電気自動車(EV)の価格相場はいくら? 過去推移と将来予測、車種別価格の一覧も紹介!

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購入を検討する人が徐々に増えている電気自動車(EV)ですが、よく指摘されるのが高額な車両価格です。実際のところ、どれくらいの予算で購入できるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。一方でEVの価格は、将来的には安価になっていくとも予想されています。そこでこの記事では、EVの車種別価格を一覧でご紹介。さらには価格の過去推移と将来予測、EVにおける価格とスペックの関係についても解説します。

 

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電気自動車(EV)の価格はバッテリー容量で大きく変わる

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iStock.com/ Ashish kamble

 

そもそも電気自動車(EV)の価格はどのように決まっているのでしょうか。実はEVとエンジン車では、価格を左右するポイントが異なります。

EVはバッテリー容量が大きいものが高額になる

EVでは、バッテリー容量が大きくて航続距離の長いものが、高額になる傾向があります。

エンジン車の場合、最高出力や最大トルクといったエンジンの性能が、価格に大きく影響しています。ですが、EVには加速力や動きのスムーズさが高水準で備わっているため、これらの指標はエンジン車ほど重要ではありません。

そのため、「自分は走行時の性能を気にしないから」とエンジン車のような感覚で安いEVを購入してしまうと、航続距離が足りず、日常使いで不便を感じることになりかねません。

EV購入時には、自分の用途に合ったバッテリー選びが大切

そして、バッテリー容量は、EV選びの最も大切なポイントでもあります。

なぜなら、一般的にEVはエンジン車と比べて航続距離が短いからです。そのため、日常的に長距離を移動する人がバッテリー容量の少ないEVを選んでしまうと、自宅や外出先で頻繁に充電しないといけなくなり、やや不便です。一方で大容量バッテリーを搭載しているEVなら、航続距離を気にすることなく走行できます。

ただし、必ずしも大容量バッテリーを搭載したEVを購入するのが正解とは限りません。大切なのは、自分の用途に合った本当に必要なバッテリー容量の車種を選ぶことです。

バッテリー容量が大きすぎても無用の長物になり、価格が嵩むだけですし、かといって容量不足のものを購入すると、移動手段として不便が生じます。同じ車種であっても、グレードによってバッテリー容量が、30kWh、40kWhなどと異なる場合もあります。

 

 

充電器の設置費用もセットで考える

また、EVを快適に利用するためには、自宅や会社といった日常使いをする駐車場に充電設備を設置することが望ましいです。そのため、EVの価格を検討するなら、車両価格だけでなく充電器の設置費用もセットで考えましょう。

車種によっては、充電器の設置費用の一部をメーカーが負担してくれるケースも。特にジャガーやメルセデス・ベンツといった高級車の場合、10万〜30万円相当のサポートを受けられることもあるので、ご確認ください。

 

 

電気自動車(EV)の価格相場はいくら? 新車・中古車別に紹介

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iStock.com/ Tramino

 

一般的に高額と言われている電気自動車(EV)ですが、実際にどれくらいの予算で購入できるかは気になるところです。ここではEVの価格相場を、新車・中古車に分けて紹介します。なお、具体的な価格は車種やグレードによって異なるため、あくまでも大まかな目安として捉えてください。

新車の価格相場

 

<図>二極化するEVの新車価格

<図>二極化するEVの新車価格

 

新車の価格相場は、300万〜600万円前後のスタンダードな価格帯と、1000万円以上のハイクラスな価格帯の2種類に大きく分けて分類されます。EVは普及途上で国内販売車種の数が限られているため、予算によって選べるモデルが決まってしまうのが実情です。

スタンダードな価格帯の車種としては、日産「リーフ」やホンダ「Honda e」、マツダ「MX-30」などが挙げられます。一方でハイクラスな価格帯の車種は、欧米の高級車が中心で、ポルシェ「タイカン」やテスラ「モデルS」などが代表的です。また、ハイクラスな車種は加速性能も高く、エンジン車では最速レベルのスポーツカーに匹敵することも珍しくありません。

どちらの価格帯にも該当しない700万円前後の車種としては、日産「アリア」などがありますが、これはハイクラスに属するお買い得なEVと考えてよいでしょう。

バッテリー容量に関しては、ハイクラスでは80kWh以上と、大容量であることが多いです。その点では、スタンダードな価格帯である「リーフe+」のバッテリー容量は62kWhとハイクラス並みになっており、コストパフォーマンスに優れた車種と言えるでしょう。

また、日本ではエコや環境保護の観点からEVの利用が推進されており、新車購入時には国や地方自治体による補助金のほか、税制優遇などの制度を活用することもできます。なかには数十万〜100万円近く安上がりになるケースもあるので、予算を考える際にはそれらも含めて計算しましょう。

 

 

中古車の価格相場

 

[代表的な車種の中古車価格]

BMW i3 SUITEレンジ・エクステンダー 300万〜450万円
テスラ モデル3 スタンダードレンジ プラス 450万円前後(ほぼ定価)
日産 リーフX 30kWh 80万〜120万円
日産 リーフe+ X 270万〜320万円
プジョー e-208 GT Line 340万〜380万円
ポルシェ e-トロン スポーツバック 55 quattro 1st edition 1000万円前後
ホンダ Honda e Advance 420万〜470万円
三菱 i-MiEV 200万円前後
メルセデス・ベンツ EQC 400 850万〜900万円前後

※価格はカーセンサーの車両本体価格調べ、年式2016〜2020年に限定。2021年9月30日時点1)

 

中古車の価格相場は数十万円〜ほぼ新車同等と幅広いです。ただ、大前提として国内のEVの中古車市場には、販売台数の多かった日産「リーフ」と三菱「i-MiEV」以外、限られた台数しか流通していません。もちろん、新車では手が出ない車種を探してみるのは手ですが、エンジン車に比べて選択肢が多くないことは頭に入れておきましょう。

また、EVの中古車を購入するときに注意したいのが、バッテリーの残容量性能(SOH)です。これは価格にも影響するため、異様に安く売られている車両は、航続距離がバッテリーの劣化によって短くなっている可能性もあります。エンジン車なら年式や走行距離などで劣化の度合いもわかりますが、EVでは充電した回数などによってバッテリー劣化の度合いに差が出るため、それらの情報はあまり参考になりません。

ところが、バッテリーの残容量は、中古車ディーラーに聞いても教えてくれないことが多いです。購入を検討している車両にはぜひ試乗して、満充電時の航続距離の表示を確認しましょう。直前の運転の仕方によっても航続距離は変わるため、仮に短かった場合は、穏やかに運転して回復するかを試してみるのも有効です。

 

 

 

電気自動車(EV)は将来安くなる? 過去推移と将来予測とは

また、電気自動車(EV)は今後、低価格化が進んでいくとも言われています。ここではEV価格の過去推移と、将来予測について解説します。

EV価格の過去推移

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EV価格の過去推移には、大別して2つの傾向が存在します。ひとつは車種増加に伴い、価格帯の幅が広がったこと。もうひとつは、バッテリー容量で比較するとお手頃になっていることです。以下では歴代「リーフ」のグレード「X」の新車価格を参考に、価格の推移を見ていきましょう2)

<図>1kWhあたりの価格推移とバッテリー容量

<図>1kWhあたりの価格推移とバッテリー容量

 

車両価格自体に大きな変化はありませんが、価格をバッテリー容量で割ってバッテリー容量1kWhあたりの金額にしてみると、コストパフォーマンスは着実に上がっています。たとえば、最新のリーフ Xと初代リーフ Xを比べた場合、価格はほとんど変わりませんが、バッテリー容量が24kWhから40kWhへ増えているため、1kWhあたりの金額は初代リーフが約15.7万円/kWhだったのに対し、最新モデルが約9.6万円/kWhと下がっています。その点ではEVに対する割高感は、着実に払拭されつつあります。

 

 

EV価格の将来予測

istock画像 車・通帳・電卓

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海外のメディアでは、「バッテリー調達コストの削減」や「EV車の世界的な普及による競争力の向上」を背景に、EVの価格は今後、ガソリン車と比べても遜色ない価格帯になっていくことが予想されています。

国内市場と欧州市場では状況も異なるため、断言はできませんが、例えば今年2021年2月に発売されたテスラの「モデル3 ロングレンジ」の日本仕様車では約156万円の値下げ、「モデル3 スタンダードレンジ プラス」でも約82万円の値下げとなりました。これらは、バッテリーの変更が要因ではないかと言われており、国内でも低価格化を図る流れは、今後も広がっていくと思われます。

さらに2021年9月には、フォルクスワーゲンがコンセプトカー「ID.LIFE」の構想を発表しました。バッテリー容量は57kWh、航続距離は400km(WLTPモード)であるのに対し、想定価格は2万ユーロ(約260万円)。これはバッテリー容量1kWhあたり約4.5万円という衝撃のロープライスで、世界的に注目を集めています。

ID.LIFEは2025年までの発売を目指しているため、今後3〜4年以内には、バッテリー容量1kWhあたり5万円前後のEVがしのぎを削ることになるかもしれません。現在は300万円前後がスタンダードなEVの価格帯ですが、それを下回る車種が増えていくことで、EV全体が手の届きやすい選択肢になる可能性は高いでしょう。

【価格帯別】国内販売電気自動車(EV)の車種・グレード別価格一覧

では、実際にどのような車種が市場に出回っているのでしょうか。ここからは現在国内で販売されている電気自動車(EV)の主な車種・グレード別の新車価格を価格帯別に紹介します。

なお、価格は2021年9月30日時点でメーカー公式HPに記載されている車両本体価格を採用しています。価格は変動することがあるため、最新の情報はHPなどでチェックしましょう。

 

※以下、メーカーを50音順で表示しています。

 

300万〜600万円前後

 

(1)BMW

車種 価格 バッテリー容量
i3 Edition Joy+ 3) 5,050,000円 42.2kWh
i3 3) 5,660,000円
i3 Edition Joy+ レンジ・エクステンダー装備車 3) 5,550,000円
i3レンジ・エクステンダー装備車 3) 6,160,000円

 

(2)DSオートモビル

車種 価格 バッテリー容量
DS 3 クロスバック E-TENSE 4) 5,340,000円 50kWh
DS 3 クロスバック E-TENSE Performance Line 4) 5,340,000円

 

(3)テスラ

車種 価格 バッテリー容量
モデル3 スタンダードレンジ プラス 5) 4,440,000円 未公表
モデル3 ロングレンジ 5) 5,240,000円

 

(4)日産

車種 価格 バッテリー容量
リーフ S 6) 3,326,400円 40kWh
リーフ X 6) 3,825,800円
リーフ X Vセレクション 6) 4,063,400円
リーフ G 6) 4,193,200円
リーフ NISMO 6) 4,298,800円
リーフ AUTECH 6) 4,100,800円
リーフ e+ X 6) 4,417,600円 62kWh
リーフ e+ G 6) 4,998,400円
リーフ e+ AUTECH 6) 4,692,600円
アリア B6 limited 7) 6,600,000円 66kWh

 

(5)プジョー

車種 価格 バッテリー容量
e-2008 GT 8) 4,776,000円 50kWh
e-2008 Allure 8) 4,380,000円
e-208 GT 8) 4,358,000円
e-208 Allure 8) 3,989,000円

 

(6)ホンダ

車種 価格 バッテリー容量
Honda e 9) 4,510,000円 35.5kWh
Honda e Advance 9) 4,950,000円

 

(7)マツダ

車種 価格 バッテリー容量
MX-30 EV 10) 4,510,000円 35.5kWh
MX-30 EV Basic Set 10) 4,587,000円
MX-30 EV Highest Set 10) 4,950,000円

 

(8)メルセデス・ベンツ

車種 価格 バッテリー容量
EQA 250 11) 6,400,000円 66.5kWh

 

(9)レクサス

車種 価格 バッテリー容量
UX300e version C 12) 5,800,000円 54.4kWh
UX300e version L 12) 6,350,000円

 

 

1000万円前後~

 

(1) BMW

車種 価格 バッテリー容量
iX xDrive50 ローンチ・エディション 13) 13,730,000円 111.5kWh
iX xDrive40 ローンチ・エディション 13) 11,550,000円 76.6kWh

 

(2) アウディ

車種 価格 バッテリー容量
Audi e-tron 50 quattro 14) 9,350,000円 71kWh
Audi e-tron 50 quattro S line 14) 11,100,000円 71kWh
Audi e-tron 55 quattro S line 14) 12,560,000円 95kWh
Audi e-tron Sportback 50 quattro S line 15) 11,450,000円 71kWh
Audi e-tron Sportback 55 quattro S line 15) 12,910,000円 95kWh
Audi e-tron GT 16) 13,990,000円 93.4kWh
Audi RS e-tron GT 17) 17,990,000円

 

(3) ジャガー

車種 価格 バッテリー容量
I-PACE S 18) 10,050,000円 90kWh
I-PACE SE 18) 10,930,000円
I-PACE HSE 18) 12,210,000円

 

(4) テスラ

車種 価格 バッテリー容量
モデルS ロングレンジ 19) 11,699,000円 未公表
モデルS plaid 19) 15,999,000円
モデルX ロングレンジ 20) 12,699,000円 未公表
モデルX plaid 20) 14,999,000円

 

(5) ポルシェ

車種 価格 バッテリー容量
タイカン 21) 12,030,000円 79.2kWh
タイカン 4 Cross Turismo 21) 13,410,000円 93.4kWh
タイカン 4S 21) 14,620,000円 79.2kWh
タイカン 4S Cross Turismo 21) 15,340,000円 93.4kWh
タイカン ターボ 21) 20,370,000円 93.4kWh
タイカン ターボCross Turismo 21) 20,560,000円 93.4kWh
タイカン ターボ S 21) 24,680,000円 93.4kWh

 

(6) メルセデス・ベンツ

車種 価格 バッテリー容量
EQC 400 4MATIC 22) 8,950,000円 80kWh

 

 

補助金や税制優遇、電気(充電)代など、費用はトータルで考えよう

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iStock.com/ ADragan

 

また、EVの購入や所有コストを決めるのは車両価格だけではありません。補助金や税制優遇といった制度のほか、電気代などのランニングコストにも目を向け、トータルで費用を考えることが大切です。

EVの補助金

2021年現在、国の補助金は、最も代表的な「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)」と、環境省の管轄する「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業」、経済産業省の管轄する「災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の3種類です。それぞれの補助金の上限額は以下の通りです。

<表>国の補助金の上限額

CEV補助金 42万円
環境省の補助金 80万円
経済産業省の補助金 60万円

 

ただし、実際に交付される補助金の金額は、購入するEVの車種やグレード、給電機能の有無などによって変わります。なお、国の補助金に申請できるのはどれか1つに限られます。

また、国の補助金以外に、地方自治体が独自に補助金を実施している場合もあります。地方自治体の補助金は国の補助金と併用できる場合も多いため、あらかじめ確認しておきましょう。

基本的に、各種の補助金は予算上限に達すると受付終了となります。現在、申請を受け付けているのかどうかなど、詳細情報については以下の記事をご覧ください。

 

 

EVの税制優遇制度

さらにEVはエンジン車と比べて、税制優遇制度も手厚いです。具体的には「グリーン化特例」と「エコカー減税」という、2種類の税制優遇制度の恩恵を受けることができます。

グリーン化特例は、車の燃費性能や環境性能に応じて、新車登録年度の翌年度分の自動車税が軽減される制度です。軽減率は購入する車の区分や購入時期によって変わりますが、EVの場合は概ね75%が軽減されます。

エコカー減税は、排出ガス性能及び燃費性能に優れた車に対して、性能に応じ自動車重量税の軽減が受けられる制度です。2023年4月までの間に、新車登録等を行った場合に適用されます。軽減率は自動車燃費基準の達成割合に応じて変化し、EVの場合は2021年11月現在、新車登録時と初回車検時(継続検査)の自動車重量税が免税されます。

加えて、車の取得時に車の環境性能に応じて納める税金である「環境性能割」は、自動車取得税に代わり新設されたものですが、EVの場合非課税となるため納める必要はありません。

EVの税制優遇等に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。

 

 

電気自動車(EV)購入時には価格だけでなくバッテリー容量も重要

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EVとエンジン車は、車である点は同じですが、乗り物としては別物です。エンジン車と同じ感覚で運転すると、航続距離が短かったり、充電に時間がかかったりして不便に感じるかもしれません。

ですが、たとえば高速道路のロングドライブ時、エンジン車では「休憩」が終わった後で「給油」しますが、EVの場合「休憩しながら充電する」ことができます。EVの特性を踏まえた上で、EVならではの乗りこなし方を考え、慣れることも大切です。

そして、EVの乗りこなし方は、バッテリー容量に大きく左右されます。繰り返しになりますが、EVを購入する際には価格や車の個性のみならず、自分の用途に合ったバッテリー容量のものを選択することが、充実したEVライフの第一歩であると認識しておきましょう。

 

この記事の監修者
寄本 好則
寄本 好則

コンテンツ制作プロダクション三軒茶屋ファクトリー代表。一般社団法人日本EVクラブのメンバー。2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成。ウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開。電気自動車情報メディアや雑誌特集などに多く寄稿している。著書に『電気自動車で幸せになる』(Kindle)など。