太陽光発電のメリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説!

太陽光発電メリット・デメリット

太陽光発電(10kW未満)を設置している戸建住宅は2019年度末時点で267万戸を超え、普及率は全戸建住宅の9%にも及びます。カーボンニュートラルで持続可能な社会に向けて、太陽光発電は今後も増え続けていくでしょう。

太陽光発電には、環境面はもちろんのこと、コストやライフスタイル、停電時の安心といった多様なメリットがあります。だからこそ、これだけ導入が進んでいるといえるでしょう。

ただし、太陽光発電には、導入時やメンテナンスにかかる費用などのデメリットもあります。設置後に後悔することがないように、あらかじめメリットとデメリットの両方について理解し、納得しておくことが大切です。

本記事では、太陽光発電のメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
※メリット・デメリットにはさまざまな見方があります。EV DAYS編集部として考えるものを記載しておりますのでご了承ください。

 

太陽光発電の仕組みを基本から知りたい人はこちら
▶【図解つき】太陽光発電の仕組みを初心者向けにわかりやすく解説!

 

 

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太陽光発電システムを自宅に設置するメリット

住宅用の太陽光発電では、ソーラーパネルだけでなくパワーコンディショナーや架台など運転に必要な機器類からなる「太陽光発電システム」を戸建住宅に設置します。一部、マンションの屋上などに設置している物件もありますが、ここでは、戸建住宅へ設置した際を念頭に置いて解説していきます。

二酸化炭素排出がなくエコロジー

太陽光発電 メリット

 

太陽光発電のメリットは、なんといっても優れた環境性にあります。太陽光発電とは、太陽光を電気に変換するシステムですから、発電時に二酸化炭素を排出することがありません。

日本のエネルギー源は、その多くが海外から輸入される化石燃料です。電気についても、74.9%が化石燃料を燃やすことで発電する「火力発電」で作られています(2020年の割合)。火力発電を行うと、燃焼の過程で二酸化炭素が排出されます。そこで、電気を供給する電力会社は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの拡大などの取り組みを進めているのです。一方で、電気を利用する側の取り組みも大切です。家の断熱性能を高めたり、省エネ性能の高い電化製品への買い替えをしたりすることで、エネルギー消費量を減らすことができるでしょう。加えて、二酸化炭素を排出しない太陽光発電を自宅に設置して自ら使用する電気をまかない、余ったときは売電すれば、よりエコロジーな暮らしにつながります

自家消費で電気代がおトクになる

太陽光発電メリット

 

太陽光発電システムを導入している平均的な家庭で試算すると、年間48,308円相当の電気代がおトクになります。

自家消費」とは、発電した電気を自宅で使用することです。住宅用の太陽光発電では、発電した電気を「自家消費」して、余ったら電力会社に「売電」し収入を得ることができます。

太陽光発電を利用している住宅が年間で発電できる電力量は、全国平均で6,075kWh(5kWのシステムを導入した場合の推計)です。そのうち30.6%(※平均的な自家消費率)が自家消費に回されているとすると1年間に自家消費する電力は1,858kWhとなります。これは、電気代で考えると48,308円相当です。あくまでも一例ですが、試算上、1年あたり48,308円相当の電気代を節約できていることになるのです

 

【節約できた電気代(推計)】
年間自家消費量1,858kWh
× 電気単価26円/kWh(※)
= 年間電気代節約額48,308円相当
(※東京電力 従量電灯Bプラン 第2段階料金単価〈小数点以下切り捨て〉で計算)

 

ただし、これは平均的な家庭のケースです。実際にいくらおトクになるのかは、電気料金プランや電気の使い方、設置する太陽光発電システムの容量、種類などによって変わります。それぞれの家庭における効果については、太陽光発電システムの設置業者に相談するなどしてシミュレーションしましょう。

 

 

売電収入を得られる

売電収入とは、電気を電力会社に売ることで得られる収入です。

基本的に、電気は使用量に合わせて発電しており貯めておくことができません(一部は揚水発電や商用系統の蓄電池など他のエネルギーに変換して蓄えられています)。そのため、太陽光発電設備だけでは「昼間に太陽光発電で発電した電気を取っておいて夜に使う」ということはできないのです。

そこで、住宅の太陽光発電で発電した電気を自家消費した後、余りが出たときに「余剰電力」を電力会社が買い取る「売電」という仕組みがあります。なお、この買い取りの仕組みはFIT制度(固定価格買取制度)という名称で、太陽光発電導入時に電力会社と系統連系の契約をしたり、国の認定等の手続きをしたりすることで利用できます。

売電の価格は、家庭用(容量10kW未満)の太陽光発電の場合、1kWhあたり19円(2021年度に太陽光発電を設置した場合)です。設置から10年間は固定価格での買い取りが保証されます。

 

 

災害時の停電対策になるので安心

istock画像 太陽光発電メリット 停電

画像:iStock.com/jacoblund

 

私たちは、日々の生活を送る上で多くの電化製品を利用しています。洗濯機やエアコン、掃除機などのほか、生活に必要な機器の多くは停電になると使えなくなります。また、スマートフォンやパソコン、テレビなども電気で動いているため、停電になると情報を得ることが難しくなる恐れがあります。

その点、太陽光発電システムを導入しておけば、設備に異常がなく発電している間は、停電時にも電気を使うことができますから安心です。ただし、電気を無制限に利用できるわけではない点には注意しましょう。また、太陽光発電システムによっては、停電時に切り替え操作が必要なものと、自動的に切り替わるものがあります。あらかじめ確認が必要です。

さらに、昼間、太陽光発電で作った電気を有効に活用すれば、災害などによる停電時でもスマートフォン・パソコン・タブレットやランタン、ロボット掃除機、コードレス掃除機などの充電や、オーブンレンジでの調理などが可能です。停電時にガスや水道が止まっていなければ、ガス給湯機も利用できます。普段の暮らしに少しでも近い生活を送れるので安心です。

太陽光発電システムを導入したら、もしもの時のために取扱説明書を確認し、切り替え操作の方法や使用できる電化製品をあらかじめ把握しておきましょう。長めで差込口の多い延長コードを準備しておくのもおすすめです。また、掃除機などの電化製品を買い替えるときに、太陽光発電と相性のよい充電式を検討対象に入れるといった工夫をするのもよいでしょう。

エコキュートを導入して光熱費全体を安くできる

エコキュートとは、空気の熱で効率よくお湯を沸かすヒートポンプ式給湯機のことで、一般的には夜間の電力を利用します。

お風呂や台所、洗面所などのお湯はガス・灯油で沸かす瞬間式が一般的です。そのほか、電気を使用するヒーター式もありますが、これらに比べて少ない消費電力でお湯を沸かせるエコキュートを導入し、他の電化製品とともに太陽光発電を利用することで、光熱費を大幅に削減できるでしょう(削減幅は天候や他の電化製品の使用状況などによって異なります)。

昼間の電力を利用する新型のエコキュート「おひさまエコキュート」の仕組みと、光熱費をおトクにする方法は以下のサイト「TEPCOの新電化生活」で詳しく解説しています。

 

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蓄電池を導入して太陽光発電の自家消費を増やそう

「蓄電池」は、電気を貯めておくためのシステムです。先程「太陽光発電で発電した電気は貯めておけないので余りを売電する」と説明しましたが、蓄電池を併用すれば、売電する分を減らし、その分自家消費を増やすことが可能です。

昼間、太陽光発電で発電した電気のうち、使わなかった分を蓄電池に蓄えておき、発電のできない夜間などに利用すれば、電力会社から購入する電気の量を減らすことができるでしょう。

また、蓄電池に蓄えた電気は災害による停電時に利用することもできますから、太陽光発電設備とセットで設置することで、より充実した災害対策にもつながります。

蓄電池にはそれ以外にもさまざまなメリットがあり、以下で詳しく解説しています。

 

蓄電池のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちら
▶︎太陽光発電に蓄電池は必要? 蓄電池のメリット・デメリットを解説【図解あり】

 

設置に補助金等が利用できる可能性がある

行政でも再生可能エネルギーの普及拡大を推進しているため太陽光発電システムの設置について補助金等の支援制度を利用できる可能性があります。まずは施工業者への相談や行政への問い合わせ、インターネットでの検索などで確認してみましょう。

なお、省エネリフォームと同時に太陽光発電設備を設置する場合、工事内容によっては所得税の控除の対象となる可能性もあります。他の工事とあわせて実施する場合の支援制度も含めて確認してみましょう。

 

太陽光発電システムを自宅に設置するデメリット

メリットもある太陽光発電システムですが、デメリットや注意すべき点もあります。太陽光発電システムのデメリット等について、解決策とあわせて解説します。

設置場所が必要

太陽光発電を行うためには、まず、ソーラーパネルの設置場所の確保が必要です。

多くの場合、住宅用の太陽光発電システムは、戸建の屋根の上に設置します。新築時であればあらかじめソーラーパネルの設置を想定して住宅設計ができますが、既設の戸建住宅の場合、屋根の構造や向きによっては設置できない可能性があります。

設置コストが高い

2021年における住宅用の太陽光発電システムの設置費用は、84万円(3kW)~140万円(5kW)といわれています。

もちろん、これは目安であり、購入するメーカーや住宅の条件によって費用は異なります。また、行政の補助金が活用できる場合は、その分コストを下げられます。さらに、太陽光発電システムの価格は下降傾向(至近の経済情勢で価格が上昇している可能性があります)にあるため、以前よりは手が届きやすい価格になっているといえるでしょう。

とはいえ、設置コストの負担は必要です。一括払いやローンなど、費用負担の選択肢はいくつかありますから、検討してみてください。

 

 

メンテナンス(作業・部品交換など)が必要

太陽光発電 メンテナンス

 

太陽光発電システムは、一度設置すれば発電性能はずっと変わらない、部品交換や点検もいらないということはなく計画的なメンテナンス(定期点検作業・部品交換など)が必要です。

ただし、太陽光発電システムの主な機器であるソーラーパネルは、メーカーの性能保証期間を見ても、かなり長期間利用できると考えられます。一方、パワーコンディショナーはソーラーパネルより短い期間で交換が必要と考えておいた方がよいでしょう。

メンテナンスについては、作業内容により取扱説明書を見ながら設置者自身で実施可能なものと、電気工事に関わる場合など有資格者・専門業者に依頼すべきものがあります。設置する際に、メンテナンスも含めて設置業者に相談するなどするとよいでしょう。

屋根への設置工事の注意点

太陽光発電のソーラーパネルは、主に屋根に固定します。屋根は住宅の重要な部分ですから、万一にも雨漏りにつながるようなトラブルがないように注意が必要です。また、ソーラーパネルの屋根への荷重や風圧についての問題もあります。

このような問題を回避するために、最も重要なのは施工スキルや保証といった面で信頼できる施工業者を選定することです。屋根の状況によっては設置できない場合もありますから、入念な現地調査をもとに提案してくれる業者を選びましょう。あわせて、業者から示される作業内容や保証などを慎重に確認し、疑問点や不安な点をよく相談した上で検討することが大切です。

また、長期優良住宅の認定を受けた住宅の屋根にソーラーパネルを設置する場合は、荷重条件などで認定計画の変更手続きが必要な場合があります。事前に施工業者と相談したり、認定書に記載のある行政の機関などに確認したりしながら進めましょう。

発電量が天候に左右される

istock画像 太陽光発電デメリット

画像:iStock.com/Julia_Sudnitskaya

 

太陽光発電は、「太陽光」によって発電するわけですから、当然、その発電量は天候に影響されます。曇りや雨天だと発電量が低下しますし、夜間は発電できません。また、冬は日照時間が短いので発電量が下がる傾向にあります。

太陽光発電を導入したからと電化製品を増やした場合や、安定的な売電収入を期待している場合、季節などによっては想定通りの効果が得られない可能性があるでしょう。

デメリットを解決するには?

太陽光発電システムのデメリットのうち、設置場所の問題については、どうしても解決できない物件が存在しています。経験・知識ともに豊富で信頼できる施工業者による現地調査を行った結果、「屋根の構造などが原因で、どのメーカーでも物理的に設置できない」となれば、設置は不可能です。屋根も含めたリフォームのタイミングがあれば、その際に改めて検討するとよいでしょう。

一方で、費用面の問題や、日照時間の問題などについては、解決(リスク緩和)する方法があります。

 

導入コストをゼロで太陽光発電を始める方法

東京電力グループが提供している「エネカリ/エネカリプラス」は、太陽光発電システムをはじめ、蓄電池やおひさまエコキュートなどを初期費用ゼロ※で導入することができるサービスです。しかもメンテナンスや保証もついているので維持コストを含めて将来の家計を計画的に設計することができます。

エネカリ/エネカリプラス」について詳しく知りたい方は以下のサイト「TEPCOの新電化生活」をご覧ください。

 

東京電力グループの新電化生活

 

※エネカリプラスは別途足場代等の費用がかかる場合があります。

 

リースを利用する

太陽光発電は、購入だけでなくリースで利用することができます。

ただし、太陽光発電のリース契約は基本的に長期間にわたり、途中で解約することができません。光熱費削減や売電で得られるメリットと、支払うリース料金を考えあわせて、長期的に問題なく続けられるかどうか、事前に検討しましょう。

新築時に設置する

住宅を新築するタイミングで太陽光発電システムを導入すれば、費用を住宅ローンに組み込むことができますし、屋根の構造上問題がないかどうかも事前に確認の上施工してもらえます。これから新築住宅を建設予定の方は、安心でエコな太陽光発電についても検討してみましょう。

天候による経済的なリスクの対処

天候による発電量の違いも、避けることが難しい要素です。電気の使い方の見直しや、電気料金プランの見直しを検討してみましょう。

気象庁のデータで2011年から2021年までの東京の年間日照時間を見ると2016年は約1,841時間で2013年は約2,131時間です。2,131÷1,841=約1.15倍の差があります。

このデータから、そもそも年間の太陽光発電の収支について、15%程度の変動は想定しておくべきということが分かります。太陽光発電で浮いた光熱費や、売電で得られた収益をマネープランに組み込む際は、ある程度の変動があることを踏まえておきましょう。

月間のデータを見ると日照時間の変動幅はさらに大きくなります。太陽光発電を設置すると、毎日の電気使用量や発電実績・売電実績をWebサイト等で確認できます。天気予報などを参考に、差し支えのない範囲で電気の使用量をコントロールして電気代を抑えることも検討してみましょう。また、エアコンや冷蔵庫などを買い替える場合は、省エネ性能の高い製品を選ぶのがおすすめです。

さらに、毎月の電気使用量が変動しても電力料金単価の変動が少ないプランを活用すれば、電気代を抑えられる可能性があります。検討してみましょう。

▶東京電力エナジーパートナーの新しい電気料金プラン「くらし上手」

信頼できる太陽光発電設置業者を選び、説明を十分理解する

太陽光発電システムを導入する上で、最も大切なのは、信頼できる設置業者選びです。電気工事士などの必要資格やメーカー認定の有無、施工実績、会社のホームページの内容、行政指導の対象になったことはないかといった点についてチェックしてみましょう。

また、施工を業者任せにしてしまわないことも大切です。インターネットなどで情報収集をしつつ、設置業者の現地調査結果、作業内容、見積もり、発電シミュレーション、補助金情報などの説明を納得のいくまでしっかり確認し、不明点をなくしましょう。コスト面やメンテナンスのこと、屋根のことなど、不安なことや本記事で紹介したポイントなどについてしっかり確認を行い、自分の家の場合のメリットとデメリット、将来起こり得る問題などを理解した上で検討してください。

 

太陽光発電を導入すると環境にどんな影響が?

istock画像 太陽光発電の影響

画像:iStock.com/Photography slasher

 

太陽光発電は、クリーンな発電方法であるといわれています。最後に、環境への影響についてよい面と悪い面の両面から確認しておきましょう。

よい影響

太陽光発電設備は、ソーラーパネル等の機材の製造や廃棄までのライフサイクルで見ても、化石燃料による発電と比べて二酸化炭素の排出量が大幅に少ない発電方法です。

再生可能エネルギーの選択肢には風力や地熱などがありますが、一般家庭では採用が難しく、設置までに期間も要します。一方、太陽光発電は住宅の空きスペースである屋根を活用できますし、比較的設置も容易です。住宅や自動車のエネルギー源として使用されれば、化石燃料の消費が減少し、カーボンニュートラルに貢献できるでしょう。

また、カーボンニュートラルという側面だけでなく、持続可能な社会という面でも、太陽光発電は貴重な化石燃料の消費量削減につながるというメリットがあります。

悪い影響

ソーラーパネルに限ったことではありませんが、機器類が故障したり寿命が来たりすることで、リサイクル・廃棄などの処分問題が生じます。大量に導入されれば、その分影響も大きくなるでしょう。

経済産業省のホームページにも「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる? 再エネの廃棄物問題」というコンテンツがあります。

ソーラーパネルには、鉛などの有害物質を含む可能性があるため、処分にあたっては、法令やガイドラインに沿って適切に対処する必要があります。リユースのガイドラインも作成されていますので、処分の際は、リユース、リサイクルを行っている業者に相談するとよいでしょう。

 

まとめ

住宅に関しては「戸建とマンション」「購入と賃貸」など、さまざまな比較が行われています。しかし、このような比較に、万人に共通する正解はありません。両方にメリットとデメリットがありますから、それぞれの人のライフスタイルや価値観などに合わせて、よりメリットが大きい選択をすることが大切です。

太陽光発電もこれと同様だと言えるのではないでしょうか。誰にとっても正解の選択肢があるわけではありませんから「自分にとってどうなのか」を重視して検討しましょう。検討材料を手に入れるためにも、まずは信頼できる設置業者に問い合わせることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

この記事の著者
EV DAYS編集部
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