太陽光発電で使う蓄電池の仕組みとは? 電気が使えるまでを解説!

蓄電池 仕組み

蓄電池は、太陽光発電で発電した電気を蓄えて夜間や停電時に使用する際などに必要な設備です。電気の自給自足や自家消費に役立つため、今、大きな注目を集めています。この太陽光発電と蓄電池の導入を検討する際、両方を同時に設置したほうがいいのか、あるいは太陽光発電だけでもいいのか迷うことがあるでしょう。太陽光発電と蓄電池を同時に設置する仕組みや活用方法、メリットとデメリットを詳しく紹介します。

 

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太陽光発電の仕組み

太陽光発電

 

太陽光発電には、メガソーラーと呼ばれる大規模な事業用の設備から家庭用の小規模なものまでさまざまあります。この記事では、住宅の屋根に設置して電気を使用したり売電したりするための「住宅用太陽光発電システム」を中心にご紹介します。

まず、太陽光発電システムの仕組みは、大きく「電気をつくる(発電)」「電気を変換する」「電気を振り分ける」の3ステップに分けられます。この3つのステップを順番にみていきましょう。

第1のステップ「電気をつくる」では、ソーラーパネルで発電します。住宅用太陽光発電システムでは、屋根の上などによく設置されています。なお、ソーラーパネル、または太陽光パネルは、その構造を説明する際に「太陽電池モジュール」という言葉が使われます。

この太陽電池モジュールで発電された電気そのままでは家庭内で使うことはできません。というのも、私たちが普段使っている電気と発電された電気とでは、電気の性質が違うからです。太陽電池モジュールが発電した電気は「直流電流」ですが、家庭で使われる電気は「交流電流」です。そのため、発電した電気は、直流から交流に変換されて初めて家庭内で使えるようになります。これが第2のステップ「電気を変換する」です。

続いて、第3のステップ「電気を振り分ける」では、変換された電気が使用する家電などの機器に配られます。もし発電した電気を使いきれないときは、電線を通して電力会社へ売る(売電する)こともできます。

このように、太陽光発電と一口に言っても、その仕組みは電気をつくるだけにとどまりません。使えるように変換したり振り分けたり、余った分を売ったりとさまざまな仕組みによって構成されています。

 

 

太陽光発電システムに必要な機器とは?

太陽光発電システムの仕組み

 

太陽から降り注ぐ光エネルギーを電気エネルギーに変える「太陽電池モジュール(※図中A)」は、一般的には住宅の屋根などに設置されることが多く、近年では屋根と一体化したタイプもみられます。

太陽電池モジュールで発電された電気を直流から交流に変換するための装置として「パワーコンディショナー(※図中B)」があります。そして、太陽電池モジュールからはたくさんの配線が伸びていますが、それらを一本にまとめてパワーコンディショナーにつなげるものを「接続箱(※図中C)」(パワーコンディショナーの仕様などにより設置しない場合もあります)といいます。

パワーコンディショナーで交流に変換された電気は、ようやく家庭内で使える状態になります。続いて、「分電盤(※図中D)」で使用する家電などの機器に分けられます。一般的な住宅には、太陽光発電設備が設置されているかいないかに関わらず、分電盤が設置されています。停電するとブレーカーを上げて電気を復旧させると思いますが、あのブレーカーが入っている装置が分電盤です。分電盤は、電気を使い過ぎたり漏電したりするとブレーカーを落とし、安全を保つ重要な役割をもっているのです。

さて、発電した電気を使いきれなかった場合、住宅用太陽光発電システムを用いて余った分を電力会社へ売ることができます。電力会社へ売る電気の量や、電力会社から買う電気の量を計測する装置を「電力量計」や「スマートメーター(※図中E)」と呼びます。現在、設置が進められているスマートメーターでは、1台で売電する電力量と購入する電力量を計量することができます。

こうした装置のほかにも、発電量や売電量などを表示するモニターなどが家の中に設置されます。モニターでは、自宅の太陽光発電システムが発電した電気の量や、使っている電気の量などの確認やいろいろな設定などができます。

各機器の仕組み

太陽電池モジュールは「シリコン半導体」という半導体を使って光エネルギーを電気エネルギーに変えます。この反応は、太陽光が当たっているときしか起こりません。そのため、太陽光発電は雨天や夜間には発電できませんが、燃料を必要としない安全でクリーンなエネルギーだとされています。

太陽光発電仕組み

 

パワーコンディショナーは、発電された電気を、家庭で使ったり電力会社に売ったりできるように直流から交流に変換する役割に加え、万が一、電力会社の電気が停電した場合、安全のため電線への売電を自動的に停止する機能があります。また、電力会社から要請があった場合には、発電を抑制する「出力制御」を行う機能も備えています。1)さらに、停電した際に太陽光発電が稼働していれば、パワーコンディショナーのコンセントから電気を使用できる場合もあるのです(使用できる電力には限度があり、所定の操作が必要な場合があります)。

 

 

蓄電池の仕組み

蓄電池

 

蓄電池の役割は、その名のとおり電気を蓄えることです。住宅用太陽光発電システムと一緒に使うと、電気をつくるだけでなくいろいろなことができるようになります。たとえば、昼間に発電した電気を夜も使えるようになるため、電気を自給自足する割合を高めることにもなるのです。停電したときも、蓄えた電気を利用して普段の生活と近い暮らしができる可能性が高まるので、安心につながります。

蓄電池とは、化学反応によって、電気を蓄える充電や電気を使う放電を繰り返し行う装置のことです。このように何度も充電・放電できる電池は「二次電池」と呼ばれます。

この蓄電池の仕組みは、2つの電極と電解液で構成されています。正極(プラス極)と負極(マイナス極)の2つの電極の間を電子が動くことで、充電したり放電したりします。この電極や電解液の素材を何にするかによって、蓄電池の種類もさまざまに異なります。

家庭用の蓄電池は「リチウムイオン蓄電池」が主流になってきています。リチウムイオン蓄電池は、正極にリチウムを含む材料が使われていて、リチウムイオンを含んだ電解液を介して充電や放電を行うものです。これまでの蓄電池に比べると、エネルギー密度や出力、寿命の面で性能が優れていることが特徴です。小型化も進み、家庭用蓄電池や電気自動車などさまざまな製品に活用されている身近な蓄電池だと言えます。

家庭用もPC用も蓄電池の仕組みは同じ

もっとも身近なリチウムイオン蓄電池を使った製品といえば、ノートPCやスマートフォンでしょう。リチウムイオン蓄電池は、多くのエネルギーを蓄えられると同時に小型化が可能なのです。

実は、こうした電子機器に使われている蓄電池も家庭用蓄電池も、基本的には蓄電の仕組みは同じです。用途に応じて蓄電する容量を柔軟に変更することができる点も、リチウムイオン蓄電池の長所の1つだと言えます。このように、リチウムイオン蓄電池は私たちの身近なところでいろいろな製品として役立っているのです。

乾電池との違い

繰り返し充電・放電できる蓄電池は「二次電池」ですが、乾電池のように1回しか放電できない電池は「一次電池」といわれます。一次電池は使い切りであるのが特徴です。マンガン乾電池やアルカリ乾電池といった一次電池は、使っていくうちに電気が発生しなくなり、寿命を迎えてしまいます。

充電できるかどうかの違いがあるとはいえ、一次電池も二次電池も電気を発生させる仕組みは共通です。どちらも同じように、プラスとマイナスの電極と電解液で電気をつくり出します。しかし、乾電池などの一次電池は充電するための化学反応が起こりません。そのため、1回で使い切りなのです。

 

乾電池はなぜ「乾いた電池」と書くのでしょうか?

乾電池は1888年にドイツの科学者ガスナーによって発明されました。それまで使われていた電池は電解液がこぼれやすかったのですが、ガスナーがつくった電池は持ち歩いても電解液がこぼれないものでした。

そのため「乾いた電池」という意味で乾電池と呼ばれるようになりました(ちなみに、乾電池が登場する以前の電池は現在では「湿電池」と呼ばれています)。

 

太陽光発電と蓄電池は同時に設置したほうがいい?

太陽光発電システムと蓄電池は組み合わせて使うことができます。同時に設置したほうがよいかどうか、迷う人も多いかもしれません。そこで、どのようなケースに太陽光発電と蓄電池を同時に設置したほうがよいのかを説明しましょう。

自家消費したいならおすすめ!

太陽光発電と蓄電池

 

そもそも、太陽光発電と蓄電池を同時に設置するかどうかは、自宅の電気をどのように使いたいかやライフスタイルによって変わります。なるべく多く売電して収入を得たいという人もいれば、発電した電気は自分で使い、電力会社から買う電気を減らしたいという人もいるでしょう。つくった電気を効率よく自家消費したいなら、蓄電池を一緒に使うのがおすすめです。

その理由を説明します。太陽光発電は、太陽が上り始めると発電量が増え、太陽が沈むと発電しなくなるといった具合に、昼間に多く電気をつくります。ところが、私たちのライフスタイルは、太陽が出ていないときほど電気をたくさん使う傾向にあります。日中は仕事や学校などで家に人がいないのに対して、朝方や夜には家事などでたくさん電気を使っているのです。

このように、電気をつくるタイミングと使うタイミングがマッチしないケースでは、電気を蓄えておく蓄電池がなければ、せっかくつくった電気を十分に使うことができません。たっぷり発電しても、使わないまま電力会社に売ってしまうことになります。逆に、蓄電池があれば、時間を選ばずいつでもつくった電気を使うことができます。

つくった電気を使えなくても、売れればいいじゃないかと考える人もいるかもしれません。ですが、つくった電気を自分で使う「自家消費」には、電気代が安くなる可能性もあるのです。私たちが電力会社から買う電気は電力会社や料金プランにもよりますが、現時点で太陽光発電を始める場合、電力会社へ売る電気よりも単価が高いことが一般的です。つまり、電気を売るより使うほうがお得だと言えます。自家消費を増やして電力会社から買う電気を上手に減らすと、電気代の節約にもつながるのです。

 

蓄電池やV2Hなど、暮らしの電化リフォームについて詳しく知りたい方はこちら

▶︎こんな家にするにはHow much!? 快適&電化リフォーム事例&費用8例

 

太陽光発電の電気を蓄電する仕組み

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太陽光発電の電気を蓄電池に蓄える仕組みは、パワーコンディショナーや蓄電池のタイプによって異なります。たとえば、パワーコンディショナーには、蓄電池に直流の電気を送ることができるタイプとできないタイプがあります。同じように、蓄電池にも、直流で蓄電するタイプと、交流から直流に変換して蓄電するタイプがあります。また、蓄電池からの放電も直流タイプと交流のタイプがあります。

太陽光発電から蓄電池へ電気を蓄えたり、蓄電池から放電させたりするプロセスでは、直流から交流への変換はできるだけ少ないほうが、電気のロスを抑えることができます。最近は、さまざまなタイプのパワーコンディショナーや蓄電池が発売されていて、こうした変換ロスの少ないタイプの製品も登場しています。

蓄電池の導入を検討するときには、容量はもちろん、蓄電池で家全体の電気をまかなうのか、あるいは一部の家電だけでよいのかなども含めて検討することがおすすめです。どのようなライフスタイルを送りたいのかも重要なポイントになってきます。

同時に設置するメリット・デメリット

蓄電池のメリット・デメリット

 

政府の世論調査などでは多くの方が地震などの災害時の停電を心配していますが、蓄電池のメリットは、なんと言っても非常時の電源として活躍することでしょう。2)災害などで停電しても、機器が正常に作動すれば、一定の時間は自宅で電気を利用できるのです。もちろん、太陽が出ていれば太陽光発電システムで発電した電気を蓄えられる可能性もあります。
万が一、停電期間が長引いてしまっても、生活に必要な最低限の電気なら昼夜まかなうことができるかもしれません。

それだけでなく、活用の仕方によっては、光熱費の削減につながる可能性があることも蓄電池のメリットだと言えます。後ほど詳しく説明しますが、太陽光発電の自家消費や電気料金プランによっては、夜間の割安な電気を蓄えるなどして光熱費を抑えられるケースもあるのです。

一方で、住宅用蓄電池であるリチウムイオン蓄電池は、自治体などが補助金の対象としていることからもわかるように、決して安いものではありません。また、導入にかかるコストだけでなく、経年した後の交換コストなどまで含めて考える必要があります。補助金を活用したとしても、蓄電池を導入するのに必要な費用はまだ高いのです。

さらに、太陽光発電と同時に設置すれば、そのコストはさらに高くなってしまいます。こうしたコストの高さは、蓄電池のデメリットと言えるでしょう。国の調査によると、2019年度の工事費を含む蓄電システムの平均価格は、蓄電容量1kWhあたり18.7万円とされています。蓄電池がより普及するには、さらなる価格の低減が求められると言えます。3)

 

蓄電池のメリット・デメリットについて詳しくはこちら
▶︎太陽光発電に蓄電池は必要? 蓄電池のメリット・デメリットを解説【図解あり】

 

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まとめ

日本は今、2050年までに「カーボンニュートラル」を目指しており、住宅に太陽光発電や蓄電池を導入したいという方も増えてくるでしょう。こうしたエネルギーの自給自足の取組みが広がれば、日本のエネルギー自給率の低さの改善にもつながるかもしれません。また、新しい生活様式のようにライフスタイルの多様化にともなって、今後、住宅に太陽光発電を設置したいと検討する方も増えてくると思われます。

太陽光発電や蓄電池の導入を検討するときに重要なことは、まず、その仕組みを知ることでしょう。その上で、太陽光発電と蓄電池のように、一緒に導入することでよりメリットを得やすくなる機器の組み合わせについてもよく理解することが大切だと言えます。

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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