【2024年度】太陽光発電の売電収入はどれくらい? 確定申告が必要な場合の手続きも解説

太陽光売電

国や自治体の後押しもあり、太陽光発電は家庭にも広まりつつあります。しかし、かつてブームだった2012年ごろと比較すると、売電価格は低下しています。もしかすると、「今さら太陽光発電を導入すべき?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで、太陽光発電で売電収入を得られる仕組みを解説しながら、具体的な金額や売電収入をアップするためのポイントを紹介。また、売電によって得た収入は確定申告が必要かという問題に加えて、売電収入目的以外でも太陽光発電を導入した方がおトクになる経済メリットについても解説します。

 

 

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※この記事は2023年6月23日に公開した内容をアップデートしています。

 

 

太陽光発電で売電収入を得られる仕組み

太陽光発電で売電収入を得られる仕組み

 

まずは、太陽光発電でどのようにして売電収入を得られるのか、その仕組みから解説します。

太陽光発電で発電した電気のうち、自家消費できなかった余剰分は売却することが可能です。余剰電力は電線を通じて各地域の電力会社(一般送配電事業者)に買い取られます。では、その売電価格はどのように設定されているのでしょうか。ここで登場するのが、FIT制度です。

FIT制度とは、経済産業省が2012年7月に開始した「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のこと。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーからつくられた電気を、電力会社(一般送配電事業者)が“一定価格”で“一定期間”買い取ることを国が約束する制度です。つまり、期間限定ですが、通常よりも比較的高い価格で、太陽光でつくられた電気は売却できる仕組みになっています。

 

〈図〉FIT制度の仕組み

FIT制度の仕組みイラスト

 

 

太陽光発電の売電価格と売電収入の推移

では、実際のところ、売電によってどれくらいの収入を得られるのでしょうか。まずは太陽光発電の具体的な売電価格を見ていきましょう。

 

2024年度の売電単価(FIT単価)は1kWhあたり16円


前提として、FIT制度における売電価格は、太陽光発電の出力やFIT認定を受け太陽光発電を設置した年度によって異なります。住宅用の出力10kW未満の太陽光発電の場合、FIT制度が始まった2012年度の売電単価が1kWhあたり42円であるのに対し、2024年度は1kWhあたり16円と、10年間で半分以下になっています

なお、再生可能エネルギーの普及に伴って、FIT適用時の買取価格(=売電価格)は年々下がっています。これは太陽光発電の設置費用が年々下がっていることと連動しており、比較的設置しやすい価格になっていることを意味しています。買取価格の推移は以下のとおりです。

 

〈表〉太陽光発電(10kW未満)に対する買取価格の推移(1kWhあたりの税込買取価格)1)

認定年度 10kW未満(太陽光単独) 10kW未満(ダブル発電)
出力制御対応機器設置義務
なし あり なし あり
2012年度 42円 34円
2013年度 38円 31円
2014年度 37円 30円
2015年度 33円 35円 27円 29円
2016年度 31円 33円 25円 27円
2017年度 28円 30円 25円 27円
2018年度 26円 28円 25円 27円
2019年度 24円 26円 24円 26円
2020年度 21円
2021年度 19円
2022年度 17円
2023年度 16円
2024年度 16円
2025年度 15円(※)

※調達価格等算定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」において取りまとめられた内容

 

 

平均的な年間発電量なら、売電収入は年間7万2960円


売電収入は各家庭の売電量によって決まります。どれくらいの電力量を売却できるかは、自宅で消費する電気の量はもちろんのこと、太陽光発電の容量や効率、設置する場所・角度、周辺の建物との関係、気象状況なども影響するため、一概には言えません。

ただし、参考としてですが、環境省のデータ2)によると、5kWの太陽光発電を導入している住宅が年間で発電する電力量は全国平均で6515kWhです。また、経済産業省のデータ3)によると、そのうち余剰売電比率の平均は70%のため、売電できる年間の電力量は約4560kWhになります。こちらの数字を使って年間の売電収入を割り出してみましょう。

 

【売電収入(推計)】
年間売電量 4560kWh
× 売電単価 16円/kWh(2024年度の場合)
= 年間売電収入 7万2960円

 

仮に売電単価を2024年度認定の16円、太陽光発電の容量を5kWとした場合、年間で7万2960円、FITの買取期間である10年間で72万9600円を得られることになります。

 

 

 

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太陽光発電での売電収入をアップさせる方法

上記では平均的な発電量や売電割合から売電総額を算出しましたが、前述のとおり、それぞれのご家庭で条件は大きく異なります。たとえば、設置方法を工夫したり、発電効率を高く保てるようにメンテナンスが行えれば、発電量を多くして、太陽光発電での売電収入をアップさせることができるでしょう。ここでは代表的な例を紹介します。

 

効率よく発電できるように設置する


これから太陽光発電の導入を考えている場合、太陽光発電の売電収入を増やすには、発電効率のよいソーラーパネルをできるだけ多く設置し、より多くの面積に太陽光が当たるようにすることが有効です。住宅の立地状況や屋根の形状や材料などを十分に考慮し、発電量を最大に保つことがおすすめです。

 

定期的なメンテナンスを行う


太陽光発電では、経年劣化などによる発電量の低下を防ぐため、定期的なメンテナンスが不可欠です。ソーラーパネルに汚れや落ち葉が付着した場合は、発電量が落ちることがないよう必要に応じて専門業者への清掃依頼を検討するのもよいでしょう。

 

自家消費量を抑える


すでに太陽光発電を導入済みで、比較的高い売電単価が適用されている方の場合、太陽光発電の売電収入を増やためには、各種の省エネ行動により自家消費量を抑えるのも効果的です。自宅での電気消費を減らしてその分余剰を増やせば、売電収入も増えるというわけです。

照明をLEDに換えるなど省エネ機器に買い換えたり、エアコンの温度設定を健康に影響のない範囲で見直したりして、省エネを心掛けましょう。

ただし、後述のとおり、売電単価が電力会社から買う料金単価よりも安い場合は注意が必要です。

 

「エネカリ/エネカリプラス」で太陽光発電の初期費用を0円※にする

太陽光発電の導入コストを抑える方法として、東京電力グループが提供する「エネカリ/エネカリプラス」を利用する方法があります。

「エネカリ」は、初期費用0円、月々定額の利用料のみで太陽光発電をはじめ、蓄電池、エコキュートなどの設備を導入することができるサービスです。また、太陽光発電で余った電気を売って収入を得ることができます。

一方、「エネカリプラス」もエネカリと同様に、太陽光発電と蓄電池をおトクに利用できるサービスです。エネカリとの大きな違いは、売電収入がない分月額利用料を安く抑えられること。各家庭の事情や予算に合わせて選択できますので詳細は以下のサイトで確認しましょう。

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※「エネカリプラス」は別途足場代等の費用がかかる場合があります。

 

 

住宅用の太陽光発電の売電収入でも確定申告は必要?

売電収入に関する申告・手続き

 

住宅で10kW未満の太陽光発電を導入する場合、主に売電収入に対する申告・納税には注意が必要です。

太陽光発電に関する納税や申告など税に関する事項については、減免に関わる事項も含めて税務署やお住まいの市区町村に最新の情報を確認するなどしましょう。

 

売電収入に関する申告


給与所得者が10kW未満の太陽光発電を居住する住宅に設置する場合、売電収入による所得が必要経費を差し引いて年間20万円を超えると、雑所得として確定申告が必要となります

売電収入だけで20万円を超えないから大丈夫、と考える方がいらっしゃいますが、売電収入以外の雑所得との合計で20万円を超える場合も、同じく確定申告が必要なので注意しましょう。

 

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太陽光発電は、売電収入に加えて、自家消費による経済メリットも大きい!

余剰電力から売電収入を得られるのは、太陽光発電の大きなメリットのひとつです。売電価格は下がりつつあるものの、設備導入費用も下がり、初期費用を抑えて導入する選択肢も増えた今、太陽光発電の導入を検討するいい機会と考えられます。

また、「現在の売電収入では物足りないな…」という方にはさらにおトクな情報もあります。それは、太陽光発電でつくる電気を自家消費することによる経済メリットの大きさです。

じつは昨今の電気代高騰の影響により、売電収入よりも自家消費によって毎月の電気代を抑えるコストメリットの方が大きくなっています。たとえば、2024年度のFITによる売電単価は1kWhあたり16円ですが、「全国家庭電気製品 公正取引協議会」が発表している、全国の電気料金の目安単価は1kWhあたり31円※ 4)です。

この数字が意味するのは、適用される、または適用されているFIT単価が31円より安い場合、太陽光発電でつくる電気は売電するよりも自家消費分に回した方がおトクであるということです。

売電の仕組みや必要な納税の手続きをしっかりと理解するとともに、計画的に太陽光発電システムを導入することをおすすめします。

※電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません。

 

 

 

※本記事の内容は公開日時点での情報となります

この記事の著者
EV DAYS編集部
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