太陽光発電の1日の発電量は?季節・地域別の発電量、シミュレーション方法も解説

太陽光発電 発電量

自宅に太陽光発電を導入することを考えている方が最も気になるのは、「自宅に太陽光発電を設置した場合、どれくらいの発電量が見込めるのか?」ということではないでしょうか。確かに「太陽光発電を設置したけれど、期待したほど発電しなかった」ということになってしまっては大変です。この記事では、太陽光発電の1日の発電量の目安や、季節・地域別の発電量の違いをご紹介します。どのような条件が発電量に影響を与えるか理解して、太陽光発電を賢く、上手に取り入れましょう。

 

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コラム:東京都、新築一戸建てにソーラーパネル設置義務化

東京都は、2030年までにCO2(二酸化炭素)などの排出量を、2000年と比べて50%削減する「カーボンハーフ」1)を表明しており、取り組みを加速しています。その一環として今年5月に、戸建住宅を含む新築の建物にソーラーパネルの設置を大手住宅メーカーに義務付ける方針を固めており、2022年度中に条例を改正することを予定しています。2)(2022年6月3日現在)

 

1kWのソーラーパネルで発電できる量の目安は1日約2.7kWh!

太陽光発電 発電量

画像:Adobe Stock/deepblue4you

 

太陽光発電協会(JPEA)3)によると、住宅の屋根における太陽光発電の「システム容量」1kWあたりの年間発電量は、1000kWhが目安とされています。そのため、1日あたりの発電量の目安は、この1000kWhを365日で割って、約2.7kWhと算出することができます。

では、一般的な住宅用太陽光発電の1日あたりの発電量はどれくらいなのでしょうか? 一般家庭の太陽光発電で使われるソーラーパネルの多くは、システム容量が3〜5kW程度ですから、1日の発電量の目安は約8.2〜13.7kWhだと考えることができます。

なお、国のFIT制度(固定価格買取制度)を利用して、住宅用太陽光発電の余剰売電を行う場合、太陽光発電のシステム容量は10kW未満4)とされています。

注意したいのは、こうした発電量の目安は、様々な条件によって変動するということです。たとえば、発電量に大きな影響を与える日射量は、地域によって異なりますし、ソーラーパネルが南向きか東向きかといった方角によっても変わります。

実際に、JPEAも、前述した年間発電量の目安(1000kWh)を算出した条件について、「太陽電池を水平に対して30度傾け、真南に向けて設置した場合の計算例。地域や太陽電池の方位、傾斜角度により発電量が変わります」という注釈を添えています。そのため、ここで示した1日の発電量はひとつの参考値として考えるのがいいでしょう。

 

 

1日の発電量の推移

Adobe Stock画像:気球とロケット

画像:Adobe Stock/Eoneren

 

前提として、太陽の光を利用して電気を作る太陽光発電は、日が出ている間しか発電することができません。さらに、日射の強さによっても発電の量が変わるため、1日の中でも発電量は刻々と推移しています。

東京の日照時間を例に挙げて見ていきましょう。気象庁のデータ5)によると、東京の2021年の日照時間は年間2,089.8時間とされています。これを1日あたりで換算すると、平均で約5.7時間ということになります。

〈表〉東京の日照時間の月合計値(2021年の場合)

日照時間 日照時間
1月 172.4時間 7月 160.2時間
2月 214.9時間 8月 175.6時間
3月 193.2時間 9月 100.7時間
4月 218.5時間 10月 163時間
5月 150.5時間 11月 206.7時間
6月 131.6時間 12月 202.5時間
    年間の合計値 2,089.8時間

 

しかし、上の表にある月ごとの数値からわかるように、雨のシーズンにあたる6月、9月などは日照時間が比較的短い一方で、4月や11月といった春と秋の日照時間は長めになっています。

さらに詳しく見ていくと、1日の日照時間の中でも、日照の強さは時間帯によって異なります。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公表している日射量データベース6)で東京の5月の日射量が一番多い日のグラフを見ると、日射量のピークは正午であり、山なりのカーブを描いていることがわかります。

〈図〉東京都の5月の水平面日射量

〈表〉東京都の5月の水平面日射量

 

太陽光発電の発電量は、日射量にほぼ比例するように変動していきます。資源エネルギー庁が公表している、下のグラフ7)をご覧ください。地域や季節によっても異なりますが、晴れた日(黄グラフ)であれば、日の出とともに徐々に発電量が伸びていき、正午ごろにピークを迎えます。そして、日の入りに向かって発電量も段階的に減っていきます。

〈図〉太陽光発電の天候別発電電力量の推移

〈表〉太陽光発電の天候別発電電力量の推移

 

また、こちらのグラフでわかるように、太陽光発電の1日の発電量は、その日の天候によっても大きく変わります。晴天時の発電量は正午をピークに弓なりのカーブを描きますが、曇り・雨天時の発電量は少なく、特に曇りの日には不規則に変動することがわかります。

太陽光発電の発電量が天候に左右される理由は、太陽光発電そのものの発電の仕組みと深く関わっています。太陽光発電がどのようにして電気を生み出しているのか、より詳しく知りたいという方は、ぜひ下記の記事もチェックしてみてください。

 

 

 

ソーラーパネル1平方メートルあたりの発電量は?

Adobe Stock:太陽光発電ののった屋根

画像:Adobe Stock/imaginima

 

続いて、ソーラーパネル1平方メートルあたりの発電量を解説していきます。そもそも、一般的な住宅用ソーラーパネルは、1枚あたりのサイズが縦1.5m、横1m前後であるものが多いです。

また、1枚のパネルがどれくらい発電するのかの基準である公称最大出力は、メーカーや製品によって千差万別ではありますが、おおむね250~380W程度であることが多いようです。8)9)10)11)の4つのメーカーを参考に算出

これをパネル1枚あたりのサイズで割ると、一般的な住宅用ソーラーパネル1平方メートルあたりの発電量は概算で180〜220W程度になると思われます。

なお、この数値もあくまで目安と考え、具体的な発電量は各メーカーのWebサイトなどで確認することをおすすめします。また、ソーラーパネルメーカーの中には、Webサイトで簡易的な発電量のシミュレーションツールを公開しているので、後述します。

 

 

地域や季節によって発電量はどのくらい違う?

太陽光発電の発電量は、地域や季節によって大きく左右されることは、先ほど説明したとおりです。ここでは、全国の日射量と発電量が、地域によってどれくらい差があるのかを見ていきましょう。

地域別発電量の目安

〈表〉各地の年平均日射量と年間予想発電量(都道府県庁所在地の地域別発電量係数)

〈表〉各地の年平均日射量と年間予想発電量(都道府県庁所在地の地域別発電量係数)

 

上の表は、環境省が発表している「令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」12)から抜粋したものです。

この表では、年間の平均日射量と太陽光発電のシステム容量1kWあたりの年間予想発電量を、各都道府県の県庁所在地ごとに示しています。このデータからわかることは、当たり前ですが日射量が多い地域ほど多く発電する傾向にあるということです。

たとえば、年平均日射量が1平方メートルあたり4.17kWhと全国でもっとも多い山梨県甲府市の年間予想発電量は、システム容量1kWあたり1339kWhです。それに対して、日射量が同3.41kWhともっとも少ない秋田県秋田市の予想発電量はシステム容量1kWあたり1095kWhとなっています。

このように、地域によって日射量が異なることから、太陽光発電の発電量にも大きな差が出ることがわかります。

さらに細かく見ていくと、同じ地域内でも地形や方角、周囲の環境によって日射量が左右されます。紹介した地域別発電量も、あくまで目安として考えるのが望ましいでしょう。

季節別発電量の目安

太陽光発電の設置を検討している方が、しばしば誤解していることがあります。それは「太陽光発電は夏に最も多く発電する」ということです。地域にもよりますが、関東などにおいては夏よりもむしろ5月など春先から初夏にかけての方が多く発電するというデータも確認されています。

〈図〉小田原市役所に設置された太陽光発電システム(60kW)の月別の発電量と日射量のグラフ(令和3年4月~令和4年4月)

〈表〉小田原市役所に設置された太陽光発電システム(60kW)の月別の発電量と日射量のグラフ(令和3年4月~令和4年4月)

 

上のグラフは、神奈川県小田原市の市役所庁舎にある太陽光発電設備の発電量データ13)です。過去1年間を振り返ってみると、5月の発電量がピークとなっているのと比較すると、8〜9月の発電量が少なくなっていることがわかります。

では、なぜ日差しの強い夏の発電量がそこまで伸びていないのでしょうか。考えられる理由のひとつが、温度です。

ソーラーパネルの出力は、一般的なシリコン系の場合、温度が低いほうが出力がアップし、逆に高温の状態では出力が低下してしまうという特性があります。そのため、カタログなどに記載されている「公称最大出力」は、日本産業規格(JIS)という国家標準によって、温度や光などの条件を指定した「基準状態」で出力を掲載するように定められているのです。この「基準状態」では、ソーラーパネルの温度が25℃14) 15)の場合の出力を公称最大出力とするよう決められています。

したがって、ソーラーパネルの温度が25℃より低くなると、出力が公称最大出力よりアップすることがある一方で、25℃より高温になればなるほど、出力が少しずつ下がっていくとされています。

真夏など太陽が照りつけるようなときには、ソーラーパネルの温度が70℃を超えてしまうケースもあるとされます。こうした場合、ソーラーパネルの出力が低下してしまいます。そのため、太陽光発電は一般的に、十分な日射が期待できて、ソーラーパネルの温度が上がりにくい春から初夏の発電量が安定して高いと言えるのです。

その一方で、ソーラーパネルは冬の低温には強いと言われています。メーカーによっては、周囲の温度が-40℃14) 15)以上であれば動作するものもあるため、冬場でも日本のほとんどの地域で稼働することができると考えられます。

しかし、パネルの上に雪が降り積もってしまうと発電が妨げられてしまいます。うっすらと積もった雪もパネルが汚れている状態と同じようなものです。いくら晴れても雪がパネルの上に積もったままであれば、当然発電も行われません。また、冬場は日照時間そのものが短いこともあり、発電量全体は少ない傾向にあると言えるでしょう。

 

 

太陽光発電における発電量の算出方法

Adobe Stock:太陽光発電がのった屋根

画像:Adobe Stock/onfilm

 

太陽光発電を自宅に導入したいと考えている方は、発電量の算出方法を知っておくと便利です。システム容量は「出力容量」や「発電容量」とも呼ばれ、ソーラーパネルがどれだけ発電できるかを表す数値です。なお、単位はkW(キロワット)で表記されます。

また、kWhは「1時間あたりに得られる発電量」の単位であり、システム容量(kW)×時間(h)で算出されます。たとえば、1kWの出力で1時間使用したときの電力量が、1kW×1h=1kWhというわけです。

一般家庭の使用電力量の平均は?

Adobe Stock:空と電線

画像:Adobe Stock/yongphoto

 

東京電力グループでは、一般家庭の平均モデルとして1カ月あたりの平均的な使用電力量を、260kWh16)としています。これを1日あたりに換算すると約8.7kWhです。先ほどご紹介した、システム容量1kWの太陽光発電が1日に発電する量の目安が約2.7kWhとなることから、単純計算では使用電力量を上回るには約3kW以上の太陽光発電が必要ということになります。しかし、これは夜間も含めた合計ですので、太陽光発電が稼働する昼間の時間帯だけの使用電力量を考えれば、条件次第では3kW未満で全量まかなうことも可能かもしれません。

なお、余剰電力が出る場合は、蓄電池やEV(電気自動車)の大容量バッテリーなどに貯めておき、夜間や天気が悪い日に利用し自家消費率を高めることで、電気代の節約も期待できます。また、万が一、自然災害などで停電が発生したとしても、大切なライフラインである電気をしっかりバックアップしてくれるというメリットもあります。

なお、太陽光発電の導入には大きな初期費用がかかると思われていますが、サービスによっては初期費用を抑えることが可能です。詳しくは、以下をご覧ください。

 

太陽光発電を賢く導入する方法

少しでも太陽光発電のある暮らしに興味を持っているなら、東京電力グループが提供しているサービス「エネカリ/エネカリプラスがおすすめです。初期費用ゼロ円でソーラーパネルを導入できるうえ、設置からメンテナンス、保証もついているので、維持コストを含めて将来の家計を計画的に設計することができます。

エネカリ/エネカリプラス」について詳しく知りたい方は以下のサイト「でんきとの新しいくらし方」をご覧ください。



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※「エネカリプラス」は別途足場代等の費用がかかる場合があります。

 

 

ソーラーパネルメーカーのシミュレーションツールを活用しよう

太陽光発電量 シミュレーション

画像:Adobe Stock/ metamorworks

 

読者のみなさんの中には「実際に、自宅に太陽光発電を設置した場合の具体的な発電量が知りたい」と思われる方もいるかもしれません。前述したように、ソーラーパネルメーカーの中には、Webサイトで詳細なシミュレーションツールを公開している場合があります。

ここでは、その中から発電シミュレーションができる3社のWebサイトを抜粋してご紹介します。居住エリアやパネルの設置方法など細かい条件で発電量が算出できますので活用しましょう。

しかし、発電量は地域や方角、傾斜といったさまざまな条件によって大きく左右されます。より詳しい発電量を把握したいという方は、信頼できる業者に依頼して算出してもらうのがおすすめです。

 

主なシミュレーションサイト

■京セラ
太陽光発電・蓄電システムシミュレーション

■Panasonic
エネピタ

■シャープ
発電量シミュレーション

 

発電量に影響を及ぼす条件を知って、賢く検討を!

太陽光発電がのった屋根

画像:Adobe Stock/Cindy Shebley

 

発電量は日射量によって変動するため、地域や季節などによって大きく異なることがわかりました。太陽光発電の導入を検討する際には、こうした変動要素をあらかじめ知っておくことが、スムーズな検討のポイントと言えるかもしれません。

また、ソーラーパネルメーカー各社が公開しているシミュレーションツールを使うのも、自宅のおおよその発電量を把握する上で参考になると考えられます。こういった便利なツールも活用しながら、太陽光発電を上手に取り入れるように心掛けましょう。

なお、発電量のイメージが掴めたら、導入方法についても検討することをおすすめします。太陽光発電は一括購入もできますが、初期費用を抑えつつ、月額使用料を支払う形でメンテナンス等の保証がついたサービスを選ぶことも可能です。自分のライフスタイルと家計に合った太陽光発電の導入方法を選ぶようにしましょう。

 

太陽光発電を賢く導入する方法

少しでも太陽光発電のある暮らしに興味を持っているなら、東京電力グループが提供しているサービス「エネカリ/エネカリプラスがおすすめです。初期費用ゼロ円でソーラーパネルを導入できるうえ、設置からメンテナンス、保証もついているので、維持コストを含めて将来の家計を計画的に設計することができます。

エネカリ/エネカリプラス」について詳しく知りたい方は以下のサイト「でんきとの新しいくらし方」をご覧ください。



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※「エネカリプラス」は別途足場代等の費用がかかる場合があります。

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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