日産・サクラ。軽自動車の長所を活かした、上質で力強い“軽EV”

日産・サクラ

コストパフォーマンスと使い勝手に優れ、今や軽自動車は日本のカーライフになくてはならない存在になりました。そして、今後さらなる普及が期待されるEVで軽自動車を作ったなら……。各社に先駆けてそれを実現したのが、日産・サクラです。日本自動車史にきっと刻まれるその実力を、モータージャーナリストのまるも亜希子さんがレポートします。

今や日本を走るクルマの約2.5台に1台が軽自動車といわれる時代です。狭い道でも取り回しのよいサイズや、1~2人での移動に十分な室内と荷室、ランニングコストの低さは、日本の暮らしに寄り添うクルマとして欠かせない存在。でも一方で、便利な軽にもユーザーの不満や弱点がありました。たとえば急な坂道や高速道路の合流・追い越しで加速力が足りなかったり、エンジンが騒がしく、振動が大きくて長時間走行が疲れやすかったりといったところです。その弱点こそ、EVにすることによってすべて乗り越えられると日産は考えました。また、これまでのEVは価格が高いとあきらめていた人たちにも、手が届きやすい価格を実現。

日産 サクラとマルモさん

 

多くの人が「こんなEVを待っていた」と感じる軽EVがサクラです。そこに、日産ならではのどんな魅力が注がれているのかチェックしたいと思います。

 

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●Check1:エコノミカル

デイリーユースにちょうどいいバッテリー容量と、効率のいい充電性能

サクラのバッテリー容量は20kWh、航続距離は180km(WLTCモード)です。「ちょっと短いかな?」と感じる人もいるかもしれませんが、日産がガソリン乗用車の1日の走行距離を調査したところ、30km以下という回答が53%を占め、180km以下までの回答を合わせるとじつに94%にのぼる結果が出ています。軽自動車にしぼれば、もっと日常使いをメインとする人が多くなるので、180kmでも十分に便利に使えるという根拠にもとづいた設定です。

サクラ ライト

 

またリーフ、アリアで培ってきたEVのノウハウがサクラにもフィードバックされていて、急速充電と高速走行を繰り返すような使い方でも、バッテリー冷却システムが安定した充電性能を管理。いつでも効率よく充電できることで、エコフレンドリーなドライブにつながります。

充電は普通充電と急速充電に対応しており、2.9kWの普通充電で約8時間。外出先での急速充電では、30kW以上の出力で80%まで約40分となっています。日産では、新車・中古車を問わず誰でも入会できる「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」があり、4つのプランを設定。急速充電の無料充電が10回(100分相当)ついた「プレミアム10」が月額4400円、20回(200分相当)ついた「プレミアム20」が6600円、40回(400分相当)ついた「プレミアム40」が1万1000円。3年定期契約にすると、それぞれ月1,650円割引になりおトクです。

サクラ 充電口

 

無料回数を超えた分の急速充電の料金は、「プレミアム10」が10分385円、「プレミアム20」が330円、「プレミアム40」が275円。普通充電は回数無制限で無料です。急速充電の無料回数がついておらず、その都度支払いをする「シンプル」は月額550円で、急速充電が10分550円、普通充電が1分1.65円となっています。

家庭で充電する場合の電気代は、1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の公表情報参照)と考えると、500km走行するのに約1900円となります。

なお、自宅で充電するとポイントが貯まる東京電力エナジーパートナーの「eチャージポイント」サービスを活用するのも一案。年間最大3600ポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント1円相当として提携先で使えます。ガソリン価格が高騰している昨今では、かなりランニングコストが抑えられるのではないでしょうか。

 

 

●Check2:プライス

価格は約240万円から。補助金利用でガソリン車に近い購入コストに

サクラは一般顧客向けに、「X」239万9100円、「G」294万300円の2つのグレードを設定しています(法人向けグレードもあり)。ガソリンモデルのデイズと比べると価格が割高に感じるかもしれませんが、サクラはクリーンエネルギー車(CEV)の補助金対象となっており、交付条件を満たしていれば2022年度は国から55万円の補助金が受けられます。さらに、地方自治体からも補助金を受けられる場合があり、東京都の場合は条件により最大75万円となっています。購入検討時には最新の補助金情報を確認してみましょう。

日産・サクラ

 

維持費の面でも、購入時と1回目の車検時にかかる重量税が免除されるほか、購入翌年度の自動車税が概ね75%減税となるのもうれしいところです。

 

 

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●Check3:ユーティリティ

小回りが利く使い勝手。収納スペースも豊富

軽自動車規格となるサクラは、狭い街中でも扱いやすいサイズが大きな魅力。最小回転半径は4.8mで、車庫入れもラクラクです。オプションですが軽初となるプロパイロットパーキングも用意され、指先だけの操作で簡単に車庫入れができるようになっています。

日産サクラ 車内

 

室内はインパネからドアインナーまでファブリック張りで、ふっくらとしたソファのようなシートがゴージャス。カッパー色のフィニッシャーやステッチも上品なアクセントになって、とてもセンスの良いインテリアに心が弾みます。

サクラ 前方座席

 

また、EVは床下にバッテリーを搭載するため、室内空間が犠牲になる場合もあるのですが、サクラは日産のユニバーサルスタックという技術によって、バッテリーの高さを自由に変えてスペースにピタリと収めて搭載することができ、ガソリンモデルのデイズと同じ室内の広さが確保されています。

サクラ トランク

 

荷室は床下収納がガソリンモデルの4WDと同等で少し小さくなるものの、床上の容量は2WDと同等。後席に一体式の前後スライド機構および左右独立式の可倒機構がついているので、荷物に合わせてフレキシブルに使うことができます。

サクラ ドリンクホルダー

 

収納スペースも豊富で、センターに備わるドリンクホルダーを引き出すと、車名となっている桜の花びらのモチーフがさりげなくあしらわれていたり、アルミホイールのデザインモチーフとなっている日本の伝統的な水引がインテリアにもちりばめられていたりと、統一感があるところもうれしい心遣いですね。

●Check4:エモーショナル

軽自動車とは一線を画す走行性能。走りの楽しさもバツグン

遠くから眺めるサクラは、日産がアリア、リーフと並ぶEV三兄弟としてデザインをイチから作っただけあって、とても堂々とした存在感を放っています。アリアに通じる新世代Vモーショングリルや、軽初となるプロジェクター式ヘッドライトの鋭い眼光、格子や水引など和の美学にインスパイアされたモチーフなど、デザインで心をつかまれる人も多いのではないでしょうか。

サクラ 走行中イメージ

 

そして走り出すと、軽のターボエンジン車の2倍相当となる195Nmのトルクと、それを賢く上質に引き出す日産独自の制御技術によって、出足からスルスルとなめらかで余裕たっぷりの加速フィール。アクセルペダルの踏み加減に忠実に反応してくれる、思い通りの加減速が気持ちのいい走りです。

走行モードは「Eco」「Standard」「Sport」の3つがあり、切り替えるとまったく乗り味が変わります。加えて、アクセルペダルの操作のみで減速までできる「e-Pedal Step」のオン/オフ、シフトで操作するBモードがあるので、これらの組み合わせしだいで何通りものキャラクターが手に入るのです。走るシーンによって変えてみたり、お気に入りを見つけたり、それぞれが快適に感じる組み合わせで走れるので、「EVってつまらないんじゃない?」と思っていた人にも、きっと楽しんでもらえると思います。

サクラ 後方

 

また、運転しているうちに軽だということをすっかり忘れてしまうほどの静かさも、サクラの大きな魅力。ガソリン車のデイズからさらに防音材を追加したほか、アルミホイールにすることで剛性アップとロードノイズ抑制をはかり、高速走行中もとても静か。不快なノイズは無意識のうちに疲労の原因にもなるので、これなら長時間のドライブも疲れにくいのかなと感じました。

 

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●Check5:ハウスベネフィット

運転席側に充電口が2つ。V2Hにも対応し、災害時にも頼れる存在

サクラの充電口は、普通充電、急速充電ともに運転席側のリアに並んで設置されています。これは、軽は1人で乗ることも多いということで、運転席から降りてすぐに使えるようにとの配慮です。これから自宅に充電器を設置する場合には、位置を考慮するといいですね。

サクラ 充電の様子

 

「Nissan Connect」(有償)に加入すると、スマートフォンを使って自宅からバッテリー状態や航続距離をチェックできたり、リモート充電やタイマー充電、出発前にエアコンをオンにしておけたりするなど、もっと快適にサクラを使いこなせます。

そして大容量バッテリーを家の蓄電池として使えるV2Hにも対応。災害時の備えとしても心強い存在です。

コンパクトながら上質。軽自動車の価値を一段高める意欲作

サクラに試乗してみて、軽自動車だと感じるところはボディサイズのみ。そう言い切れるほどに、力強くなめらかな加速、安定感と乗り心地の良さ、室内の静かさ、内外装の上質感と、あらゆる要素が想像を超えていました。毎日、当たり前のように乗るクルマが、見て触れるだけで気分をアップしてくれ、ドライブ中のプチストレスをなくしてくれたら、そんなに幸せなことはないと実感。目的地までの移動時間ものんびり楽しむような考え方にスイッチすれば、たまのロングドライブも素敵な旅になるはずです。

サクラを運転するまるもさん

 

サクラは、これまでEVの扉を開けたくても開けられなかった人を迎え入れ、EVのある生活を身近に変えるチカラを持った革命児といえそうです。

●家庭と暮らしのハマり度 総合評価

総合評価シート

 

【ギャラリー】

サクラ ハンドル

 

サクラ ギア

 

サクラ 後部座席

 

サクラ 走行中

 

サクラ

 

 

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。

 

この記事の監修者
まるも 亜希子
まるも 亜希子

カーライフ・ジャーナリスト。映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツに参戦するほか、安全運転インストラクターなども務める。06年より日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」代表として、経済産業省との共同プロジェクトや東京モーターショーでのシンポジウム開催経験もある。