であれば電気契約容量の変更提案・工事などもワンストップで行なっています。

現場に密着! 自宅にEV用充電器を設置するリアルな工程とは?

ということで、いよいよ現場レポートのスタートです! 関東近郊のとあるお住まいでEV用充電器の設置工事があるということで、現場にお伺いしました。なお、今回作業に取りかかった職人さんは2名です。息の合った連携プレーが光る施工現場でした。

EV用充電器を設置する場所は、住宅の壁面

矢印部分に設置することを想定した工事

矢印部分に設置することを想定した工事です

 

今回、EV用充電器を設置するのは住宅の壁面です。住宅と駐車場の間にはフェンスがあるのですが、車載充電ケーブルを伸ばして対応する予定です。

[13:00]設置場所を家主さんと打合せ

施工の様子

 

13:00、施工がスタート。まずは家主さんとEV用充電器の設置場所についてすり合わせを行います。「設置したけれど、やっぱりイメージと違った……」ということは避けたいですからね。実際に使用するEVの車載充電ケーブルを用いて、設置場所や充電時に車載充電ケーブルのコントロールボックスを置く場所などのイメージ共有を行いました。

施工の様子

 

さまざまな要素を検討しつつ、5分ほどの話し合いで大体の位置は決定しました! なお、今回設置するのはPanasonic製のEV・PHEV充電用200Vコンセント。非常にシンプルなコンセントで、多くの住宅で採用されているスタンダードな商品です。

[13:15]分電盤から住宅壁面までの配線ルートを確認

分電盤

 

続いて行うのは、分電盤から住宅壁面まで通す配線ケーブルのルート確認です。

分電盤とは、建物の各部屋や機器に電気を分け与える装置です。言わば、住宅全体の電気を司る場所と言っていいでしょう。EV用充電器は大きな電気を使うため、新しい回路をつくり、独自に配線を引かなければいけません。

分電盤の空きスペース

この空きスペースに、200Vの回路を新しく設置します。

 

配線を行うときに難しいのは、分電盤から住宅壁面まで、人目につかない場所を通さなければいけないことです。やむを得ない場合を除いて、基本的には屋根裏や床下など、人目につかない場所に通すように作業を行います。

施工の様子

 

施工の様子

浴室の天井裏。この壁の向こう側に分電盤があり、ここから配線を引くことになります。

 

今回のお住まいの場合、分電盤は1階にある浴室の天井近くに配置してありました。駐車場の壁面も1階なので、まずは浴室の天井裏から配線ケーブルを通せるか確認します。

床下を確認

床下を覗き込み、どのような構造になっているかを確認。

 

続いて、天井裏から壁面を通して、床下へ配線ケーブルを下ろせるか。さらに床下を通って駐車場近くの壁面まで配線が行えるかを確認します。

施工の様子

行けそうだと思ったら、実際に床下に潜ります!

 

ちなみに、床下は真っ暗でものすごく狭いです……その中をスルスルと入っていく職人さんはさすがですね……!

施工の様子

職人さんは、狭いスペースとは思えないほどのスピードでほふく前進して、床下の奥へ消えていきました。

 

なお、配線ケーブルを駐車場近くの壁面まで通せることを確認したら、次の工程に備え、配線ケーブルを抱えて再度床下に潜って奥へと運んでいきます。

[13:45]床下と屋外で連携を取りながら、壁面の施工を開始

施工の様子

床下の職人さん「おーい、聞こえる?」→屋外の職人さん「小さいけど聞こえるよ!」

 

床下での配線ケーブルを通すルートが確認できたら、床下と屋外で連携しながら、住宅壁面の施工を開始します。

今回のお宅の場合、基礎工事のときに使用した床下から屋外に抜ける小さな水抜孔があったそうなのですが、外壁の化粧として薄く漆喰が塗られ、穴の表面が埋められていました。

施工の様子

 

そこで、住宅へのダメージを最小限に抑えることも考え、新たに穴を開けるのではなく、その穴を再利用することになりました。もちろん、このときも家主の人に家の構造や状況を丁寧に説明した上で作業を行います。

施工の様子

床下の職人さん「配線通すよ!」→屋外の職人さん「OK、受け取った!」

 

無事、開けた小さな穴を通して、床下にいる職人さんから配線ケーブルとアース線を屋外の職人さんが受け取り、屋外と床下がつながりました!

[14:00]配線ケーブルを床下〜天井〜分電盤まで設置

施工の様子

床下に配線ケーブルとアース線を通しながら、今度は浴室の床下まで戻ります。

 

床下から屋外へ配線ケーブルの端を渡したら、床下にいる職人さんは配線ケーブルとアース線を設置しながら、分電盤まで延ばしていく作業を行います。床下では、ほかの排水管などと絡まったりしないように気をつけながらの作業となります。

施工の様子

床下から引き上げられた配線ケーブルとアース線。

 

配線ケーブルとアース線を、床下から浴室の壁を通して天井裏まで引き上げたら、分電盤に電気回路を新たにつくり、配線ケーブルをつないでいきます。

施工の様子

分電盤の配線工事は危険ですので、工事を行うには資格が必要です。

 

今回、使用したPanasonic製のコンパクトブレーカ。

今回、使用したPanasonic製のコンパクトブレーカ。

 

分電盤の右側にあるスペースに、新しい電気回路をつくるのですが、今回使われたのはPanasonicのコンパクトブレーカというものでした。ブレーカーと言えば、停電時に操作するもの……というイメージですが、このように設置するのですね。

回路を新しくつくった分電盤。

回路を新しくつくった分電盤。

 

配線が見えないよう、分電盤のカバーをつけたら完了

配線が見えないよう、分電盤のカバーをつけたら完了!

 

新しい回路を設置し、配線ケーブルもつなぐことができました。無事、EV用充電器の設置の関門のひとつである配線まわりの工事は完了です!

[14:00]配線ケーブルを処理して、壁面にEV用充電器を設置

配線を通している間、屋外での作業が止まっているわけではありません。時を同じくして、先ほど開けた穴を利用しつつ、安全に利用できるように壁面での施工も行なっていきます。

施工の様子

 

施工の様子

 

まずは壁面に開けた穴の周りに配線用ボックスを取り付けるとともに、床下から送られた配線ケーブルとアース線に負荷がかからないよう、処理を施します。

施工の様子

 

施工の様子

 

配線処理を行なったら、EV用充電器の設置位置を改めて確認しながら、基礎となるパーツを設置し、配線ケーブルとアース線を接続できるように調整します。

施工の様子

 

施工の様子

 

そして、いよいよEV用充電器の設置です。配線ケーブルやアース線は差し込むだけですぐに取り付けられる構造となっています。

施工の様子

 

施工の様子

 

配線を処理したら、雨対策で壁面との間をコーキングで埋め、きれいに処理を施します。カバーを装着したら完成です。

[15:00]電気が通っているかを測定して……作業完了!

施工自体は全て終了しましたが、最後に忘れてはいけないのが通電確認です。200VのEV用充電器ですから、電圧が規定値に達しているかを確認します。

施工の様子

 

測定したところ、200Vの規定値の電圧を確認できました!

施工の様子

 

実際に充電している様子

 

終了したところで、実際に充電を行なってみました。家主の方は初めて自宅で充電したようですが、充電ケーブルの取り回しなど思ったとおりの使い勝手になったそうです!

 

施工時に注意したいポイントとは?

ちなみに、今回は分電盤〜屋根裏〜床下〜住宅壁面というルートで配線ケーブルを通したことで、スムーズにEV用充電器を設置することができました。

しかし、住宅によっては、このようにスムーズにいかない場合もあるそうです。TEPCOホームテックから施工にあたって注意したいポイントをいくつか教えてもらったので、ご紹介しましょう。

Ⅰ.住宅・駐車場の構造によって施工方法が異なる

今回の場合は、屋根裏や床下に配線を隠ぺいして通すことで見栄えよくできましたが、地下のコンクリート造りの駐車場の場合などは、配線ケーブルを目の届かない場所に設置することが難しい場合があります。

こういったケースでは、外壁などに沿って配線ケーブルを這わせる露出配線になるなど、ケースバイケースで施工方法は異なるものになります。

Ⅱ.集合住宅への施工は困難な場合が多い

集合住宅の場合、居住者が依頼されても施工が難しいことがあります。管理組合の許可を得た上での施工となりますので、居住者の一存で設置することは難しい点は認識しておきましょう。

Ⅲ.事前準備は必要なし! ただし、ホームセキュリティはオフに

基本的に、施工に向けて家主の方が準備することはありません。ただし、ホームセキュリティを設置しているお宅の場合、一時的に電気を落としたりするため、誤って警報が鳴ってしまうことがあります。そのため、警備会社に施工について事前に知らせておくことをおすすめします。

施工は数時間で完了。気になったらお気軽に問合せを!

充電口

 

今回の施工は、取り掛かってから3時間ほどで完了。迅速かつ丁寧で、ご自宅に設置される方への説明を大切にされた対応でした。これなら安心してお任せできますね。

また、電気関連の作業のみならず、天井裏を覗いたり、床下に潜ったり……。「仮に電気関連の資格を持っていても、これは住宅構造の知識も深くないとできない作業だな」と取材班一同、改めて感心していました。

TEPCOホームテックは、電気に関する知識が豊富で、EV用充電器の施工工事はもちろん、自宅の電気契約容量を確認してくれます。これにより、EVを充電してもブレーカーが落ちないかどうかを判断し、必要であれば電気契約容量の変更提案・工事、電力会社への申請などもワンストップでできるのです。この点は東京電力グループならではの強みです。また、施工後10年間のアフターフォローも行なっています。

前述どおり、自分の自宅でどのような施工が必要なのかを判断するのは難しいものです。自宅へのEV用充電器の設置を検討したら、まずはTEPCOホームテックのホームページから現地調査をお願いしてみましょう。自宅に最適な施工を提案してくれますよ。

詳しくは、以下からお問合せください。

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この記事の著者
EV DAYS編集部
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