加藤恭子(仮名)さんは夫の雄二(仮名)さんとの2人暮らし。すでにそれぞれ1台の車を所有する夫妻ですが、2022年に新登場した日産の軽EV・サクラがこのほど加わりました。車好きの雄二さんが熟考中に、恭子さんがサクラに一目惚れしたことで、急に始まった2人のEVライフについて、お話を伺いました。
【プロフィール】加藤恭子さん(仮名)
家族構成 | 2人家族(夫婦) |
お住まい | 神奈川県 |
住居環境 | 集合住宅 |
車種 | 日産・サクラ(20kWh) トヨタ・アクア ホンダ・N-BOX |
導入設備 | 普通充電器 |
EV LIFE Check1:軽EVを選んだ理由
試乗会で乗り心地に妻が一目惚れ
ーー日産・サクラは、どんなきっかけで購入したのですか?
恭子さん:もともと電気自動車(EV)に興味を持っていたのは、夫のほうだったんです。けれど、試乗会に参加してみたら、乗り心地が素晴らしくて。これは購入するしかない! と即断。その場で購入を決めました(笑)
雄二さん:カーボンニュートラルやガソリン車の新車販売禁止といったニュースから察するに、いずれはEVに乗り換えることになるだろう、と。そのため、車種をはじめ、自宅や周辺の充電環境まで下調べをしていました。とはいえ、夫婦それぞれ1台ずつ車を所有していますし、太陽光発電やEVの蓄電池化を視野に入れると、集合住宅に住んでいる今ではないと考えていました。それなので、妻が購入すると言い出したときにはびっくりしましたね。
恭子さん:私は普段から軽自動車に乗っていて、実は買い替えたばかりなんです(笑) でも、サクラは走行中に非常に静かで、加速もスムーズで惚れ込んでしまって。思ったよりも早く納車してもらえましたし、ナンバープレートも希望のものがとれて、大満足の買い物となりました。
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EV LIFE Check2:サクラの使い勝手と魅力
充電ポイントを押さえれば、軽EVは長距離ドライブでも活躍
ーーサクラは、どんな場面で活躍していますか?
恭子さん:最近、2人で出かけるときは、ほとんどサクラです。買い物やジム通いなどの普段使いはもちろん、長距離旅行でも使い勝手は抜群です。
雄二さん:エンジン車だけのときは、短距離の運転はエンジンに悪いと考え、近所なら車ではなく自転車を使うようにしていました。でも、サクラは加速がスムーズなので、運転するのが楽しい。以前だったら自転車で行っていた近所でも、思わずサクラに乗ってしまっています。まだ長距離ドライブは1回だけなのですが、9月の納車から3ヵ月ほどですでに走行距離は2300kmです。
ーー軽EVでの長距離ドライブ、不便はありませんか?
雄二さん:旅行のときには、複数の充電スポットを事前にチェックするようにしています。サクラは満充電でも航続距離は200kmいかない程度なのですが、意外に長距離でも不便さを感じていません。先日、千葉まで妻の誕生日の前祝いで旅行に出かけました。
片道200kmほどの距離だったのですが、往路ではちょうど目的地までの中間地点にあるアウトレットパークで昼食や買い物をしている間に普通充電をしました。2、3時間で60%ほど残っていたところを90%以上になるまで充電できたのですが、その後目的地の3km手前で充電切れという計算になったので、目的地周辺でも急速充電をしました。
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EV LIFE Check3:購入・維持コスト
補助金でおトクに購入。維持コストは微かなもの
ーー購入や維持のコストはどのくらいですか?
雄二さん:最上位の「G」グレードにしたので車体が300万円ほど、自宅に設置した普通充電器が10万円ほどでした。県や市の補助金は終わっていたのですが、国のCEV補助金には間に合って、55万円ほどの補助を受けることができました。
ーー集合住宅にお住まいですが、自宅の充電器設置はスムーズに進みましたか?
雄二さん:充電器の設置については、下調べをしている段階で、不動産会社経由で大家さんに問い合わせました。「退去時に元通りにしてもらえればかまわない」とあっさり了承してもらえて、面倒なく契約書を作成することができました。
恭子さん:日頃の充電は、よく行くショッピングセンターなどでしています。夫がジムや買い物などの間に2日に一度以上は充電してくれていて。それなので、自宅にも充電器はありますが、そんなに使用していません。EVには電気代高騰のリスクもありますが、すでに所有しているガソリン車に比べれば、今のところ走行コストはかかっていない状態ですね。
雄二さん:ただ、電気代をよりおトクにするためにも、災害対策のためにも、いずれは太陽光発電やV2Hの活用も、と考えています。
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EV LIFE Check4:乗ってわかったEVおすすめポイント
エンジン車よりも断然静か。運転がストレスフリーに
ーー乗ってみてわかったエンジン車との違いはありますか?
雄二さん:環境保全の観点からEVの購入を検討していたのですが、運転してみて、エンジン車とのパワーの違いにびっくりしました。エンジンの回転数を上げて加速するエンジン車は、スピードが出るまでにタイムラグがありますが、EVは最初から一定に加速します。EVの加速を体感して初めて、エンジン車の加速にストレスを感じていたことを実感しました。
恭子さん:サクラの最上位グレードには、高速道路の運転時にアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする「プロパイロット」が付いているのですが、これが非常に便利。しかも、速いのに静かだから、長距離でも全然疲れないんです。
雄二さん:運転する人も乗っている人も両方とも楽な機能だと思います。軽自動車で高速を走ると、エンジン音で知らず知らずのうちにどうしても声を張って話していたことにもEVに乗って気づいたことのひとつでしたね。
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街暮らしにぴったりの軽EV。車好きを満足させる実力も十分
加藤さん夫妻のお話から見えてきたのは、EVの快適さでした。街中の移動に便利で、小回りが利く軽自動車が女性に愛される理由は明白ですが、サクラにはパワーやスピードにこだわる男性も満足させる魅力があるようです。
なかには車体が小さいと長距離走行が不安という人もいるかもしれませんが、実際に旅行に出かけた加藤さん夫妻の感想を伺うと、充電への不便もあまり感じず、快適なドライブとなったようです。夫婦2人暮らしに合う選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。
【過去の記事はこちら】
「連載:EV REAL LIFE 〜EVオーナーに直撃インタビュー〜」