
太陽光発電を住宅に導入する際、ソーラーパネルなどの設置にかかる初期費用は気になるポイントです。そこで太陽光発電の設置費用の相場や必要な機器についてまとめました。また、太陽光発電による電気代削減効果や売電収入で将来的に設置費用を回収できるかを検証してみます。さらに、購入しなくても太陽光発電を導入できる方法も紹介します。
- 太陽光発電の設置費用、最新相場は86.7万円(3kWの場合の目安)
- 太陽光発電に必要な設備と価格
- 太陽光発電を設置した後の費用
- 補助金を利用して太陽光発電を少しでも安く導入する
- 太陽光発電は元を取れる? 電気代削減額・売電収入をシミュレーション
- 10年前より手頃になった太陽光発電の設置費用
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※この記事は2025年4月11日に公開した内容をアップデートしています。
太陽光発電の設置費用、最新相場は86.7万円(3kWの場合の目安)

太陽光発電を導入するためには、ソーラーパネル以外にもパワーコンディショナーや架台など、さまざまな設備を組み合わせる必要があります。経済産業省のデータによると1)、2025年における住宅用の太陽光発電(10kW未満)の設置費用は新築の場合で1kWあたり平均28.9万円となっています。。
もちろん、これは目安であり、どこから購入するのかやどのメーカーのものにするか、住宅の設置条件・搭載する容量にもよるため、実際の費用とは異なります。実際にどの程度の規模の太陽光発電を設置でき、どのくらいの費用がかかるかは、最終的には専門の設置業者に確認することが必要です。そこで、設置業者に依頼する際にも最低限押さえておきたい知識をまとめました。
太陽光発電の容量で費用は大きく異なる
太陽光発電の設置費用を大きく左右するのは、ソーラーパネルの容量です。前述どおり、経済産業省のデータによると、太陽光発電の設置費用は、1kWあたり平均28.9万円(2025年、新築の場合)1)です。住宅用のソーラーパネルの容量は、一般的に3~5kWと言われていることから、設置費用の相場は2025年の場合、計算上86.7万~144.5万円となります(※補助金は加味していません)。
このように容量が大きくなれば、発電量も増えますが、当然、設置費用も増えます。容量に応じた設置費用の相場は以下をご覧ください。
〈表〉容量に応じた太陽光発電の設置費用の相場(新築)
| 容量 | 設置費用の相場 | ||
| 3kW | 86.7万円 | ||
| 4kW | 115.6万円 | ||
| 5kW | 144.5万円 | ||
| 6kW | 173.4万円 | ||
| 7kW | 202.3万円 | ||
| 8kW | 231.2万円 | ||
| 9kW | 260.1万円 | ||
なお、容量1kWあたりの設置費用は、2022年まで年々低下していましたが、ここ2年ほどはわずかに上昇しています。とはいえ、10年前よりかなり安くなっているのは間違いありません。
〈図〉太陽光発電の設置費用の平均値の推移️1)

上の図のように、2012年には1kWあたり平均43.1万円だった新築における設置費用が、2025年には28.9万円まで下がっているのです。
仮に容量5kWの太陽光発電の導入を想定すると、2012年の設置費用は平均215.5万円だったのに対し、2025年の設置費用は144.5万円で、13年間で71万円も安くなっています。
太陽光発電システムの設置費用は、新築とリフォーム、どちらが高い?
ところで、先ほどの図にも記載がありましたが、2025年は新築の設置費用が1kWあたり平均28.9万円なのに対し、「既築」つまりリフォームの際に設置する場合は平均30.1万円、と新築よりも高くなっています。
新築時に太陽光発電を設置する場合は、新築工事に合わせて設計することができます。また、電気配線や屋根での工事も新築工事と同じタイミングで行うことが可能なので、一般的には工事費用を安く抑えることができるのです。
それに対してリフォームの場合は、太陽光発電の設置のためだけに足場などの工事費が必要になるので、その分、コストがかかる傾向にあります。
ただし、新築の設置費用が2023年以降は微増傾向にある一方で、既築の設置費用は2024年から2025年にかけて2万円も値下がりしており、今後もコストダウンの傾向が続くのかが注目です。
太陽光発電に必要な設備と価格
太陽光発電は、ソーラーパネル以外にもパワーコンディショナーや架台など、さまざまな設備の組み合わせで構成されています。前述の経済産業省のデータによると、2025年の住宅用太陽光発電の設置費用1kWあたり28.9万円という金額の内訳は以下のとおりで、ソーラーパネルが約47%、⼯事費が約29%となっています。
〈図〉太陽光発電の設置費用の内訳️(新築)

なお、これをもとに容量3~5kWの太陽光発電の場合を計算すると、以下のようになります。
〈表〉太陽光発電の設置費用の内訳️(新築) ※値引き前
| 項目 | 3kWの場合 | 4kWの場合 | 5kWの場合 |
| ソーラーパネル | 40.5万円 | 54万円 | 67.5万円 |
| パワーコンディショナー | 15.9万円 | 21.2万円 | 26.5万円 |
| 架台 | 9.6万円 | 12.8万円 | 16万円 |
| その他の設備 | 0.6万円 | 0.8万円 | 1万円 |
| 工事費 | 25.5万円 | 34万円 | 42.5万円 |
ここからは設置費用に含まれる基本的な設備と、その役割を見ていきましょう。
ソーラーパネルの価格

ソーラーパネルは、小さな四角い板状の太陽電池を複数集めて、大きなパネル状に構成した製品です。「太陽光パネル」や「太陽電池モジュール」とも呼ばれています。ソーラーパネルの2025年の価格相場は1kWあたり13.5万円なので、住宅用で一般的な3~5kWの太陽光発電の場合、およそ40.5万~67.5万円がかかる計算になります。
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パワーコンディショナーの価格
パワーコンディショナーは、ソーラーパネルで作った「直流(DC)」の電気を、家庭内で使用できる「交流(AC)」の電気に変換するための機器です。パワーコンディショナーは機器によって、「定格出力」が設定されており、一般的にはソーラーパネルの容量よりも若干出力が大きいものを選びます。つまり、ソーラーパネルの容量に応じて、パワーコンディショナーの出力も上げる必要があり、基本的に価格は比例します。
パワーコンディショナーの2025年の価格相場は1kWあたり5.3万円なので、3~5kWの太陽光発電の場合、およそ15.9万~26.5万円がかかる計算になります。ただし、ハイブリッド型などパワーコンディショナーの種類やメーカーによって価格は変動しますので、あくまで目安と考えてください。
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架台の価格
架台(がだい/かだい)とはソーラーパネルを屋根などに固定する台のことで、太陽光を効率よく受けられるように、高さや角度を調整する役割を担っています。架台の2025年の相場は1kWあたり3.2万円です。容量を上げるためには、基本的にパネルの枚数を増やす必要がありますので、架台の価格も容量に比例します。つまり、3~5kWの太陽光発電の場合、およそ9.6万~16万円がかかる計算になります。
ただし、屋根の材質・状況や使用するパネルなどにより設置する工法はさまざまです。それに合わせて使用する部材もパネルによって異なります。
太陽光発電の設置工事費

太陽光発電を設置する工賃としての工事費は、前述の経済産業省データでは、1kWあたり8.5万円とされています。こちらも、原則として容量に比例しますので、3~5kWの太陽光発電の場合、25.5万~42.5万円が目安となります。ただし、屋根の形状や工法によって費用は大きく変わります。
その他の費用項目の例
太陽光発電の設置においては電力会社や国への申請のほか、補助金の対象となる場合にはその申請費用、さらに保証費用などが費用としてかかる場合があります。
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蓄電池を併せて設置する場合

これまで説明してきた太陽光発電の設置費用にはもちろん含まれませんが、太陽光発電と相性の良い機器として「蓄電池」があります。太陽光発電でつくられた電気は、基本的に貯めておくことができません。この「基本的にできないこと」を可能にするのが、蓄電池です。
蓄電池を設置し太陽光発電と組み合わせて利用すると、昼間に発電した電気を貯めておいて、それを夜間に使うことができるようになります。また、蓄電池があることで太陽光発電にプラスして災害時の停電への備えの安心度が増します。
なお、2023年度の家庭用蓄電池の価格(工事費込、補助事業以外)は、1kWhあたり17~22万円が標準的な水準となるようです2)。これを踏まえると、一般的に蓄電容量は5〜10kWh程度のため、価格はおよそ100〜200万円となるでしょう。
また、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を所有している場合、EVを蓄電池化できるV2H機器を導入することも選択肢として十分に考えられるでしょう。
太陽光発電と蓄電池の関係や、蓄電池とV2Hの違いに関しては、以下で詳しく解説しています。併せて読んでみてください。
蓄電池について詳しくはこちら
▶家庭用蓄電池の価格相場!平均価格や工事費、太陽光発電とのセット価格を解説
▶太陽光発電と蓄電池の仕組みとは? 発電→蓄電→消費の流れを図解!
▶V2Hと蓄電池、どっちを選ぶ?おすすめの選び方と違いを解説
初期費用0円で太陽光発電や蓄電池を導入する方法
東京電力グループが提供している「エネカリ/エネカリプラス」は、太陽光発電や蓄電池などを初期費用0円※で導入することができる機器定額利用サービスです。しかもメンテナンスや保証もついているので維持コストを含めて将来の家計を計画的に設計することができます。
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※「エネカリプラス」は別途足場代等の費用がかかる場合があります。
太陽光発電を設置した後の費用

太陽光発電に費用がかかるのは、設置時だけではありません。メンテナンス・部品交換、保証対象とならないもしくは保証期間以降の万一の修理費用、撤去するときなど、設置後も状況に応じて費用がかかる可能性があります。費用は安価ではない場合もあり得ますので理解しておきましょう。
安心して長く使うには、太陽光発電のメンテナンスは必要
前述のとおり、太陽光発電はソーラーパネルやパワーコンディショナー、架台などを組み合わせて構成されています。安心して長く運用していくためには、メーカーの取扱説明書に沿って、設置者や場合によっては有資格者・専門業者による点検・メンテナンスが必要です。
発電量の維持や、安全性確保の観点から3〜5年ごとに1回程度の定期点検が推奨され、点検の費用は業者にもよりますが、経済産業省のデータによると、5kWの場合は1回あたり平均3.8万円程度(2025年)1)とされています。
おもに製品の不具合や運転の点検はもちろんのこと、電圧測定や絶縁抵抗測定といった数値測定も実施します。場合によっては設備の修理・交換が必要になることもあります。
鳩駆除や鳩対策の費用
ソーラーパネルの下などに鳥が営巣するなど、太陽光発電のメンテナンスとは別に、思わぬ出費があることがあります。鳩駆除の相場は3万~10万円程度といいます。ただし、屋根などに足場を組んで作業をする場合には30万円程度かかるケースもあるようです。設置時にこうしたトラブル事例についても設置業者によく相談するとよいでしょう。太陽光発電を設置するタイミングで、対策をした方が安価な場合もあるからです。
ソーラーパネルの撤去費用

ソーラーパネルは老朽化や住宅のリフォームなど、さまざまな理由で撤去するケースがあります。このときに注意したいのは、ソーラーパネルには有害物質である鉛、セレンなどが含まれている可能性があるため、法令やガイドラインを遵守し、リユース・リサイクル・廃棄といった処分を行う必要があることです。
なお、10kW以上の太陽光発電に関しては、2022年4月施行の「改正再エネ特措法」により、廃棄費⽤の積⽴が義務化されています3)。ただし、一般的に住宅用の太陽光発電は10kW未満なので、義務化の対象にはなっていません。
処分方法については、まずは、設置業者や解体業者などに相談するとよいでしょう。ちなみに、一般社団法人 太陽光発電協会のホームページ「住宅用太陽光発電システムの廃棄を検討している方へ」4)にも参考になる情報が掲載されていますので確認してみましょう。
補助金を利用して太陽光発電を少しでも安く導入する

太陽光発電の補助金については、太陽光発電等の設置が必須のZEH(ゼッチ)住宅などを対象とした国の補助金があります。それに加えて一部の自治体では独自に太陽光発電への補助金を実施しています。
たとえば、東京都の「住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業」5)では、設置した太陽光発電の容量や機能に応じて交付されます。
〈表〉容量1kWあたりの交付金額(2025年度)
| 容量 | 新築住宅 | 既築住宅 | |
| 3kW以下 | 15万円/kW | 18万円/kW | |
| 3kW超 | 10万円/kW ※1 | 12万円/kW ※2 | |
| 機能性PV ※3(上乗せ) | 機能性の区分に応じて、最大8万円/kW | ||
※1 3kWを超え3.6kW以下は一律36万円
※2 3kWを超え3.75kW以下は一律45万円
※3 機能性PVとは、「都市特有の課題の解消に資する機能を有する太陽光発電システム」として認定された製品を指す
自分が住んでいる地域で補助金や助成制度等がないかどうか、対象となるかどうかは、設置業者や自治体に必ず確認しましょう。
なお、補助金や助成制度には対象要件のほか予算枠、対象期間、締め切りなどがあります。機会を逸することがないように早めに十分な確認が大切です。
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太陽光発電は元を取れる? 電気代削減額・売電収入をシミュレーション

決して導入費用が安くない太陽光発電ですが、補助金や電気の利用方法などによって、大きな経済的メリットを得られるケースは少なくありません。
そもそも、住宅用の太陽光発電は、発電した電気をまずは「自家消費」し、つぎに余った分を電力会社に「売電」し収入を得る仕組みになっています。導入した場合、それぞれどのくらいのメリットが得られるのか、そして、元が取れる可能性があるのかを考えていきましょう。
自家消費で年間約7.1万円がおトクになる可能性あり
環境省のデータ6)から算出すると、5kWの太陽光発電を導入している住宅が年間で発電する電力量は全国平均で6515kWhです。また、そのうち35.2%(自家消費率の平均値)が自家消費に回され7)、1年間に自家消費する電力量は約2293kWhに上ります。
電力量料金は1kWhあたり31円(※)8)と仮定すると、年間の自家消費による電気代削減額は以下のように計算できます。
※電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません。
【電気代削減額(推計)】
年間の自家消費量 2293kWh
× 電力量料金単価31円/kWh
= 年間の電気代削減額 7万1083円
売電収入は平均年間約6.1万円になる可能性あり
自家消費と同じ条件で考えた場合、自家消費以外の割合が売電率に相当します。つまり、売電される割合は、発電量の平均64.8%です。年間にして約4222kWhを売電できることになります。
2025年度下期および2026年度認定の住宅用太陽光発電(容量10kW未満)の場合、FITの売電単価は1~4年目までが1kWhあたり24円、5〜10年目までが8.3円 9)ですから、年間の売電収入は以下のように計算できます。
<1〜4年目までの売電収入(推計)>
年間売電量4222kWh
× 売電単価24円/kWh
= 年間の売電収入10万1328円
<5〜10年目までの売電収入(推計)>
年間売電量4222kWh
× 売電単価8.3円/kWh
= 年間の売電収入3万5042円
【10年間の平均年間売電収入(推計)】
6万1556円
自家消費+売電収入で元が取れる可能性は高い
これを踏まえて、太陽光発電は元が取れるのかを考えてみましょう。
たとえば、東京都で新築住宅を建設するときに5kWの太陽光発電を導入したとします。設置費用の相場は144.5万円ですが、補助金として50万円(10万円/kW×5kW)がもらえますから、初期費用は94.5万円です。
上記はあくまでも概算ですが、最初の4年間は電気代削減額と売電収入の合計で年間17万2411円の経済メリットが生まれ、4年間で68万9644円となります。売電単価が8.3円になるその後は、年間で10万6125円の経済メリットとなるため、初期費用の94.5万円の元が取れるのは6年半程度の計算となります。
もちろん、補助金の有無で費用回収できる期間に差は出ますし、発電量は約束されたものではなく、地域差などもあります。そのため、期待しすぎは禁物ですが、近年は電気代も高止まりしているため、設置費用を回収できる可能性は十二分にあるといえるでしょう。
参考資料
6)環境省「令和3年度 再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び提供方策検討等調査委託業務報告書」P115
7)経済産業省 資源エネルギー庁「太陽光発電について」P85
8)全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」
9)経済産業省 資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 買取価格・期間等」
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10年前より手頃になった太陽光発電の設置費用
これまで年々下がり続けて、10年前に比べると、太陽光発電の設置費用はだいぶ導入しやすい金額になりました。また、電気代削減額および売電収入による経済的なメリットを考えれば、導入を検討する価値は十分にあります。
さらに、高額な初期費用を懸念されている方に対しても、リースやPPAといった初期費用ゼロ円で導入できる方法も増えています。環境面や防災面などのメリットやデメリットをしっかり理解して太陽光発電を改めて検討してみてはいかがでしょうか。
初期費用0円で太陽光発電や蓄電池を導入する方法
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