RAV4 PHVは楽しく、力強い!日常から災害時まで頼れる実力

RAV4 PHV

近年のクルマ市場におけるトレンドといえば、SUV。各社ラインナップを拡充しているなかで、トヨタのRAV4 PHVは充電機能と使い勝手のよさを備えた選択肢として、発売以来大人気です。等身大の目線に定評のあるモータージャーナリストのまるも亜希子さんが、その実力をレポートします。

はからずも扉が開いてしまった、ニューノーマルの時代。私たちに必要なのは、どんな状況でも生き抜くためのタフなメンタルと身体能力、エネルギーをマネジメントするための頭脳とギアだと考えられます。

車とまるも亜希子さん

それはきっと、クルマも同じではないでしょうか。見るからにタフなSUVでありながら、充電によって走ること以外のメリットもたくさん手にしたトヨタ・RAV4PHV。さっそくその実力をレポートしたいと思います。

 

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●Check1:エコノミカル

ガソリンとのハイブリッド。しかし電気だけで約100km走行可能

普段はバッテリーに蓄えた電気の力で走行し、ガソリンを1滴も使わずに最大95kmの距離を走ることができる、RAV4 PHV(プラグインハイブリッド)。バッテリー容量が約18kWhと PHVとしては異例の大きさがなせるわざです。また、自宅や街中に設置された100V・200Vの普通充電器で充電できるので、繰り返し充電すれば電気だけで走行できますが、もし走行中にバッテリーがカラになってしまったとしても、エンジンが発電することで走りながら充電することも可能。これが、EVともハイブリッド車とも違うPHVの魅力です。そして使い方次第で出費を抑えることもできるため、家計にも嬉しいところです。

車体のマーク

急速充電には対応していないため、自宅で充電するのがメインとなります。自宅で充電する場合の電気代は、1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の公表情報参照)と考えると、500km走行するのに約2400円となります。ガソリン代と比べるとかなりランニングコストが抑えられますね。さらに太陽光発電を取り入れたり、電気を賢く使う習慣をつけたりすることによって、家計だけでなく地球環境にも貢献できるのが魅力です。

タイヤ

また、PHVの場合、ガソリンでも走行できるため、外出先で充電器を使う機会は少ないとは思いますが、メーカーが用意する「EV・PHV充電サポートカード」に入会すると、全国どこの充電器でもキャッシュレスで利用可能。カードの発行手数料は1650円で、基本料金が月額1100円(税込)で普通充電が使い放題の「定額プラン」と、基本料金なしで普通充電1分2.75円(税込)を都度払いする「従量プラン」があります。メーカーによれば、200Vの普通充電だと約5時間30分で満充電になり、月2回以上外出先で満充電にする人は「従量プラン」よりも「定額プラン」の方がおトクになるそうです。

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●Check2:プライス

補助金を活用することで、割高なPHVモデルもおトクに

RAV4 PHVは、エントリーグレードの「G」が469万円、装備が豊富に揃う「G Z」が499万円、内外装もオシャレにグレードアップした「BLACK TONE」が539万円と、3つのグレードがあります。

実はPHVのほかに、274万3000円からのガソリンモデルと、334万3000円からのハイブリッドモデルがあるので、比べるとちょっと割高に感じてしまうかもしれません。でも、RAV4 PHVはクリーンエネルギー車(CEV)の補助金の対象となっており、各々の補助金交付条件を満たしていれば、国の補助金の場合、環境省なら40万円、経済産業省なら30万円、東京都の場合は都独自にさらに45万円(環境省補助併用時は60万円)も交付されます。

また、購入時と1回目の車検にかかる重量税が免除されるほか、購入翌年度の自動車税が75%減税です。また65歳以上であれば、対歩行者衝突被害軽減ブレーキ機能とペダル踏み間違い急発進抑制装置機能がついた車両が対象となる「サポカー補助金」で最大10万円が補助されますので、活用したいですね。

RAV4 PHVの前方

RAV4 PHVは発売と同時に完売するほどの人気モデルで、長らく受注を休止していたのですが、つい先日ようやく受注を再開。ただし生産台数は月300台と少ないので、早めの検討をオススメします。

 

 

●Check3:ユーティリティ

遊び心あるインテリア。さらにコンセントでの外部給電も可能

車の中

ブラックで統一された上質感のあるインテリアの中にも、オレンジのステッチや収納ポケットの底にタイヤのトレッドパターンがデザインされているなど、さりげなく遊び心が見て取れるRAV4 PHV。小物がサッと置けるオープントレイや、荒れた路面でも安心のホールド性の高いドリンクホルダー、リラックスして座れるシート、大きなアームレストにもなるコンソールボックスなど、実用性とともにおもてなし機能が高いのも大きな魅力です。

トランク

とくに後席は、ゆったりとした足元や頭上の余裕はもちろん、背もたれのリクライニングができ、シートヒーターも標準装備。高遮音性ガラスの採用で静粛性も高く、ロングドライブも快適な空間となっています。そしてラゲッジは、ほぼスクエアに大きく開く開口部で、後席使用時でも490Lの大容量。奥行きは通常でも996mm、6:4分割が可能な後席を倒せば1855mmまで広がり、フラットで大きな荷物も積みやすいスペースが確保できます。

車のコンセント

また、給電機能も充実しています。車内のラゲッジにはAC100V・1500Wのコンセントがあり、さらに「ヴィークルパワーコネクター」という車体側面にある充電口からAC100V・1500Wのコンセントが使えるようになる給電機器も標準装備されています。車外で電化製品を使用する場合にも、ドアや窓を開けておく必要もなく、クルマも施錠できるのでとても便利ですね。電気ポットや炊飯器、電子レンジや電気ストーブといった家電がアウトドアでも使えるので、キャンプに行っても、もう火起こしの煩わしさや、寒さに震える辛さとも無縁。レジャーの楽しみ方が広がります。

●Check4:エモーショナル

新型PHVシステムは、実用性ではなく楽しさを重視

RAV4 PHVに搭載されている、新開発のプラグインハイブリッドシステム「THS Ⅱ Plug-in」で最も重視されたのは、燃費でも航続距離でもなく、実は「走りの楽しさ」だったといわれています。大容量の新開発リチウムイオンバッテリーを床下中央に搭載し、前後輪に1つずつモーターがあり、メインとなるフロントモーターは182psの高出力。54psのリヤモーターが必要に応じて駆動をアシストするのですが、そのモーターだけの加速性能でも、2.0Lターボエンジンに相当するパワフルさなのです。

走行写真

そのすごさは、信号待ちから発進するだけでも、瞬時に猛烈な加速フィールが得られることで体感可能。そのままなめらかで伸びやかな加速が続き、そこにSUVらしいドッシリとした安定感も加わります。0-100km/h加速が6.0秒という、豪速球のようなスポーティでパワフルな加速は、一度味わったらやみつきになりそう。さらに、後輪をモーターによって駆動するE-Fourと呼ばれる4WDシステムが、オフロードや雪道などでも実力を発揮。そんな頼もしさがあるのもRAV4 PHVならではです。

車の後方

 

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●Check5:ハウスベネフィット

自宅に充電器はマスト。遠隔操作もOK

RAV4 PHVの充電口は、右リヤフェンダーに設置されています。左リヤフェンダーはガソリンを入れる給油口です。これから自宅に充電器を設置する場合には、使いやすい位置を考慮するといいですね。充電ケーブルは、200V用と100V用が標準装備されています。ディスプレイオーディオ画面やマルチインフォメーションディスプレイから、普通充電の開始時刻などを設定できるほか、スマホアプリ「My TOYOTA」を使うと、次回予約の変更や、遠隔操作で充電を行うことができて便利です。

給電中

また、RAV4 PHVでは道なき道を走れる4WD性能を持つ特徴を生かして、都市部よりはキャンプ場や災害支援などで有効活用してほしいというメーカーの想いから、V2Hには対応せず、コンセントによる外部給電を利用できるようにしているそうです。

毎日の相棒からもしもの備えまで。頼もしさと安心感のある一台

EV走行だけでもクラストップレベルの最大95km、ガソリンと合わせると最大1300kmの航続距離を実現していること。ハイブリッドモデルよりも高出力化され、スポーツカー並みの俊足と機敏な運動性能を手にしていること。そして、いざとなればオフロードも雪道も安心して走れる4WD性能を持っていること。これらがすべて揃うと、こんなにもワクワクするのだと、あらためて感じさせてくれた1台です。

RAV4 PHV

いつでもどこでも1500Wの電源があると思うと、これまで躊躇していたことにもチャレンジできそうな勇気がわき、この先万が一災害が起こったとしても、生き残れそうな頼もしさと安心感があります。毎日の相棒として、人生のサポーターとして、誰にでもオススメできるのがRAV4 PHVです。

●家庭と暮らしのハマり度 総合評価

総合評価

 

 

※本記事の内容は公開日時点の情報となります。

 

この記事の監修者
まるも 亜希子
まるも 亜希子

カーライフ・ジャーナリスト。映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツに参戦するほか、安全運転インストラクターなども務める。06年より日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」代表として、経済産業省との共同プロジェクトや東京モーターショーでのシンポジウム開催経験もある。