【連載:オーナーズ世論調査Vol.9】EVユーザーの実態をアンケート調査から紐解く本企画。今回のテーマは「EVの走りの満足度」について。不満点もあわせて聞いてみました。
まだまだ新しいジャンルの乗り物だけに、EV購入者の多くはガソリン車からの乗り換えということになります。となるとどうしても考えてしまうのが、その違い。なかでも乗り味は大きく変わるとされています。いずれもタイヤが4つ付いた金属の塊であるため、見た目に大きな違いはありませんが、動力機関がエンジンとモーターとでは中身は別物。乗り味や走行性能は当然変わってきます。
そこで、すでにEVを所有するユーザー179人にアンケート調査を実施。まずはガソリン車と比べて、「EVの走りで気に入っているところは?」と聞いてみました。
※調査方法/アンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWebアンケート方式で実施
経済性と静かさ。長所は楽しさより、家族に優しい走り?
もっともポイントが多かったのは、静粛性と燃費(電費)。次いで加速性能と、少しポイントを下げてアクセルレスポンスという結果になりました。上位の結果を見ると、ユーザーが気に入っているのは走りの楽しさより快適性や経済性など、情緒的な部分より、実生活に関連した走行性能といえそうです。
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かくしてEVならではの特徴が際だった結果になりましたが、満足点もあれば不満点もあるはず。そこで、「EVの走りで気に入らないところは?」という質問を投げかけてみました。
「特にない」が多数!強いて言うなら、航続距離の短さ
なんと、「特にない」が圧倒的という結果になりました。つまり、多くのユーザーにとって「EVの走りに満足しており、不満はさほどない」といえそうです。とはいえ2位の「航続距離が短い」は261ptで、前問で「航続距離が長い」ことを満足点に選んでいるユーザーが少ないことをあわせて考えると、航続距離はまだEVの走りにおける課題といえそうです。
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航続距離の問題さえクリアできれば、EVの満足度は大きく向上する?
裏を返せば、走行性能においては、航続距離の課題さえクリアできれば、EVはガソリン車からの乗り換え需要に、多大な満足感を持って応えられる乗り物に進化できるといえそうです。もちろんメーカー各社にとって、こういった声は先刻承知のことに違いありません。
航続距離に直接関係してくるバッテリー性能は、販売価格を左右する大きな要素になるため、すぐさま飛躍的に航続距離が伸びることは考えにくいですが、さまざまな新技術が開発されている分野でもあります。技術革新を経て、同価格帯でもより静かで加速性能に優れ、かつ航続距離が長いEVが登場することを心待ちにしたいものです。
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「連載:EVオーナーズ世論調査」
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