EVリテラシー診断vol.1「EVの普及状況」編

【EVリテラシー診断 Vol.1】今回のテーマは「EVの普及状況」。国際的な目標や世界の市場動向に左右されるため、EV普及は捉えにくいことがあります。それゆえに誤解されることも…。では、その実態はどうなのか? 5つの質問を通して理解を深めてみましょう。

 

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連載「EVリテラシー診断」

電気自動車(EV)は新しいカテゴリの車ですから、少なからず新しい知見が必要です。そこでEV DAYS編集部は、テーマごとにEVリテラシーを測る質問をご用意しました。さて、あなたは何問正解できるでしょうか?

 

第1問「世界全体のEV・PHEV販売シェアは何%?」

第1問「世界全体のEV・PHEV販売シェアは何%?」

 

【解説】

IEA(国際エネルギー機関)「Global EV Outlook 2025」によると、2024年のEV・PHEV普及率(新車販売シェア)は、約22%1)。じつに新車販売の5台に1台以上をEVまたはPHEVが占めています。ここ数年で普及率は急速に伸びています。2020年は4.4%だったことを踏まえると、驚異的と言えるでしょう。【正解「B」】

 

 

第2問「EV・PHEVの販売台数がもっとも多いのは、どの国(地域)?」

第2問「EV・PHEVの販売台数がもっとも多いのは、どの国(地域)?」

 

【解説】

そもそもEVに限らない、車両の販売台数のトップ3は中国、アメリカ、インドです2)。なかでも、中国の販売台数は群を抜いていて2024年は年間3100万台を超え3)、このうちEV・PHEVの販売台数は1200万台超となっています。現在、中国は世界一のEV先進国といえるでしょう。【正解「C」】

 

 

第3問「日本国内におけるEV・PHEV販売シェアは?」

第3問「日本国内におけるEV・PHEV販売シェアは?」

 

【解説】

世界初の量産EVを発表したのは、じつは日本のメーカーで2010年のことでした。それ以来、日本のEVは世界をリードしてきた……はずでしたが、残念ながらここ数年で大きく遅れてしまっているのが実情です。日本におけるEV・PHEVの販売シェアは約2.8%に過ぎません(2024年)4、5)。日本では2030年にEV・PHEVの販売シェアを20〜30%まで高める目標を立ててきました6)。残り5年間でこの水準まで達することができるのか、正念場を迎えているといえるでしょう。【正解「A」】

 

 

第4問「日本国内では、EVとPHEVのどちらが売れている?(普通車カテゴリの場合)」

第4問「日本国内では、EVとPHEVのどちらが売れている?(普通車カテゴリの場合)」

 

【解説】

日本ではEV普及がなかなか進んでいない状況ですが、じつはEVよりPHEVの方が売れています(過去5年間の普通車新車販売台数を比較)4)。EVは電気でしか走れませんが、PHEVは電気でもガソリンでも走ることが可能なので、「充電環境に不安がある」というユーザーさんの選択肢となっていることが考えられます。なお、PHEVへの注目は世界的にも高まっており、ここ数年はPHEVの需要が高まると言われています。【正解「B」】

 

第5問「多くの国は“何年”を目標に、EV等の販売シェアを100%まで高めようとしている?」

第5問「多くの国は“何年”を目標に、EV等の販売シェアを100%まで高めようとしている?」

 

【解説】

世界各国はパリ協定(2015年採択)に基づいて2050年までにカーボンニュートラルを実現するための目標を定めています。そこから弾き出された目標として、多くの国は「2035年」をひとつの目安と捉えています。たとえば、電動車の定義に違いはあるものの、日本やEU、中国などは2035年に電動車100%実現を目標としています6)。ただし、ここ1・2年でEV普及の成長率に世界的な鈍化が見られているため、目標の再設定が行われる可能性も否めないのが現状です。【正解「A」】

 

診断結果

 

正答数 評 価
全問正解! 国際情勢も知り尽くす「EV博士」
4問正解 EV感度・知識ともに良し!「EV上級者」
3問正解 上級者までもう一歩!「EV優等生」
2問正解 感度を高めるともっと楽しい!「EV中級者」
0〜1問正解 これからたくさん学べる!「EV初級者」

 

海外のEV情報もキャッチして、正しい認識を持とう

ここまで述べてきたとおり、残念ながら、現在のEVの最前線は日本ではありません。そのため、日本のEV情報だけだと、EV市場全体の理解が進みにくいのは否めないでしょう。

近年、EV市場の鈍化が叫ばれていますが、一番のネックは車体価格であると言われています。そんな状況で一石を投じているのは、中国製EVの存在です。日本での販売車種も年々増えており、今後の起爆剤になる可能性はあるでしょう。

ただ、国産EVが登場しないと、盛り上がりに欠けてしまうのも事実です。国内メーカーがどの段階で車種を増やしていくのかどうかで、今後の展開は大きく変わっていくでしょう。日々変わっていくEV動向に目を凝らすと、自分にとってEVが買い時なのか、そうではないのかも見えてくるかもしれません。

 

 

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この記事の著者
EV DAYS編集部
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