【連載:オーナーズ世論調査Vol.5】EVユーザーの実態をアンケート調査から紐解く本企画。今回のテーマは「EVの活用度」について。EVオーナーのみなさんは電気自動車(EV)をどのくらい使いこなしているのでしょうか?
移動用だけではなく、自宅の蓄電池代わりや外出先での電源としても使えるのがEVの特徴です。車種によって多様な使い方ができますが、EVオーナーのみなさんはその機能を一体どこまで活用できているのでしょう。
そこで、EVユーザー179人を対象にEVの活用度を調査してみました(調査方法/アンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWebアンケート方式で実施)。
EVの活用度を自己採点。50点以上が多数派!
本調査では「車としても、バッテリーとしても活用し尽くしている=100点」「ある程度活用できている=50点」「車としても、バッテリーとしても全く活用しきれていない=0点」を基準として、0~100点の1点刻みで採点してもらいました。
EVの活用度を50点~74点と自己採点した人が45.8%でもっとも多いという結果になりました。EVの活用度が50点以上の人はほぼ9割と、大多数の人が「ある程度使いこなしている」ということがわかりました。
高得点をつけた人はバッテリー活用をしている傾向に
続いて、アンケート回答者に対して、その得点をつけた理由を答えてもらいました。まずは高得点をつけた人のコメントを見ていきましょう。
■100点をつけた人のコメント
「長距離ドライブに十分に活用しており、他の製品の充電にも使用している」(53歳男性・神奈川県/100点)
「太陽光発電と併用している」(38歳男性・栃木県/100点)
「EVを購入してから遠出することが増えた」(26歳女性・千葉県/100点)
100点をつけた人は、EVをバッテリーとしても活用していることを採点の理由にするケースが多いようです。また、近距離だけではなく、長距離ドライブにもEVでの運転を楽しみ、「ライフスタイルが変わった」という実感を得たことが高得点の理由になっている人もいました。
■75〜99点をつけた人のコメント
「V2Hとともに有効に活用しています」(65歳男性・長野県/99点)
「キャンプで使える」(23歳女性・香川県/95点)
「通勤によく使っているから」(33歳女性・香川県/80点)
100点同様にバッテリーとして活用している点を高得点の理由に挙げている人が少なくありませんでした。一方でキャンプや通勤など、EVを購入した目的でしっかりと使いこなしていることで「よく活用している」と実感している人が多いのが特徴です。
■50〜74点をつけた人のコメント
「そこまで多用をしていないから」(34歳女性・千葉県/70点)
「通勤と近くのコンビニへの買い物専用として、100%目的は達成している」(60歳男性・滋賀県/70点)
「車としては大いに活躍できている。ただし、V2Hなどがないので外部の電力としては使用できていない」(49歳女性・大阪府/60点)
50~74点をつけた人の多くがバッテリーとして活用できていないことを採点の理由に挙げていました。普段使いの車としては、十分に目的は達成しているものの、”動く蓄電池”としての機能を十分に活用できていない点が理由となっているようでした。
50点未満をつけた人の理由は?
次に得点が低かった約10%の人たちのコメントを見ていきましょう。
■0〜49点をつけた人のコメント
「特にない」(41歳男性・北海道/45点)
「特に活用していないが、災害対策には少し貢献するかもしれない」(69歳男性・千葉県/30点)
「走行でしか使用していない」(67歳男性・宮城県/0点)
「EVに蓄電して、電気製品を使うようなことはしていない」(62歳女性・埼玉県/0点)
「特にない」という回答がもっとも多く、車としてしか使っていないため低い点をつける人も少なくありませんでした。これは、質問の仕方が曖昧だったため、意図を誤解して採点している可能性もあると考えられます。
バッテリーとしてもEVを使いこなせれば、活用度も満足度も上がる!
今回の調査では、バッテリー機能を使いこなしていない人はどうしても自己採点が厳しくなってしまう傾向がありました。ガソリン車に比べて、多機能であるからこそ、「もっと使いこなしたい!」という気持ちが湧いてくるのかもしれません。今後、EV購入を考えている人は、バッテリーとしての活用法も考えた上で環境を整えると、EV活用度100点に近づきそうです。
【あわせて読みたい記事】
▶︎EVオーナーの本音とEV利用の実情がわかる連載「EVオーナーズ世論調査」