【2021年版】おすすめの電気自動車(EV)を紹介!「価格・航続距離・加速力」を徹底チェック

車が並んだ写真

欧州でひと足早く普及が進むなど、以前に比べて電気自動車(EV)がより身近な存在になってきました。EVの購入を検討している人も多いことでしょう。そこで、輸入車も含め、現在購入可能なEVを「価格」「航続距離」「加速力」の項目ごとにチェックしながら紹介します。

 

 

EVの選び方は? まずはEV購入時にチェックしたいポイントを解説

iStock画像 車とクエスチョンマーク

画像:iStock.com/AndreyPopov

車を選ぶとき、「価格はどの程度か」「どんなシーンで使いたいのか」「どれくらいの頻度で使うのか」「どんなボディタイプが好きか」などの条件で購入を検討することが多いでしょう。EVの場合は、それに加えて、航続距離も重要な要素となります。EV購入時にチェックしておきたいポイントを3つ紹介します。

チェックポイント①「予算」

これからEVを購入する人は、ガソリン車と同様にボディタイプで車を選んだり、ガソリン車の燃費にあたる「電費」を比べたりして検討しようと考えるかもしれません。しかし、EVは販売されている車種がまだ少なく、「予算」によって購入可能な車種が限られてしまいます

なお、2021年時点では、ガソリン車との価格差を埋めるべく国や自治体が補助金や税制優遇制度を設けています。それらによって通常の価格より安く購入することが可能です。また、車検時にかかる自動車重量税もエコカー減税により免税・軽減されるなど、ランニング面でも優遇措置があります。

 

 

チェックポイント②「航続距離」

予算の次にチェックしたいのが「航続距離」です。航続距離とは、1回の充電で走行できる距離のこと。同じ車種でも搭載されているバッテリー容量などによって航続距離が異なり、それによって車両価格も変わってきます

たとえば、日産「リーフ」には40kWhのバッテリーを搭載するタイプと、62kWhのバッテリーを搭載するタイプがあり、航続距離は前者が322km、後者が458km。航続距離が長いほうが充電する手間が省けますが、両者にはおよそ60万円の価格差があります。

なお、40kWh以上のバッテリー容量がある車種を選ぶと“充電切れ”をあまり心配せず使うことができます。

チェックポイント③「ボディタイプ」

前述したように、EVは予算によって購入可能な車種がある程度限定されます。たとえば、予算が300万円台の場合、購入できるのは日産「リーフ」とプジョー「e-208」の2車種のみとなり、両者のボディタイプはいずれもハッチバックとなります。

しかし、予算を400万円台まで引き上げると、セダンのテスラ「モデル3」、SUVのプジョー「e-2008」など、購入できる車の選択肢も広がります。「ハッチバックに乗りたい」「SUVに乗りたい」と車種を決め、そこから絞り込むのもひとつの考え方でしょう。

 

 

【価格帯で見るEV】このくらいの予算なら、何に乗れる?

[予算500万円未満]比較的リーズナブル、でも、大満足なEVは?

EV選びは予算が大切とお話しましたが、実際のところ、いまEVはどれくらいの予算があれば購入できるのでしょうか。まず「価格のリーズナブルさ」を軸に、500万円未満の国内外のメーカーのEVを紹介します。

<500万円未満のEV車種例>※メーカー50音順

車種 価格
テスラ「モデル3」 439万円~
日産「リーフ」 332万6400円~
プジョー「e-208」 396万1000円~
プジョー「e-2008」 433万2000円~
ホンダ「Honda e」 451万円~
マツダ「MX-30」 451万円~

※価格は各メーカーの公式サイトより。現在日本で新車購入できる国内外のEVのエントリーグレード(最廉価グレード)のなかから、「価格が安い」ことを基準に紹介します。

Ⅰ.テスラ「モデル3」 439万円~ 1)

テスラは米国のシリコンバレーを拠点とする新興EVメーカーです。時価総額でトヨタ自動車を上回り、自動車業界トップとなったことでも話題になりました。テスラのEVは大きなタッチパネルディスプレイに操作がほとんど集約され、スイッチ類の数を最小限にするなど、既存メーカーとはまったく違ったアプローチで作られているのが特徴です。

1000万円クラスの高級車ばかりだったテスラから2016年に発表されたのが「モデル3」です。エントリーモデルの「スタンダードレンジプラス」は439万円から購入できる手ごろなテスラ車で、日本では2019年から販売が開始されました。2021年には最大156万円もの大幅値下げを行っています。エントリーグレードの航続距離は448km(WLTP値)です。

Ⅱ.日産「リーフ」 332万6400円~ 2)

日産「リーフ」 

2010年に普通車のEV市場の先陣を切った日産「リーフ」は、ほかのEVに比べて価格がリーズナブルなだけではなく、手ごろなボディサイズと使い勝手の良さを兼ね備えた車です。

バッテリー容量は40kWhと62kWh(「リーフe+」)があり、航続距離はそれぞれ322km、458km。オーテックジャパンが内外装をカスタマイズした上級仕様もあります。

Ⅲ.プジョー「e-208」 396万1000円~ 3)

プジョー「e-208」

意外にもフランス車のプジョー「e-208」の価格はリーズナブルです。日産「リーフ」よりもひと回りコンパクトなハッチバックで、その分後部座席は少々狭いものの、300万円台で購入できる輸入車のEVとして高く注目されています。航続距離は403km(JC08モード)。

Ⅳ.プジョー「e-2008」 433万2000円~ 4)

プジョー「e-2008」

前述のプジョー「e-208」のSUVモデルとなるのが「e-2008」です。「e-208」と同様に50kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は385km(JC08モード)。フランス車らしくデザインが良いのに加え、走りも良く、専門家からの評価が高いEVです。

 

 

Ⅴ.ホンダ「Honda e」 451万円~ 5)

Ⅴ.ホンダ「Honda e」

かわいらしいデザインで話題となっているホンダ「Honda e」は、インストルメントパネルを全面液晶にしたり、デジタルドアミラーを装備したりと、デジタルガジェットのような先進性を打ち出したEVです。バッテリー容量が35.5kWhと小さめなので、短距離を移動する街乗り用と割り切った使い方がおすすめ。航続距離は最大で283kmです。

 

 

Ⅵ.マツダ「MX-30」 451万円~ 6)

マツダ「MX-30」

先行して発売されていたマイルドハイブリッドモデルに続き登場した、「MX-30」のEVモデルです。航続距離は256km。SUVテイストですが、「Honda e」と同じく街乗り用と割り切った使い方をおすすめします。センターピラーの無い観音開きの「フリースタイルドア」なので、使い勝手は事前に確認したほうがいいでしょう。また、内装にコルクやペットボトルなど、サスティナブルな素材を用いているのが特長です。

 

 

 

[予算1000万円超]余裕があったら乗りたいハイエンドEVは?

EVの購入を検討している人のなかには、「高くても性能のいい車に長く乗りたい」と考えている人もいるでしょう。そんな高級EVにはどのようなものがあるのでしょうか? 日本で購入できるEVのうち、エントリーグレードでも1000万円を超えるEVを紹介します。

<1000万円超のEV車種例>※メーカー50音順

車種 価格
アウディ「e-tron GT」 1399万円~
テスラ「モデルX」 1169万9000円〜
テスラ「モデルS」 1069万9000円〜
ポルシェ「タイカン」 1203万円〜
BMW「iX」 1155万円~

※日本で発売されている車種および今後発売予定で価格が確定している車種を紹介します。価格は各メーカーの公式サイトより。高級EVには高性能モデルをはじめ、さまざまなグレードの車種がラインナップされています。たとえば、ポルシェ「タイカン」の場合、ベーシックな車種のほかに「4S」「ターボ」「ターボS」などのグレードがあります。ここでは現在日本で新車購入できる高級EVのエントリーグレードのなかから1000万円超の車種を紹介します。

Ⅰ.アウディ「e-tron GT」 1399万円~ 7)

アウディ「e-tron GT」

ドイツのプレミアムメーカー、アウディのEVは「e-tron」シリーズとしてラインナップされています。このうち4ドアクーペのグランツーリスモが「e-tron GT」で2021年秋から発売開始予定です。グランツーリスモ(GT)とは、長距離走行に適した余裕のあるキャビンと高い走行性能を併せ持つ車のことです。

「e-tron GT」には「e-tron GT クアトロ」「RS e-tron GT」の2つのグレードがありますが、ともに総容量93kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は534kmです。とくに後者の「RS e-tron GT」は、最高出力475kWという高性能バージョンになっています。

Ⅱ.テスラ「モデルX」 1169万9000円〜 8)

中型セダンや大型セダンもラインナップされていますが、「モデルX」は日本で現在発売されている同社唯一のSUVモデルです。ただ、テスラはオンラインで販売を行っているうえ、正規ディーラーが全国に4店舗しかありません。その点が購入する際のネックとなる人もいるかもしれませんね。バッテリー容量は非公表で、航続距離は580km(推定)です。

Ⅲ.テスラ「モデルS」 1069万9000円〜 9)

前述の「モデルX」はSUVでしたが、「モデルS」は大型セダンです。このほか、テスラでは中型セダンの「モデル3」がありますが、こちらは今年最大156万円もの値下げにより、439万円〜とおトク感が高くなっています。1000万円超の「モデルX」や「モデルS」には手が届かないけどテスラに乗りたい、という人には「モデル3」がおすすめかもしれません。

Ⅳ.ポルシェ「タイカン」 1203万円〜 10)

ポルシェ「タイカン」

誰もが知るスポーツカーブランドのポルシェが発売した初のEVとなるのが「タイカン」です。RWD(後輪駆動)と4WD(四輪駆動)があり、ベーシックな「タイカン」のほか、「4S」「ターボ」「ターボS」のグレードがラインナップされています。搭載されるバッテリーの総容量は79.2kWh~93.4kWhで、航続距離は354 km〜431kmです。

Ⅴ.BMW「iX」 1155万円~ 11)

BMW「iX」

BMWではEVを「iシリーズ」としてラインナップしています。「iX」は2021年秋に発売される2モーター・4WDの新型SUVです。詳細はまだ発表されていませんが、航続可能距離が最大425kmのエントリーグレードと最大630kmのハイグレードがラインナップされます。

 

EVは予算でおおよその車種が決まる

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こうして見ると、EVは300~400万円台で購入できる比較的お手頃な価格帯の車から、1000万円前後、あるいは1000万円超の高級車までラインナップはありますが、ガソリン車と比べるとまだ車種が少ないのが現状です。「予算でおおよその車種が決まる」とお話した理由もおわかりいただけたのではないでしょうか。

【航続距離で見るEV】1回の充電で長く走れるのは?

iStock画像 車と景色

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ここまでは「予算」を軸として車種を見てきましたが、もちろん性能が一番気になる、という方もいるでしょう。EVの購入を考えている人からは「航続距離が短い」という心配の声をよく聞きます。しかし、現在はバッテリー性能が向上し、また搭載されるバッテリーの容量も大きくなった結果、定められた試験条件での数値では多くのEVが1回の充電で200〜600kmの走行が可能になっています。

航続距離が200kmあれば、普段使いでは全く問題ないでしょうし、600kmあれば、かなりのロングドライブでも途中充電なしでいけるでしょう。そこで、メーカーが公表している数値をもとに「航続距離が600km以上あるEV」を紹介します。なお、航続距離を測定するモードが車種により異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。

<航続距離が長いEV>※メーカー50音順

車種 航続距離
テスラ「モデル S」 12) 652km(推定)
日産「アリア」 13) 610km(推定)
BMW 「iX」 14) 630km(WLTP)

※WLTPは燃費の国際基準のこと。また、上記の航続距離の数値は、それぞれ次のグレードのものです。日産「アリア」は「B9 limited」、テスラ「モデルS」は「ロングレンジ」、BMW 「iX」は「xDrive50」。

ご覧の通り、テスラやBMWといった高級EVが並びました。これには理由があります。テスラや欧州のプレミアムメーカーのEVは、国産EVの2倍、あるいはそれに近い容量のバッテリーを搭載しているからです。購入予算がかかっても航続距離を長くしたいという人は、こうした車種がおすすめかもしれません。

新型クロスオーバーEV「アリア」

一方、唯一の国産EVである日産の新型クロスオーバーEV「アリア」にも注目です。価格は660万円〜で、広くてフラットな室内空間が特徴です。バッテリーは66kWhと91kWhを搭載し、それぞれ2WD(二輪駆動)と4WD(四輪駆動)がラインナップされています。2021年冬頃より納車予定とされています。

【加速力で見るEV】一瞬で時速100kmに達するのは?

iStock 車のメーター

画像:iStock.com/123ducu

EVの良さはCO2(二酸化炭素)を排出しない環境性能だけではありません。実は走りに関してもガソリン車より優れているところがたくさんあります。そのひとつが加速力です。EVはエンジンではなく電気モーターが動力なので、発進直後から力強く加速する特徴があります。変速の必要がないので加速の仕方も非常にスムーズです。

そのため、車種によってはレーシングカー顔負けの加速力を持つEVも存在するくらいです。いったいどれくらいすごい加速力なのか。メーカー公表値をもとに、停止状態からフル加速して時速100kmに到達するまでにかかる時間、「0-100km/h加速」が3秒未満のEVをいくつか紹介します。

<0-100km/h加速が3秒未満のEV>※メーカー50音順

車種 0-100km/h加速
テスラ「モデルS」 15) 2.1秒
テスラ「モデルX」 16) 2.6秒
ポルシェ「タイカン」 17) 2.8秒

※メーカーが加速タイムを公表している車種を紹介します。上記の加速タイムの数値は、それぞれ次のグレードのものです。テスラ「モデルS」は「Plaid」、テスラ「モデルX」も「Plaid」、ポルシェ「タイカン」は「ターボS」。

航続距離が長いEVに続き、こちらもテスラや欧州のプレミアムメーカーのEVが並びました。0-100km/h加速が2.1秒と聞いてもピンとこないかもしれませんが、モータースポーツの最高峰、F1のマシンの0-100km/h加速と同程度かそれ以上のレベルと聞けば、EVの加速がいかに速いかがわかると思います。

「ライフスタイルに合った車種」を選ぶ

iStock 車と家庭

画像:iStock.com/scyther5

日本国内で購入できるEVをさまざまな条件で紹介しましたが、知っておいていただきたいのは「EVはガソリン車やハイブリッド車と購入する際の検討ポイントが異なる」ということです。

EVはガソリン車と比べて航続距離が短いため、頻繁に長距離を走る人はバッテリー容量の大きいEVを選ぶほうがいいでしょう。また、車種が少なく価格帯も高めですから、自分のライフスタイルに合った車種を検討する必要があります

ただし、価格がガソリン車に比べて高いといっても、国や自治体から合わせて100万円以上の補助金を受けられることもあります。単純に比較はできませんが、場合によっては補助金の活用でガソリン車と実質的に同価格で購入することも可能です。

 

 

また、ガソリン車と比べてメカニズムがシンプルなEVは、メンテナンスコストも安く抑えられます。もちろん、走行にかかるコストはガソリンより電気のほうが低くなりますから、もし気に入った車種があるなら、EVの購入は十分に検討に値します。

トヨタとスバルが共同開発したEVの発売を予定していたり、日産が軽自動車のEVの発売を公言したりと、この先EVのバリエーションはどんどん増えていきます。「今、ほしいEVがない」という人も、数年先には購入したくなるEVが現れるかもしれません。

 

この記事の監修者
国沢光宏
国沢 光宏

自動車ジャーナリスト。自動車評論家。現在多くの媒体で執筆活動をしているほか、ラジオ日本とFM群馬でラジオのパーソナリティも行い、車選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深い知識をもつ。運営しているブログサイトでは、専門家も参考にしたくなる、新鮮で豊富な情報を発信している。