
近年の電気自動車(EV)は技術進化が目覚ましく、お手頃価格のモデルが続々登場しています。ガソリン車からEVへの買い替えを検討している人も多いことでしょう。そこで自動車ジャーナリストの国沢光宏さん監修のもと、現在購入可能なEVを「価格帯」ごとに分類してEV DAYS編集部が詳しく紹介します。
※この記事は2026年3月12日に公開した内容をアップデートしています。
- EV購入時にチェックしたい3つのポイント
- 【価格帯で選ぶEV】この予算なら何に乗れる?
- [予算300万円未満]ガソリン車並の価格で購入できるリーズナブルなEV
- Ⅰ.日産「サクラ」 244万8600円~
- Ⅱ.ヒョンデ「インスター」 284万9000円~
- Ⅲ.ホンダ「N-VAN e:」 269万9400円~
- Ⅳ.ホンダ「N-ONE e:」 269万9400円~
- Ⅴ.三菱「eKクロス EV」 244万6400円~
- Ⅵ.BYD「BYD DOLPHIN」 299万2000円~
- [番外編]BYD「BYD RACCO」
- [予算300~500万円未満]比較的お手頃価格、でも、大満足なEVは?
- Ⅰ.スズキ「e ビターラ」 399万3000円~
- Ⅱ.トヨタ「bZ4X」 480万円~
- Ⅲ.日産「リーフ」 438万9000円~
- Ⅳ.ヒョンデ「KONA」 399万3000円~
- Ⅴ.ホンダ「Super-ONE」 339万200円~
- Ⅵ.ボルボ「EX30」 479万円~
- Ⅶ.BYD「BYD SEALION 7」 495万円~
- Ⅷ.MINI「MINI COOPER」 498万円~
- [予算500~700万円未満]高くてもいいクルマに長く乗りたい人向けの高性能EVは?
- Ⅰ.スバル「トレイルシーカー」 539万円~
- Ⅱ.テスラ「モデルY」 558万7000円~
- Ⅲ.日産「アリア」 667万5900円~
- Ⅳ.フィアット「500e」 577万円~
- Ⅴ.フォルクスワーゲン「ID.4」 528万7000円~
- Ⅵ.BMW「iX1」 678万円~
- 4WDのEVのおすすめ車種は?
- 安く買いたいなら中古EVという選択肢も
- EV購入時には補助金の活用を
- 自分の「予算」と「ライフスタイル」に合ったEVを見つけよう
EV購入時にチェックしたい3つのポイント

一般的なクルマ選びでは、まず予算を決め、それから好みや用途に合わせてボディタイプや性能、メーカーなどの条件で検討していくことが多いはずです。しかし、EVの場合、それに加えて1回の満充電で走行できる航続距離も重要な要素となります。
また、同じ車種でも駆動用バッテリーの容量がグレードによって異なっていたり、最近では長寿命バッテリーを搭載する車種が登場したりと、「バッテリー選び」の重要度も増してきました。まず予算と航続距離を中心にEV選びのポイントを紹介します。
チェックポイント① 予算と補助金額
予算が重要なのはEVもガソリン車も変わりませんが、EVはコストの高い駆動用バッテリーを搭載するため、ガソリン車より車両価格が割高になる傾向があります。その点は留意したほうがよいでしょう。ただし、近年はEVも低価格化が進んでいます。
また、後で詳しく紹介しますが、EVは購入時に国や自治体の補助金を利用できる場合が多いほか、税金の優遇措置などもあります。車両価格がガソリン車などに比べて割高でも、それらの制度を利用することで、場合によっては同クラスのガソリン車の上位モデルより安い費用でEVを購入することも可能です。
購入後の費用についても、電気を使って走るEVはガソリン車に比べて走行コストがかなり安く、メンテナンス代も安く済むため、車両価格が高くてもランニングコストが安いというメリットもあります。
チェックポイント② 航続距離とバッテリーの種類
EVは同じ車種でも搭載されている駆動用バッテリーの容量などによって一回の満充電で走行できる航続距離(一充電走行距離)が異なり、それによって車両価格も変わってきます。
たとえば、日産「リーフ」にはバッテリー容量が55kWhのモデルと78kWhのモデルがあり、ベースグレードの航続距離は前者が521km、後者が702kmです。航続距離が長いほうがロングドライブでは便利ですが、両者には約80万円の価格差があります。
航続距離に加えて、近年はバッテリーの種類も重要になってきました。駆動用バッテリーにはリチウムイオン電池が使われますが、大きく分けて「三元系(NMC)」と「リン酸鉄系(LFP)」の2種類があり、三元系バッテリーには「エネルギー密度が高くて航続距離を稼げる」、LFPバッテリーには「価格が安い」「安全性が高い」「寿命が長い」といったメリットがあります。
今後は国産車のEVもLFPバッテリーが主流になっていくと考えられ、実際にスズキ「e ビターラ」や、トヨタ、ダイハツ、スズキが共同開発した4車種の軽バンEVにはLFPバッテリーが採用されています。これからのEV選びでは、バッテリーの種類も重要なポイントになっていくでしょう。
なお、航続距離については、使い方にもよりますが、近距離走行が中心の軽EVを除くと、現時点では40kWh以上のバッテリー容量がある車種を選べば「電欠」をあまり心配せず、日常の足として安心して利用できるでしょう。ただし、冷暖房などにも電気を消費するため、どのEVも実際の航続距離は感覚的にカタログ値の7~8割程度と考えてください。
チェックポイント③ ボディタイプ
EVはガソリン車に比べると車種が少ないというデメリットがありますが、今後は選べるボディタイプが増えていきます。
たとえば、乗用車の軽EVには2026年7月時点で、日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」、ホンダ「N-ONE e:」の3車種があり、これらはすべてヒンジドアのハイトワゴンです。しかし、2026年7月下旬には、電動スライドドアを採用したスーパーハイトワゴンの軽EV、「BYD RACCO(ラッコ)」が発売予定です1)。
また、普通車のEVも従来はSUVタイプが大半でしたが、近年ではフォルクスワーゲン「ID. Buzz」などのEVミニバン、トヨタ「bZ4X ツーリング」2)やスバル「トレイルシーカー」3)といった使い勝手のよいワゴンタイプのEVも続々登場しています。

このように、軽自動車、SUV、セダン、コンパクトカー、ミニバン、ワゴン…と、国内で販売されるEVのボディタイプも近年はどんどんバリエーションが増えてきました。今後は多くのボディタイプからEVを選べるようになることが予想されます。
【価格帯で選ぶEV】この予算なら何に乗れる?
国内で販売されるEVには、大きく分けて「軽EVなど予算300万円未満」「コンパクトモデルなど予算300~500万円未満」「高性能モデルなど予算500~700万円未満」という3つの価格帯があります。それぞれの価格帯のおもなEVをスペックとともに紹介します。
[予算300万円未満]ガソリン車並の価格で購入できるリーズナブルなEV
3つの価格帯のうち、ガソリン車と同等の価格で購入することもできるリーズナブルなEVが軽EVと輸入コンパクトEVです。2026年7月時点で、軽EVは個人ユースも可能な軽バンEVも含めて4車種、輸入コンパクトEVは2車種あります。
〈300万円未満のEV車種例〉※メーカー50音順
| 車種 | 価格 |
| 日産「サクラ」 | 244万8600円~ 4) |
| ヒョンデ「インスター」 | 284万9000円~ 5) |
| ホンダ「N-VAN e:」 | 269万9400円~ 6) |
| ホンダ「N-ONE e:」 | 269万9400円~ 7) |
| 三菱「eKクロスEV」 | 244万6400円~ 8) |
| BYD「BYD DOLPHIN」 | 299万2000円~ 9) |
| BYD 「BYD RACCO」 | 2026年7月28日発売予定 1) |
※価格は各メーカーの公式サイトより。すべて税込価格です。
Ⅰ.日産「サクラ」 244万8600円~

日産「サクラ」は普通車を含めたEV全体のなかでも人気の高い軽EVです。従来は「X」「G」の2グレードでしたが、2026年4月にマイナーチェンジしてデザインが刷新されたほか、これまで法人向けだったエントリーグレードの「S」を一般ユーザーも購入可能になり、244万8600円から購入できるようになりました。
200万円台前半から買えると聞いても、「ガソリン車の軽自動車と比べるとやっぱり少し高い」と感じる人もいるかもしれません。しかし、EVは購入時に国や自治体の手厚い補助金などを利用すれば、ガソリン車と同等以上の安さで購入することが可能です。
ボディタイプは軽自動車で主流となっているハイトワゴンで、内外装のデザインに日産のフラッグシップEV「アリア」譲りの意匠を採用。全体的に軽EVとは思えない上質感があります。
Ⅱ.ヒョンデ「インスター」 284万9000円~
従来は国内で販売される300万円未満のEVは軽EVしかありませんでしたが、そこへ一石を投じたのが、ヒョンデが日本市場に導入したスモールEV「インスター」です。
キュートで近未来感溢れるデザインが目を引きますが、「インスター」の最大の特徴は、価格の安さに加え、ボディサイズが軽自動車とさほど変わらないにもかかわらず、駆動用バッテリーは軽EVの倍以上も容量が大きい42kWhまたは49kWhという点です。
モデルラインナップは「Casual」「Voyage」「Lounge」の3グレード。このうち中間グレードの「Voyage」と上位グレードの「Lounge」は49kWhのバッテリーを搭載し、航続距離が458kmに達します。
価格と性能のバランスに優れたお買い得モデルといえますが、ヒョンデは日本国内に正規ディーラーがなく、公式ウェブサイト及びアプリを通じたオンライン販売のみとなっています。
Ⅲ.ホンダ「N-VAN e:」 269万9400円~

ホンダ「N-VAN e:」は、同社の人気モデル「Nシリーズ」をベースに開発された「N-VAN」のEVモデルです。"軽バンEV"という商用車のEVに分類されますが、もともとガソリン車の「N-VAN」は個人ユースの割合も高く、EVの「N-VAN e:」にはデザイン性を高めたレジャー向けの「e: FUN」というグレードも設定されています。
ほかの軽EVとの大きな違いは、後席を床下に収納できる仕組みになっているため、キャンプ道具やDIY用の資材などをたくさん積むことができる点です。また、普通充電口に挿して使うACタイプの外部給電器(V2L)がオプションで用意されていますから、外で電化製品が使え、ガソリン車の「N-VAN」以上にアウトドアシーンで活躍するでしょう。
Ⅳ.ホンダ「N-ONE e:」 269万9400円~

ガソリン車の軽自動車では「Nシリーズ」という圧倒的人気の車種を擁するホンダですが、軽EVではこれまで商用車に分類される「N-VAN e:」しか販売していませんでした。
そこへ新たにラインナップに加わったのが、ガソリン車の「N-ONE」の特長でもある愛着の湧くエクステリアデザインや室内の広さなどを引き継いだ新型軽EV「N-ONE e:」です。
ベースグレードの「e: G」と上位グレードの「e: L」の2タイプがあり、どちらもバッテリー容量は29.6kWh。航続距離は295kmで、これは2026年3月時点で軽EVのなかではもっとも長い航続距離です。それでいて車両価格は269万9400円~と、ほかの軽EVと大差ありません。
なお、ホンダは2026年5月に「N-ONE e:」をベースに全幅とトレッドを拡大した小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」を発売しています。この「Super-ONE」については後述します。
Ⅴ.三菱「eKクロス EV」 244万6400円~

「eKクロス EV」は、日産「サクラ」と基本メカニズムを共有する兄弟車で、三菱の「eKクロス」というSUVテイストのハイトワゴン・シリーズの一員としてラインナップされています。
SUVテイストを前面に押し出している点が特長ですが、2026年6月の一部改良でデザインが刷新され、従来の「SUVらしさ」に加えて「EVらしさ」もあるスタイリングに生まれ変わりました。
また、「G」「P」「Gビジネスパッケージ」の3グレード構成で、法人・自治体向けとされる「Gビジネスパッケージ」の車両価格は244万6400円となっています。
性能面に変更はありません。バッテリー容量は20kWh、フル充電の航続距離は180km。しかし、装備はアップグレードされており、従来は「P」グレードのみに用意されていた「ステアリングヒーター」「運転席/助手席シートヒーター」が「G」グレードにも標準装備となったり、新たに1500WのAC100Vコンセントが全グレードにオプション設定されたりするなど、利便性の向上がはかられています。
Ⅵ.BYD「BYD DOLPHIN」 299万2000円~
中国の民営系自動車メーカー最大手のBYDは日本市場向けに4車種のEVを販売していますが、そのなかでも、もっとも価格が安いのがコンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」です。
以前の車両価格は363万円~でしたが、2025年4月にラインナップの見直しが行われ、車両価格約299万円のエントリーグレード「Baseline」を追加。さらに「Long Range」も値下げされ、新価格は従来よりも33万円安い374万円となっています。
航続距離はそれぞれ415kmと476km。劣化に強いLFPバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)を採用し、V2H/V2Lに対応しているのも「DOLPHIN」のポイント。また、コンパクトなボディながら最大5名が乗車可能なので使い勝手もよさそうです。
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[番外編]BYD「BYD RACCO」

[予算300万円未満]の最後に、新型軽EVのBYD「RACCO」について現時点で明らかになっている情報を紹介しましょう。
「RACCO」は、日本のファミリー層の暮らしを徹底研究して開発された日本専用設計モデルで、乗用車の軽EVとして日本で初めて「スーパーハイトワゴン」スタイルを採用した点が大きな特長です。両側電動スライドドアも全車に標準装備しています。
最終プロトタイプの展示車を見るとクルマとしての仕上がりが非常によく、たとえばほとんどの軽自動車がリアブレーキに「ドラムブレーキ」を採用するなかで、「RACCO」はリアブレーキに「ディスクブレーキ」を採用。大型タッチスクリーンを標準装備するインテリアには軽自動車らしからぬ上質感が漂います。
駆動用バッテリーには、BYD車の強みである劣化に強くて発火リスクの低いLFPバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)を採用。バッテリー容量22.4kWh、航続距離210kmの「RACCO 200」と、バッテリー容量35.84kWh、航続距離320kmの「RACCO 300」の2タイプが用意されるとのことです。
[予算300~500万円未満]比較的お手頃価格、でも、大満足なEVは?
電動化技術の進化や既存モデルの値下げなどにより、近年は「予算300~500万円未満」の比較的お手頃な価格のコンパクトEVやミドルサイズEVが増えてきました。この価格帯のEVは軽EVと並ぶ売れ筋となっています。2026年7月時点で「300~500万円未満」の予算で購入可能なおもなEVを8車種紹介します。
〈300~500万円未満のEV車種例〉※メーカー50音順
| 車種 | 価格 |
| スズキ「e ビターラ」 | 399万3000円~ 10) |
| トヨタ「bZ4X」 | 480万円~ 11) |
| 日産「リーフ」 | 438万9000円~ 12) |
| ヒョンデ「KONA」 | 399万3000円~ 13) |
| ホンダ「Super-ONE」 | 339万200円~ 14) |
| ボルボ「EX30」 | 479万円~ 15) |
| BYD「BYD SEALION 7」 | 495万円~ 16) |
| MINI「MINI COOPER」 | 498万円~ 17) |
※価格は各メーカーの公式サイトより。すべて税込価格です。
Ⅰ.スズキ「e ビターラ」 399万3000円~

「e ビターラ」は2026年1月から国内販売が開始されたスズキの世界戦略EVの第1弾モデルです。車名の「Vitara(ビターラ)」は、スズキが2024年まで日本で生産していた人気のコンパクトSUV「エスクード」の海外名。このことから「e ビターラ」は「エスクード」の流れを汲むEVといえるでしょう。
モデルラインナップは、バッテリー容量49kWhの「X」と61kWhの「Z」の2グレードが展開され、上位グレードの「Z」には4WDも用意されています。航続距離は「X」が433kmで、「Z」が520km、「Z」の4WDが472km。なお、「e ビターラ」のバッテリーには日本で販売される国産車として初めてLFPバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)が採用されています。
注目すべきは「Z」の4WDです。後述しますが、国内で販売される4WDのEVは高級車が中心で、比較的安い車種でも車両価格は500万円台半ばから600万円以上。しかし、「e ビターラ」の4WDは492万8000円と、500万円を切る価格を実現しています。
Ⅱ.トヨタ「bZ4X」 480万円~

トヨタ「bZ4X」は、国内のEV販売を牽引する人気車種のひとつです。たとえば直近の販売データでも、2026年5月に国内で販売台数がもっとも多かったのが「bZ4X」です18)。
その人気の要因のひとつが、2025年10月の大幅刷新により、ベースグレードの「G」モデルが550万円から480万円へと一気に70万円も値下げされたこと。これだけの値下げを行いながら、「G」グレードはバッテリー容量57.7kWh、航続距離は544kmと、実用的なEVとして十二分な性能をもっています。
このほか、上位グレードの「Z」にはFWDと4WDが用意され、バッテリー容量はいずれも74.69kWh。航続距離はFWDが746km、4WDが687kmとなっています。このうちFWDの車両価格は以前のベースグレードと同じ550万円~です。
【スペック確認はこちら!】
▶EV車種・スペック一覧ページ トヨタ「bZ4X」
Ⅲ.日産「リーフ」 438万9000円~

日産「リーフ」は、初代モデルから15年間にわたって積み重ねてきた知見と経験、ネームバリューが最大の強みといえるクロスオーバースタイルのEVです。現行型は2025年10月に発売されたばかりの3代目で、デザインや性能が一新されました。
なかでも注目すべきはEVとしての性能向上でしょう。
新型「リーフ」はバッテリー容量55kWhの「B5」と78kWhの「B7」の2グレードが展開され、「B7」にはベースモデルの「B7 X」と上位モデルの「B7 G」がありますが、このうち「B7 X」の航続距離は702kmに達します。700kmを超える航続距離というのは、これまで車両価格が1000万円以上するような一部の高級EVにしか与えられていなかったスペックです。
車両価格は「B5」が438万9000円~、「B7 X」は518万8700円~です。
Ⅳ.ヒョンデ「KONA」 399万3000円~

韓国の大手自動車メーカー「ヒョンデ」のコンパクトSUV「KONA」は、ベースグレードであれば400万円を切る車両価格のEVです。
日本向けのグレードは、バッテリー容量が48.6kWhの「Casual」と64.8kWhの「Voyage」「Lounge」などの計4モデルが用意され、航続距離は「Casual」が456km、「Voyage」が616km、「Lounge」などが545kmとなっています。
なお、「KONA」は「インスター」と同様に、ヒョンデの公式ウェブサイト及びアプリを通じたオンライン販売のみとなっています。
Ⅴ.ホンダ「Super-ONE」 339万200円~

ホンダ「Super-ONE」は発売前の先行予約台数が7000台を突破するなど19)、登場早々に人気車種となっている小型EVです。
軽EVの「N-ONE e:」をベースにしていますが、車名の「Super」には“軽自動車規格の枠を超越する存在”との意味が込められ、フロントやリアのエアダクトなど専用エアロは、1980年代の「シティ・ターボII(通称ブルドッグ)」の遊び心を彷彿とさせます。
このデザインでもわかるように、「Super-ONE」は1090kgの軽量ボディと大径ワイドタイヤの採用などにより、コーナーリングや高速走行時でも安定感のあるキビキビとした走りを楽しめるのが大きな特長です。さらに、5段階のドライブモードが設定されており、「BOOSTモード」では最高出力が通常の47kWから70kWへと一気にアップし、力強く鋭い加速を実現します。

「Super-ONE」には「N-ONE e:」のようなグレード展開は存在せず、バッテリー容量29.6kWhのモノグレード(ワングレード)です。しかし、「BOSEプレミアムサウンドシステム」や先進運転支援システムなど、通常であれば上位モデルにオプション設定されるような上級装備の多くが標準装備されています。
車両価格は比較的安価で339万200円から。国の補助金に加え、自治体(東京都の場合)の補助金も利用すれば120万円程度で購入可能ですから、人気が出るのも当然といえるでしょう。
Ⅵ.ボルボ「EX30」 479万円~

「EX30」はボルボ史上最小のSUVです。これまで日本仕様はバッテリー容量69kWh、航続距離560kmの1タイプのみでしたが、2025年8月にラインナップが拡充されました。
このうち、駆動用バッテリーにLFPバッテリー(リン酸鉄系)を採用するエントリーグレード、「Plus P5 Electric」のバッテリー容量は51kWh。航続距離は390kmであるものの、車両価格は従来よりも60万円安い479万円とお手頃になりました。
エントリーグレード以外の3モデルは、すべて三元系(NMC)バッテリーが採用され、バッテリー容量はいずれも69kWh。1モーターのRWDか2モーターのAWDの違い、さらに装備の違いなどにより、航続距離が変わってきます。
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Ⅶ.BYD「BYD SEALION 7」 495万円~
BYD「SEALION(シーライオン) 7」は、同じくBYDのセダン「SEAL(シール)」をベースに開発された最新プラットフォームによるクロスオーバーSUVです。滑らかなクーペフォルムを採用したスタイリッシュなデザインを特徴としています。
ほかのBYD車と同様に、駆動用バッテリーには「ブレードバッテリー」と呼ばれるLFPバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)が採用され、バッテリー容量は82.56kWh。航続距離は後輪駆動モデルが590km、四輪駆動モデルは540kmとなっています。
また、「ドライバー・モニタリング・システム」を標準装備するなど、ほかのBYD車より充実した運転支援システムと500万円以下の買い求めやすい価格を両立させている点もポイントです。
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Ⅷ.MINI「MINI COOPER」 498万円~

MINIは日本の街なかで見かける頻度の高い輸入車です。なかでも3ドアの「MINI COOPER(クーパー)」はMINIの代名詞的存在で、第4世代へと進化したのに伴いEV版がラインナップされました。
ベースグレードの「MINIクーパー E」と、より高出力でスポーティーな航続距離の長い「MINIクーパー SE」の2モデルが設定され、価格は前者が498万円~、後者は541万円~です。
バッテリー容量は「MINIクーパー E」が40.7kWh、「MINIクーパー SE」が54.2kWh。航続距離はそれぞれ344km、446kmと、日常生活に不便のない十分な性能を確保しています。
なお、「MINIクーパー SE」をベースに、さらにスポーツ性能が高められた「MINIジョン・クーパー・ワークス E」も存在し、最高出力は190kW(258ps)を発揮します。
参考資料
10)スズキ「e ビターラ」
11)トヨタ「bZ4X」
12)日産「リーフ」
13)ヒョンデ「KONA」
14)ホンダ「Super-ONE」
15)ボルボ「EX30」
16)BYD「BYD SEALION 7」
17)MINI「MINI COOPER」
18)日本自動車会議所「2026年5月の国内EV販売比率、過去最高の3.5% トヨタ・日産・ホンダの主力車がけん引 補助金でHVより割安に」
19)日本自動車会議所「ホンダの新型EV「スーパーワン」 先行予約は計画超えの7000台 補助金で東京都なら150万円程度で購入可能」
[予算500~700万円未満]高くてもいいクルマに長く乗りたい人向けの高性能EVは?
欧米などの世界市場でもっとも販売台数が多いのが車両価格500~700万円未満のミドルクラスのEVです。国内では500万円以下の価格帯が中心になりつつありますが、「高くても性能のいいEVに長く乗りたい」と考える方の間で人気を集めています。
〈500~700万円未満のEV車種例〉※メーカー50音順
| 車種 | 価格 |
| スバル「トレイルシーカー」 | 539万円~ 20) |
| テスラ「モデルY」 | 558万7000円~ 21) |
| 日産「アリア」 | 667万5900円~ 22) |
| フィアット「500e」 | 577万円~ 23) |
| フォルクスワーゲン「ID.4」 | 528万7000円~ 24) |
| BMW「iX1」 | 678万円~ 25) |
※価格は各メーカーの公式サイトより。すべて税込価格です。
Ⅰ.スバル「トレイルシーカー」 539万円~

「トレイルシーカー」は、「ソルテラ」に続くスバルのグローバルEV第2弾モデルであり、1990年代のワゴンブームを牽引した同社の「レガシィツーリングワゴン」などを彷彿とさせるステーションワゴンスタイルのミドルサイズSUVです。
大きな特長のひとつは、ゴルフバッグ4個が収納できる633Lもの大容量ラゲッジルームを備えていること。FWDモデルは航続距離が734kmに達するなど実用性も高く、日常生活からアウトドア、ロングドライブまでどんな用途にも使えそうです。
「トレイルシーカー」は「ET-SS」と「ET-HS」の2グレードがあり、前者はFWDとAWDの2モデル、後者はAWDのみの構成。バッテリー容量は全モデル共通の74.7kWhです。
Ⅱ.テスラ「モデルY」 558万7000円~
EVとして史上初めて世界の車種別販売台数トップ(2023年)に輝いたのがテスラ「モデルY」です。2025年1月には発売から約5年が経過したことで大幅なアップデートが実施されました。
新しくなった「モデルY」は、「サイバーデザイン」と名付けられたフロントフェイスからテールランプにいたるまで、エクステリアデザインがすべて一新されました。それらにより効率が向上し、航続距離は「RWD」が547km、「ロングレンジ AWD」が682kmと、それぞれ大幅に伸びています。
また、2026年4月には3列シート6人乗りの「モデル Y L」が登場26)。通常モデルから全長を約180mm、ホイールベースを150mm延長し、クラス最大級の室内空間を実現するとともに航続距離もテスラ最長となる788kmを達成しました。
なお、テスラは輸入車のなかでも高額な国のCEV補助金を受け取ることが可能で、購入時に利用できる補助金額(2026年4月~)は「モデルY」「モデル3」ともに127万円となっています27)。
Ⅲ.日産「アリア」 667万5900円~

「アリア」は、日産のEV開発のノウハウと技術が惜しみなく注ぎ込まれたフラッグシップEVです。2025年12月にマイナーチェンジしてNISMOモデル以外のフロントデザインが一新されたほか、普通充電口を利用するV2L機能が追加されるなど、「動く蓄電池」としての性能も進化しました。
大きく分けてバッテリー容量66kWhの「B6」と91kWhの「B9」の2つのグレードがあり、それぞれに4WDモデルを設定。さらに「NISMO B6 e-4ORCE」「NISMO B9 e-4ORCE」など計6モデルがラインナップされています。航続距離はベースモデルの「B6」が470km、「B6 e-4ORCE」が460km。上位モデルの「B9」の航続距離が640km、「B9 e-4ORCE」が610kmとなっています。
日産ブランドを象徴するEVらしく、車両価格は667万5900円~と、国産EVのなかでは比較的高価格となっています。
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Ⅳ.フィアット「500e」 577万円~

「500e」はフィアット初となるピュアEVです。EVならではの新たなドライバビリティを味わえる一方、歴代「500(チンクエチェント)」から受け継ぐ唯一無二のユニークなデザインは基本的に変わっていません。
ボディサイズは全長・全幅・全高ともに「500」よりやや大きく、バッテリー容量は42kWh、航続距離は335km、車両価格は577万円~となっています。なお、フィアットのハイパフォーマンスブランド・アバルト版「500e」も国内で販売しています。

アバルト版にもハッチバックとカブリオレの2モデルが用意され、前者の「500e Turismo ハッチバック」のバッテリー容量は42kWh、航続距離は303km、車両価格は615万円~となっています。
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Ⅴ.フォルクスワーゲン「ID.4」 528万7000円~

フォルクスワーゲン「ID.4」は、同社のEVブランド「ID」シリーズの日本導入第一弾となるEV専用モデルです。全長4585mm×全幅1850mm×全高1640mmのボディサイズは日産「アリア」とほぼ同じで、室内は後席の足元も広々としています。
ベースグレードの「Lite」と上位グレードの「Pro」の2タイプがあり、「Lite」は最高出力125kW(170ps)のモーターに55kWhのバッテリーを組み合わせ、航続距離は409km。「Pro」は同210kW(286ps)のモーターに82kWhのバッテリーを組み合わせ、航続距離は587kmです。
「Lite」と「Pro」はEVシステムだけでなく装備にも大きな違いがあり、「Pro」には専用エクステリアやパノラマガラスルーフ、パワーシート、パワーテールゲート、20インチタイヤなどが標準装備されます。
Ⅵ.BMW「iX1」 678万円~

BMWはEV専用モデルの「iX」のほかにもガソリン車とボディを共用するEVを多数ラインナップしていますが、そのなかでも車両価格678万円~と、BMWのEVのなかでは比較的手が届きやすいのがコンパクトSUV「X1」のEV版となる「iX1」です。
全長4500×全幅1835×全高1620mmのボディは日本の道路事情に適したサイズ感となっており、それでいてバッテリー容量は66.5kWhと大容量。航続距離は550kmとなっています。
モデルとしては前輪駆動の「iX1 eDrive20」と四輪駆動の「iX1 xDrive30」の2種類があります。
参考資料
20)スバル「トレイルシーカー」
21)テスラ「モデルY」
22)日産「アリア」
23)フィアット「500e」
24)フォルクスワーゲン「ID.4」
25)BMW「iX1」
26)テスラ「テスラ 新しいModel Y L 登場」
27)一般社団法人次世代自動車振興センター「CEV補助金対象車両(EV)」
4WDのEVのおすすめ車種は?
一般的に4WDには雪道や悪路走行に強いイメージがあるかもしれません。いわゆる「生活四駆」と呼ばれるクルマです。しかし、EVの場合はガソリン車に比べてトルクフルなパワーをタイヤが受け止めるために四輪駆動としている場合が比較的多いです。つまり、生活ではなく「走りのための四駆」というわけです。
そのため、4WDのEVはパワーの大きな高級車やスポーツモデルが中心となり、高価格な車種が多い傾向がありました。しかし、最近はスズキ「e ビターラ」のような大衆車のEVにも4WDモデルがラインナップされるようになってきています。
なお、4WDのEVについて以下の記事で詳しく紹介していますので、興味がある方は読んでみてください。
【あわせて読みたい記事】
▶電気自動車の4WDのおすすめは?自動車ジャーナリストが推奨する10車種
安く買いたいなら中古EVという選択肢も

ここまで見てきてわかるように、近年のEVは一定の性能をもちながら300~400万円台の車両価格で購入可能な車種が増えてきました。とはいえ、ガソリン車に比べて割高傾向にあるのは事実ですので、「その価格だと予算的に購入するのはきびしい」といった場合、中古車のEVを購入する方法もあります。
数年前までは、中古車市場で販売されるEVは初代または2代目の日産「リーフ」のほぼ一択で、あまり選択肢がありませんでした。しかし、現在は中古車情報サイトで検索すると、年式がそこまで古くない国産車や欧米車のEVが多数販売されています。100万円台半ばで販売される軽EVの中古車も多数あります。
なお、新車のEV購入時に利用できる国の補助金は、交付の条件として自家用車両の場合は4年間の保有を義務づけていますので、一般的に中古EVは4年程度使用した車両が多くなります。そのため「バッテリーの劣化」を心配する人もいることでしょう。
しかし、多くのEVはバッテリーに「8年間または走行距離16万km」といった容量保証をつけていますので、5年落ち程度の中古EVなら大きな性能低下を心配せず乗ることができるはずです。ただし、購入時に「保証継承」の手続きを忘れないようにしましょう。
それでも心配な場合、以下の記事で中古EVを購入したユーザーの体験談を紹介していますので、参考にしてみてください。
EV購入時には補助金の活用を
EVの購入を具体的に検討している人でしたら、必ず利用したいのが国や自治体の補助金です。2026年度の国によるEV補助金の上限額は130万円(軽EVは58万円)、プラグインハイブリッド車(PHEV)は85万円となっています27)。
ただし、注意が必要なのは、EVやPHEVなら「全車種が補助金の上限額を受けられる」というわけではないことです。EVの性能や価格だけでなく、EV普及や環境に対するメーカーの取り組みも総合的に評価されて車種ごとに補助金の額が算出されます。
なお、国の補助金に加えて地方自治体からの補助金もあるため、地域や条件によってはEVの購入時に200万円以上を補助されることもあります。しかし、予算には限りがあり、補助金の申請が多い場合は早めに予算が消化されるケースがあります。EV購入を検討しているなら、補助金の予算が消化される前に行動したほうがいいでしょう。
補助金や税制優遇措置についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
自分の「予算」と「ライフスタイル」に合ったEVを見つけよう
数年前までよくいわれていた「車両価格が高い」「航続距離が短い」といったEVのデメリットは過去のものになりつつあります。
本記事で紹介したように、現在のEVの車両価格は300~500万円未満が主流で、200万円台で購入可能な軽EVやコンパクトEVも増えています。軽EVのホンダ「N-ONE e:」をベースとする「Super-ONE」は、国の補助金を利用すればガソリン車の「N-ONE」のターボ仕様車である「N-ONE RS」より安く購入できます。
また、7月下旬にはBYDが日本初のスーパーハイトワゴンの軽EV「RACCO」を発売予定で、ホンダは国内で圧倒的な人気を誇る「N-BOX」のEVモデルを2028年に発売する計画を明らかにしています。
EVは日々進化しており、これからも安価で性能のいい車種がどんどん発売されることでしょう。補助金を含め、EVに関する最新の情報に耳を傾け、自分の予算とライフスタイルに合ったEVを探してみてください。とくにガソリンスタンドが減少傾向にある地方在住の方は、日常の足として、こうしたEVの購入を積極的に考えてみることをおすすめします。
※本記事の内容は公開日時点での情報となります
