【連載:オーナーズ世論調査Vol.4】EVの購入を検討するにあたって、気になるのがすでに持っている人の声。ランニングコストは? 乗り味は? 実際にEVを持つオーナーにアンケート調査を実施しました。EVのリアルな満足度は、いかほどのものでしょうか?
世界的に普及が進んでいるとはいえ、EVはまだまだ“新しい乗り物”というイメージではないでしょうか? それだけに、いざ購入したときには思わぬ発見や感動があることでしょう。その反面、「こんなはずじゃなかった」と思うケースもあるに違いありません。そこで今回は、EVユーザー179人にアンケート調査を実施(※)。実際の満足度を調べてみました。
※調査方法/アンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWebアンケート方式で実施
2年前にも調査を実施。高い満足度はどう変わった?
とその前に、実は2021年11月にも同様の調査を実施しました。EVオーナーに購入の決め手を聞いてみたところ、ダントツでもっとも多くのEVオーナーが挙げたのは「ランニングコストが安い」という理由でした。また「環境にやさしい」「初期コストが安くなる」「加速がいい」「走りが滑らかで振動が少ない」などの理由が上位に並び、EV購入で大きく期待するのは「コスト」と「性能」だということがわかりました。
【2021年のアンケート調査結果はこちら】
▶︎【EVオーナー100人調査】コスト&性能の満足度は? 乗ってわかった理想と現実
このことを踏まえ、2023年度版、EVユーザーの“満足度”を調査してみました。
■採点基準
点数 | 基準 |
100点 | 大満足(不満は全くない) |
75点 | それなりに満足(不満な点も少しある) |
50点 | 満足と不満が半々 |
25点 | それなりに不満(満足する点も少しある) |
0点 | 不満(満足する点が全くない) |
上記の採点基準に従って、0~100点の1点刻みで採点してもらい、その平均点を算出しています。
コストと性能、EVオーナーの満足度
ちょうど2年前の調査ではコストの満足度が平均76.3点なので、ほぼ横ばいとなりました。最近の燃料費高騰の影響からガソリン価格や電気料金は共に上昇傾向にありますが、EVのランニングコストはガソリン車に比べると圧倒的に低く、たとえ充電料金が上がっても給油料金よりははるかに安いことから、満足度の維持につながっているのかもしれません。
一方、前回調査時の車両性能の満足度が平均77.3点で、今回は3ポイントアップ。この2年を見ても数多くのEVが登場しています。性能の向上がその背景にあるのかもしれません。
こちらは、各満足度の相関性がわかるバブルチャートで表示したもの。円内の数字は回答者数。両方とも100点満点と回答した人が36人(約20%)にも及びました。またおおむねばらけることなく、それぞれの満足度が比例している結果が見て取れます。
いずれにせよ、EVユーザーの高い満足度が伺える結果になりましたが、具体的にどのようなことを感じているのか、かいつまんでみていきましょう。
■EVオーナーの前向きな声
「ガソリン高騰の今、維持費が安くつくのは助かる。加速が速く、軽自動車だがストレスは感じない」(68歳男性・京都府)
「全てにおいてちょうどいい」(49歳女性・東京都)
「トータルでガソリン車とは比較にならない性能」(57歳男性・高知県)
「故障がほとんど皆無で、色々な先進技術が搭載されていて、また運転時の音が静か」(69歳男性・東京都)
「EVはガソリンを入れに行かなくてすむ」(39歳女性・静岡県)
■EVオーナーの厳しい声
「充電時間がやっぱりガソリンと比べて長い」(51歳男性・茨城県)
「冬の電力の消費が多いこと」(65歳男性・福岡県)
「ガソリン車に比べて静かでいいが、運転のしやすさは差が感じられない」(62歳女性・埼玉県)
「航続距離が伸びればいいな」(37歳男性・栃木県)
総じて前向きな評価が多く、コストメリットと走りのよさを日々感じているオーナーが多い印象です。一方、厳しい声も散見されました。総じて「航続距離が想像より短い」という声が多く、コストや性能への低評価はほとんど見られませんでした。
EVオーナーの次の一台は?
上記は、EVユーザーに「次に車を買い替えるとき、どんな車を選びますか?」と聞いた調査結果です。約7割が次もEVを選び、ガソリン車に戻りたいという人は2%にも満たないという衝撃的な結果になりました。
つまり、EVを購入したユーザーにとって、コストと性能の満足度が非常に高く、「もうガソリン車には戻れない」と感じているということです。一度乗ればもう戻れないのがEVという乗り物。世界的に普及が進んでいる理由は、ユーザーの高い満足度も背景にありそうです。
【連載記事はこちら】
「連載:EVオーナーズ世論調査」